後編


数日後、銀時はある決意を持って土方とのデートに臨んだ。

「今日はウチに来いよ」

二人で居酒屋に行った帰り道、銀時は土方を自宅へ誘った。今夜、万事屋には誰もいない。

万事屋に着くとすぐに風呂の準備をした。
土方が入浴を済ませると、先に入浴を終えていた銀時は布団に正座して待っていた。

「銀時…どうかしたのか?」

硬い表情で正座する銀時の向かいに土方は座り、じっと銀時を見つめる。
すると銀時は頬を染めて視線を逸らした。

「俺に、何か言いてェことでもあんのか?」
「えっと、その…(ダメだ!やっぱ、抱いてくれなんて言えねェ!)」

銀時がどう切り出そうか迷っていると事務所の電話が鳴った。

「…誰だよ、こんな時間に…。まさか依頼じゃねェだろーな」
「急用かもしれねェし、出ろよ」
「あぁ、悪ィね」

場の空気が変わったことで銀時は僅かに肩の力が抜けたように感じた。
面倒臭そうに立ち上がり、和室を出て受話器を取る。

「もしもーし、本日の営業は終了して…なんだオメーか。あ?いるけど?
いや、まだだけどよ……。あー?何でだよ。…チッ、分かったよ。代わればいいんだろ。
おーい、土方ァー」

銀時は受話器を口元から離して、和室にいる土方を呼んだ。

「…何だ?」
「電話、神楽からなんだけど、なんかお前に代われって」
「俺に?チャイナが?」
「後ろで新八の声もしたから新八も話すかもしんねェ」
「…何を?」
「さぁ?聞いても教えてくんねェんだ」
「分かった」

土方は銀時から受話器を受け取る。
銀時は土方の話す横顔を「電話してるトコもカッコイイ」などと思いながらじっと見つめていた。

「もしもし…ああ。あ?そうなのか?ああ、ああ、大丈夫だ。俺に任せとけ。
ああ…あっ、銀時に代わるか?そうか?じゃあ、ガキは早く寝ろよ」

通話を終えた土方はニッと笑って銀時に向き直る。
男の色気漂う笑顔にドキリとしながらも、銀時はできる限り平静を装って土方に尋ねた。

「アイツら、何だって?」
「その前に銀時オメー、俺に抱かれたかったのか?」
「えっ!!ななな何を急に…」

途端に焦りだした銀時を見て、土方は肯定の返事と受け取った。

「そうだったのか。気付かなくて悪かったな。いつからそう思ってたんだ?」
「いつからって、あの…えっ?アイツら、オメーに何を…」
「オメーが俺に抱かれたがっているが、初めてだから優しくしてくれってよ」
「っ!!」

土方と子ども達とのやり取りを聞き、銀時は驚愕した。

「もしかして、さっきから何か言いたそうにしてたのはそのコトか?」
「あ…う…」
「そうか、そうか…じゃ、布団に戻るか。…優しくしてやるからよ」
「……お、お願いしマス」

銀時は真っ赤になってうつむきながらそう言うと、土方に肩を抱かれて和室に戻っていった。


*  *  *  *  *


「あっ、もう、そこはっ…」
「どうした?気持ちよくねェか?」


自分の布団に横になった銀時は土方に乳首を弄られていた。


「そう、じゃ、なくて…」
「ここか?」
「あっ!」


銀時の気持ちを悟った土方は、胸の刺激だけで勃ち上がっている一物を軽く握った。
すると銀時は短い喘ぎを上げる。
土方はゆっくりと握った手を上下に動かした。


「あっ、あっ、んっ、あっ…」


一物を擦りながら土方は銀時の唇に軽く触れるだけの口付けを落としていく。


「あんっ…あっ、んっ…あっ!」
「…イキそうか?」
「うんっ…」


土方は銀時の射精を促すように手の動きを速めた。


「あっ、あっ、イク、イクっ…ああっ!!」


銀時は土方の手のひらに吐精した。
ヌルつく片手をそのままにして、土方はもう一方の腕で器用に銀時を裏返す。

「えっ、何で?」
「この方がオメーの負担が少ねェからな」
「そうなんだ…(確かに正常位だと脚開いたり腰上げたりキツそうだよな…あっ、でも
この体勢だとぎゅってしてもらえねェじゃん)あ、あのさァ、土方…」
「どうした?」

銀時は自分で向きを変えて仰向けに戻る。

「あの、俺…こっちの方がいい」
「そうか…じゃあ、これ下に敷いとけ」
「あっ、うん」

土方は銀時の腰の下に枕を差し入れる。
自然と腰が浮き、後孔を土方に晒すような格好になり銀時は顔を真っ赤にする。

「銀時…無理しなくていいんだぞ」
「ありがと。でも、大丈夫だから…」
「じゃあ入れるから、力抜けよ」
「う、うん…」

返事はしたものの、初めてのことに意識せずとも銀時の体は強張ってしまう。
土方は安心させるように銀時の頭を撫で、ゆっくりと入口に潤滑剤を塗り込めていく。


「銀時、息吐け。そう、ゆっくり…」
「ハッ…ぁ…」


土方はたっぷり時間を掛けて中指を奥へと進めていった。


「銀時、分かるか?指、入ったぞ」
「マジでか…。なんか意外と平気なモンだな。もっと痛ェのかと思った」
「指一本くれェどうってことねェだろ」
「それもそうか」
「…ちょっと動くぞ」
「うん…」


入った時と同じくらい時間を掛けて指をギリギリまで引き抜き、再びゆっくり埋めていく。


「ハァー…(痛くもねェけど別に気持ちよくもねェな…。土方はいつももっとあんあん言って…もしかして演技?
…ンなわけねェか。チ○コビンビンになってるもんな。…あれっ?じゃあ俺って不感症?)」


銀時が不安になっていく中、土方は指を曲げて内壁を押し始めた。


「ハァ、ハァ…(どうしよう…気持よくならなかったら土方に悪いよな。でも、あんあん言ったところで
チ○コ勃ってなけりゃ演技ってバレバレで…)っああ!!」


突如、銀時は内部からの強い快楽に襲われた。


「なっなに!?」
「前立腺。…やっと見付けたぜ」
「えっ?ああっ!!ああっ!!」


土方が指を動かす度に銀時は叫ぶように喘ぐ。


「指、増やすぞ」
「えっ…あっ、ああっ!!待っ…ひあぁっ!!」


二本の指で快楽点を突かれ、銀時は悲鳴のような声を上げた。
だが一物が勃ち上がり、雫を零し始めるようになるとナカの刺激だけでは足りなくなる。


「土方っ…イキたい。イカせてェ!」
「了解」


土方は銀時の一物を握ると激しく上下に扱く。


「あぁっ!あぁっ!あぁっ!…もっ、ダメっ!イク、イクっ…っあああ!!」


銀時は再び土方の手のひらに吐精した。


「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
「銀時…大丈夫か?」
「ハァッ…だい、じょぶ、ハァ…だから、ハァ…ハァ…」

慣れない刺激で達した銀時は、なかなか息を整えることができない。
土方は銀時の腰の枕を外し、隣に寝そべった。そして銀時を抱き寄せて背中を擦る。

「…今日はこれで終わりにするか」
「なに、言って…ハァ、まだ…入れて、ハァ…」
「別に今日ヤらなくてもいいだろ?…俺達はずっと一緒なんだからよ」
「ひじ、かた……」

自分の身体を気遣う土方の優しさと、ずっと一緒と言われた嬉しさで銀時は胸がキュウと締め付けられる思いがした。

「じゃあ…オメー、のは、口でして…やる」

少しでも土方に喜んでもらいたくて、銀時は身体を起こそうとしたが、土方の腕に抱き締められてしまう。

「無理しなくていいって。初めてで疲れただろ?今日はこのまま寝ようぜ」
「…ンなこと言ったって、オメー勃ってんじゃん」
「気にすんな…」
「ダメだ!ウチまで来させといて一人でヌくなんてさせられねェ」
「お、おい…」


銀時は土方の腕を振り払い、土方の下着を脱がせると一物を咥え込んだ。


「くっ…」


既に完勃ち状態のモノを喉の奥まで咥え、根元を扱きながら溢れる雫を啜っていくと土方から声が漏れる。


「あ…ぎん、とき…」
「イキそう?じゃあもっと気持よくしてあげる」
「ああっ!」


一旦口を離し、自分の指に唾液を塗すと土方の後孔に挿入した。
指で前立腺を刺激しながら、先端から零れる液をじゅるじゅると啜っていく。


「あぁっ!あっ…あぁっ!!」


ナカの指を二本に増やし、頭を激しく動かして一物への刺激も強くする。


「もっ、イク!…あぁっ!ああっ!…っぁああ!!」


土方は銀時の口内に欲を放ち、銀時はソレをごくりと嚥下した。


「ハァ、ハァ…」
「土方ごめん…入れていい?」
「ああ、いいぜ」


土方を感じさせているうちに銀時自身も興奮してしまった。
ナカに埋めていた指を抜き、猛る一物を入口に宛がって一気に奥まで挿入する。


「ああっ!!」
「はぁー…土方のナカ、めちゃくちゃ気持ちいい…」
「そうかよ…」
「ごめんね。次は必ず入れさせてあげるから…」
「俺ァ、上でも下でも構わねェって言ったろ?」
「でもさ…俺も土方とナカで繋がってみたい」
「…今まさに突っ込んでるヤツの言うセリフか?」
「はははっ…じゃあ、突っ込んでるヤツらしく動きまっす」
「おう…」


銀時が腰を動かし始めると土方から艶やかな声が上がる。
いつも通りの夜の光景に、銀時は何故だか物足りなさを感じて唇を合わせてみた。


「んっ、んんっ…」
「んっ…はっ!ひじかた…ひじかたァ…」
「…あっ、ぎんとき…ああっ!」


腰の律動によって唇が離れても銀時は土方の首に縋りつく。
土方は銀時の背に腕を回してそれに応えた。


「ひじかた…もっと。ぎゅってして!」
「あぁ…ぎん、とき…あっ!あっ!」


互いに腕に力をこめ、できる限り身体を密着させる。


「ひじかた、気持ちいい…」
「はぁっ!ああっ!…ああっ!」


銀時の動きに合わせて土方も腰を揺すり、二人で頂点を目指していく。


「あっ…ひじかたっ!もっ、イキそ…」
「…っれも、イク!」
「あ、んっ……くぅっ!!」
「くっ…ああぁっ!!」


抱き合ったまま激しく腰を動かし、銀時がナカに放った直後に土方も果てた。


この日も銀時は土方に抱き締められて眠りに就いた。


(10.03.14)


後半の本番、セリフだけ読んでると銀さん完全に受けですね^^;受け受けしい銀さんは書いてて楽しかったです。それと、受ける時も攻める時も男前(当社比)な土方さんも新鮮でした。

一万打リクの時に上手く書けなかった「可愛い銀さん」と「カッコイイ土方さん」にも再挑戦してみましたが…可愛いとカッコイイってやっぱり難しいですね。

そのうち、この続きで銀さんが最後まで受ける話を書きたいです。  ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

追記:続き書きました→

 

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