中編
合格発表の日。自動音声ダイヤルで合格を確認した俺は、すぐに土方くんへメールを送った。
件名:土方くんへ
本文:合格したよV(^0^)
今日、デートできる?
暫くして土方くんから返信が来た。
件名:おめでとうございます!
本文:おめでとうございます!先輩さすがですね!
今日は生徒会ないので3時には出られます。
それから俺は、早く放課後にならないかとワクワクしながら過ごした。
* * * * *
「せっ先輩……」
「来ちゃった」
逸る気持ちを抑え切れなかった俺は、帰る時間を見計らって土方くんの家の前で待っていた。
土方くんはとても驚いていたけど「早く会いたかった」と言えば照れ笑いをしつつ、玄関の鍵を
開けてくれた。
土方くん家もウチと同じく共働きだから昼間は誰もいない。
……だから互いの家でイケナイコトできるんだけどね。
玄関を入ると土方くんが内側から鍵を閉めてチェーンをかける。
これで万が一親が早く帰ってきても安心だ。
ああ……遂に俺達、一つになるんだ!
* * * * *
部屋に入ると土方くんはお茶を淹れてくると言ってキッチンへ向かった。
セックスの事前準備を家でヤってきた俺は、うずうずしながら土方くんの部屋で待つことに。
土方くん、早く来てくれないかな〜……
「先輩、合格おめでとうございます」
ベッドを背に座る俺へ麦茶のコップを差し出しながら、土方くんはおめでとうと言ってくれた。
そこまで難しい学校を受けたわけじゃなかったんだけど、それでも恋人に祝ってもらえると
嬉しいもんだな。
俺がお礼を言ってコップを受け取ると、土方くんも自分のコップを持って隣に座った。
「本当にすごいですね、先輩」
「そんなに大変な所は受けてないからね……模試の判定もそこそこ良かったし。
ていうか、A判定だった滑り止めには落ちたし……」
「そういうところ、先輩らしいですね。まあ、本命に受かったんだからいいじゃないですか」
「まあねー。……ところで土方くん」
「はい」
麦茶を一気に飲み干してコップを床に置き、土方くんの両肩を掴む。
「セックスしよう!」
「え……?」
「あのね、男同士でもセックスできるんだよ。というわけで、今からヤろう!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!いきなりなに言ってんですか!できるわけないでしょう!」
「アナルセックスならできるんだって」
「あなっ!?」
「そっ。俺さァ、もうヤりたくてしょーがねーの。早く脱いで脱いで」
「きゅっ急に、そんなこと言われても……」
相変わらず堅いなんだから土方くんは……こうなったら最後の手段だ!
「今日は俺の合格祝いデートだよね?」
「あ、はい、まあ……」
「だったら俺のしたいことしてくれるよね?」
「えっ……あ、はい」
「じゃあセックス」
「…………」
あれ?合格祝いに託けてヤっちゃおう作戦失敗?……あっ、そうか!土方くん初めてだから
ビビってんだな。そうだよな〜……俺だって最初にアナルセックスのこと聞いた時は痛そうだと
思ったもんな……
「安心していいよ。初めは土方くんが攻めだから」
「せ、せめ?」
「ああ、突っ込む方ってこと」
「え……お、俺が先輩に、その……入れるんですか?」
「そうだよー。だから怖がらなくていいよ」
「いや……怖いとかじゃないんですけど……」
「大丈夫大丈夫。初めてなら緊張して当然なんだから」
「あの……」
「合格祝いに土方くんのおち○ち○ちょーだい」
「…………」
小首を傾げて可愛くおねだりしてみた。これで土方くんもヤる気になってくれたはず!
……客観的に見ればキモイだけかもしれないけど、土方くんは俺のこと好きなんだから
こういうことされたらクラっときちゃうんだって!……多分。
ほら、俺の後に続いて土方くんもベッドに上がってくれた。
* * * * *
急展開についていけないままベッドへ上がらなければならない状況に陥り、先輩につられて
俺も着ている物を脱いでいった。
「はいっ、これ使って」
さっさとパンツ一枚になった先輩は俺にコンドームの箱と液体のボトルを手渡した。
とろみのある液体……もしかして、ローションってやつか!?先輩、何でそんなもんを……
「あの……先輩、これって……」
「ケツの穴は女みたいに濡れないからそれ使うんだよ」
「は、はあ……」
「やっぱり初回は正常位だよな?」
パンツも脱いで全裸になった先輩は、横になって足を開いた。
「土方くん、ここに入れて……」
「はあ……」
先輩は足を開ききると、両手で尻を左右に引っ張って穴を広げてくれる。
全てを俺に捧げてくれる先輩……未だに戸惑いはあるものの、こうまでしてくれる先輩に
恥をかかせるわけにはいかない!
俺は自分のナニを扱いて勃たせ、ゴムを被せてローションをたっぷり塗った。
「あの、いきます……」
「優しくね」
「は、はい!」
優しくしてほしいなんて、先輩も本当は緊張してるのか?
俺は、そっと先輩の入口にナニの先を宛て、ゆっくりと前に進んだ。
「あ……」
うわ……マジで俺、先輩のナカに入ってる!!
「痛くないですか?」
「うん。……土方くんの、全部、ちょーだい」
「先輩っ!!」
くそぅ……可愛いじゃないか!優しくしたいのに、こんなこと言われたら我慢できなくなる。
俺は一気に根元までナニを挿入してしまった。
「ああっ!!」
「すみません!痛かったですか!?」
先輩が声を上げたことで我に返り、慌てて抜こうとしたんだけど止められた。
「大丈夫。大丈夫だから、動いていいよ……」
「無理しないで下さい。全部入ったんだから、これでセックスは一応できたんだし……」
「無理じゃない。動いて……」
「あっ、ちょっ……」
動いてと言いながら先輩は自分で腰を揺らし始めた。え……何だコレ?
先輩って、こんなに積極的だったっけ?そもそも、こんなにアッサリ入っていいのか?
だって本当は入れる所じゃないんだぞ?むしろ出す所で……それなのに、俺のナニが全部
納まって、本当に痛くないのか?
「土方くんっ……早、く……」
俺が混乱している間にも先輩は下から腰を振ってハァハァ興奮している様子だ。
……これが、初キスの時、俺に何もかも任せようとした先輩?
「はやくっ……お願い……」
「あ、ああ、はい……」
未だに訳が分からなかったが、先輩から急かされて俺はナニを一旦抜いていった。
「あ……はぁ、あぁ……」
「い、痛いですか?」
「違……そこ、気持ちいい……」
「え?こ、ここ?」
「あぁ……あ!あ!」
イイと言われたところをナニで行き来してみると先輩が喘ぐ。マジでか……
「あっ、ああ!土方くんっ、気持ちいいっ!!」
「…………」
先輩はとても気持ちいいようなのでその辺りを高速で動く。
けれど、先輩が乱れれば乱れる程に俺は腹の底が冷たくなっていくのを感じていた。
「あぁっ!も、ダメ……イキたいっ!!」
「…………」
一度も触れていないにもかかわらず、先走りでヌルヌルしている先輩のナニ。
どう見ても慣れてるとしか思えない。まさか先輩が、俺以外と……
思い浮かんだ可能性を消したくてわざと乱暴に腰を振れば、更に激しく喘がれて、
信じたくもないことが真実であると証明されたような気がした。
「あっ……もう、ムリっ!!……ああぁっ!!」
「…………」
先輩は自分でナニを擦ってイッてしまった。
(12.03.05)
銀土版を読んだ方、土方くんの一人エッチを期待されていたらすみません。坂田先輩と会えなかった期間は土方くんも一人で
頑張っていた(?)と思われますが、話の展開に上手く組み込めなかったのでカットしました。
後編は銀土にひっくり返ります。アップまで少々お待ち下さいませ。
追記:続きはこちら→★