※注意書きにも書きましたが、この話は「従順な土方さんもたまにはいいよね」の続きとなります。

そちらをお読みになってからお進みください。

 

 

 

 

「今夜会えねェ?お前に見せたいモンがあんだけど…」

「…10時すぎるけどいいか?」

「おー、いいよ。じゃウチで待ってっから」

「ああ…」

 

昼過ぎ、屯所で書類仕事をしている土方の元に恋人の銀時から電話が入った。

用件のみで手短に電話を終えた土方の表情は穏やかだった。

今日はこの後、近藤と共に警察関係者の会議に出席し、先日捕らえた攘夷浪士の取り調べをし、再び屯所に戻って

書類仕事をしなければならない。次々に舞い込んでくる上司と部下の尻拭いに、今日は徹夜を覚悟していたのだが、

銀時に誘われたとなれば何としてでも終わらせてやる!土方はそう意気込んで仕事に向かった。

 

 

 

やっぱり恥ずかしがる土方さんがいいよね

 

 

 

「悪ィ…遅くなっちまった」

「いいって。こっちこそ、急に呼び出して悪かったな」

 

結局、土方は夜11時を過ぎた頃に万事屋を訪れた。走ってきたのか、頬が紅潮し、息が乱れている土方に、

その場で襲ってしまいたい欲求をグッと堪え、銀時は中へ招き入れた。

 

「ここ、座って。今、茶ァいれてくるから」

「ああ…」

 

土方を事務所のソファに座らせると、銀時は台所に向かった。どうやら今日は銀時しか万事屋にいないらしい。

そこでふと土方は、目の前のテーブルに一枚のCDが置いてあるのを見付けた。新八が好きな寺門通のCDかとも思ったが、

ケースは真っ白で何も書かれていない。手に取って裏返してみたが、やはり裏面も真っ白だった。

 

「銀時、コレ何なんだ?」

「電話で言ったろ?お前に見せたいモンがあるって」

 

二人分の湯呑を持って台所から出てきた銀時に訊ねると、そんな返事が返ってきた。

銀時は土方の隣に座って、一つの湯呑を土方の前に置いた。

 

「コレ…CDか?」

「いんや、DVD」

「DVD?」

「そう」

「中身は?」

「ラブホの映像」

 

ガシャン――土方は持っていたDVDをテーブルに叩きつけた。銀時は慌ててそれを拾い上げ、ケースを開けて中を確認する。

 

「ちょっ、何すんのさ!…あー、良かったケースにヒビ入っただけで中身は無事だ」

「チッ!」

「ナニ舌打ちって!中身も壊れれば良かったってこと?」

「…当たり前だ!いきなり人を呼び付けておいてテメーはまた性懲りもなく…」

「いや、今回のはすげェんだよ!ラブホやってる知り合いがいてな?ソイツにもらったんだけどよー…」

「ああーそうかよ」

 

既に土方は銀時とまともに話す気が失せていた。それどころか銀時と会うため、

仕事に何とか区切りを付けて万事屋まで走って来た自分を抹殺したいとまで思っていた。

 

「ソイツのラブホに、犯人は分かってねーんだけど、カメラ仕掛けたヤツがいたんだと。カメラ自体は専門業者に取り外してもらって、

警察に被害届も出したらしい。で、このDVDにはそん時の映像の一部が…」

「そうか…それでテメーは俺に逮捕されたいと、そういうわけだな?」

 

土方がゆらりと立ち上がり、手を刀に掛けた。

 

「ストップ、ストーップ!な、何でそうなるのさ!?俺はただ、今からこれをお前と見…」

「盗撮は犯罪だ」

「それは分かってるって!でも、カメラ仕掛けたの俺じゃねーし…」

「だったらそのDVDは証拠品として速やかに警察へ…」

「分かった。分かったからとにかく刀をしまえ!…じゃあ、こうしよう。ちょっとだけでいいから見て。

で、お前が犯罪の証拠として必要だと思ったら持って行ってくれ」

「必要も何も…完全に証拠品だろーが」

「でもよ…これ以外の映像は全部警察に提出してんだぜ?だったらコレくらい俺が持ってたって…」

「ダメだ」

「はいはい…まあ、とにかく中を確認してくれよ」

「チッ…」

 

刀を鞘に納めると乱暴に元の位置に座る。銀時はクスリと笑みを漏らしてDVDをデッキにセットした。

 

 

*  *  *  *  *

 

 

「…っ!!」

 

映像が始まってすぐ、土方は目を見開いたまま固まってしまった。普段から開き気味の瞳孔が更に開いたようにも見え、

銀時は作戦が成功したことを悟った。

 

些か不鮮明の映像にはホテルの部屋全体が映っている。その中央に位置するベッドに男が腰掛け、その前に跪いた相手に

口で奉仕をさせている。その相手は、後ろ手に縛られており、土方にとっては見慣れすぎている黒い着流しを着ていた。

そして、ベッドに腰かけている男は不鮮明な映像でも誰だか分かるような特徴的な着物と髪をしていて…

 

「お、おい…これ…」

「そっ。この前の俺とお前」

「なっ!?」

「さっき言ったラブホのヤツがさァ…警察に渡す前に映像を確認したんだよ。そしたら俺が映ってたからって、そこだけ俺にくれたんだ」

 

硬直したままの土方に銀時の声は聞こえていないようだった。

 

映像の中の「土方」が帯を解いて着物を脱ぎ捨てるとベッドの上に座った。

 

「なぁ…この後、どうしたか覚えてる?」

「ひっ!」

 

銀時がわざと耳に息を吹き込みながら囁くと、土方の身体がピクッと跳ねた。その反応に、銀時の笑みはますます濃くなった。

 

 

手にローションを出し、「土方」は自分の指を自分の後孔に挿入する。 

 

「んっ…はぁっ…」

「…自分の指でもイイんだ。なぁ…一人でヌく時って後も使ってんの?」

「んなワケ、あるか…あっ!」

「ふぅん、そうなんだ。…じゃあさ、前立腺探してみなよ。埋め込んだ状態で指曲げてさ…ちょっと感触違う所あるから

すぐ分かると思うよ。…ていうか、自分でヤってんだから気持よさですぐ分かるか」

「んっ…くっ…はぁー」

 

 

「土方」が手を動かすたびにクチュクチュと卑猥な音が聞こえる。

 

 

「あれっ?まだ見つかんない?もうちょっと手前かな。で、こう…指を曲げてだな…」

「くっ……あっ!」

「おっ!見つかった?」

「あ…ああっ!」

「じゃあ、指もう一本増やしてソコ擦ってみろよ」

「んっ…ああっ!」

 

 

艶やかな声を上げながら自身を解していく「土方」。

 

 

「ダメだって…ちゃんとイイ所触んなきゃ」

「だっ…て…」

「しょーがねェな…じゃあイケたら終わりでいいよ」

「イクって…」

「もう完勃ちしてるし、そんなに時間かからねーだろ?」

「た、多分…」

「その代わり、前を触るのはナシな」

「えっ…」

「後ろだけでイッてね。イケるんなら、前立腺触んなくてもいーよ」

「くっ…」

 

「…ああっ!」

 

「もっ…無理。ぎん、とき…」

「ダメだよ…イクまでって言ったでしょ?…もうすぐなんだから、ほらっ」

「ああっ!ああっ!…ああっ!!」

 

 

 

「銀時」に促されて「土方」のモノから先走りが溢れ出す。

 

銀時が帯を解きにかかっていることも気付かず、土方はただ呆然と目の前の画面を見つめていた。

 

 

「やり方分かったでしょ?後は自分でシて」

「ううっ…ああっ!ああっ!!」

「そうそう上手…お汁漏れてきたからもうちょっとだよー」

「っああ!!…あうっ!」

「あー、脚閉じちゃダメだって。ちゃんと開いてー」

「はあっ!ああっ!!」

「…もう一本増やしてみようか?」

 

「あうっっ!…ああっ!ああっ!…ああああっ!!」

 

 

「土方」が全身を痙攣させながら白濁を飛び散らせたところで、土方は我に返った。

 

「てめっ、なにを…」

「えーっと…前がキツそうだったからお手伝い?」

 

いつの間にか土方は銀時に後ろから抱きすくめられ、帯を解かれて下着の上から一物を揉まれていた。

 

「やっめ…くっ!」

「だってよー、お前もう勃ってんじゃん」

「てめ…が、触っ、からっ!」

「違いますー。銀さんはお前の前が膨らんできたと思ったから、触ってあげたんですぅ」

「くそっ…」

「恥ずかしがることねェって…俺も、もうビンビンだから。ほらっ」

「っ!!」

 

銀時は自分のモノを土方の腰に擦りつけた。

 

「いやー、さすがのお前も自分のヤってるところ見たら反応すんのな。銀さん安心したぜ。あの時のこと思い出してた?

今日も自分でヤってみる?」

「…るせェっ!」

「あっ、そうだ!なあ、これ…警察に渡す必要あると思う?」

「うっ…」

「証拠は証拠だもんな…」

「えっ…あっ…」

 

土方の目は泳ぎ、まともな言葉が出てこない。銀時はクスリと笑うと土方を後ろからギュッと抱きしめた。

 

「冗談だって。こんなモン、他のやつに見せるわけないだろ?」

「ぎんとき…」

「ホテル側も大丈夫だぜ?俺が映ってるのに気付いてDVDに焼いてくれたんだけど、相手が誰かまでは気付いてないみたいだったし…」

「…そうか」

「だから、これは俺とお前だけの秘密ってことでいいよな?」

「……」

 

応える代わりに土方はコクリと頷いた。

 

「じゃあさ…もう布団行かねェ?もう銀さん、限界なんですけど…」

「……」

 

 

 

土方が再びコクリと頷くと、二人は布団の敷いてある和室に入っていった。

 

 

(09.10.20)


前にAVを見る土方さんを書いた時に、とある方から頂いた感想に萌えて書いた、AV鑑賞リベンジです(笑)。呆然としながらも画面に釘付け…やっぱりコレですよね!

鬼の副長といえども、自分の濡れ場を見せられたらワタワタするに違いありません。 この後、完全に蛇足なおまけがあります。和室に入った後の二人、ただのエロです。よろしければどうぞ