おまけ後編(リバ版)


「あんっ!あっ……あぁっ!」

浴槽の中で立って縁に手を付き、後ろから土方を受け入れて喘ぐ銀時。

「んんんんっ!!」

両胸をカリカリと引っ掻かれ、背を丸めて身体を震わせる。その直後、ナカのモノが動いて背を
仰け反らせた。

「ああぁっ!!」

白濁液が湯船の外まで飛び散り、銀時は膝から崩れ落ちた。

「ハァ、ハァ……あ〜、熱ィ……」
「出るか?」
「そうだな」
「んっ」

膝立ちで抱き合い、キスをして、互いの孔へ手を伸ばす。浴室を出るのは己の後始末をしてから。

「んぅっ」
「ん、くっ」

ナカに残る精液を掻き出せば、その刺激に再び元気を取り戻す二人の一物。

「早く上がろう」
「ああ」

どうせまたドロドロになるのだし――二人はふらつく足で支え合いながらシャワー室で水を被り、
タオル一枚腰に巻いて脱衣所を出た。



「いいもの発見」
「おい……」

ベッドのある洋室へ向かう途中、銀時が深紅の縄を拾い上げたのを目にし、土方は慌てた。

キングサイズのベッドの中央、掛け布団の上で胡坐をかいた銀時が土方を手招きする。苦々しい
表情で土方はそこへ上がるのだった。

「それでどうする気だ?」

碌なことにはならない予感はあるが尋ねずにはいられない。三十センチ程を先に出しくるくると
回しているそれは、出立時、沖田が用意した「リボン」である。

「折角だから縛ろうと思って」

何が折角なのだか少しも理解できないけれど、今日は銀時の誕生日。やりたいようにすればいいと
許可を与えるしかない。

「どうも」
「っ――」

ぎゅっと陰茎を握られて、何処を縛るつもりなのか思い知る。だからといって止めるつもりも
ないのだけれど。



「よし、完成!」

根元をぐるりと二周。残りは大きな蝶結びに。深紅の縄が勃ち上がったモノに巻き付けられた。

「きつくない?」

いけしゃあしゃあと聞いてくる男へ、きついに決まってんじゃねーかと言い放てば、至極楽しそうに
先端を指先で抉られる。

「くっ!」
「本当にきつい?気持ち良さそうだよ?」
「る、せっ……あっ!」

今度はちろちろと舌で刺激され、土方の抵抗は喘ぎに変えられた。

「もっと気持ち良くしてあげる」

豪華旅行のお礼だと土方を仰向けに寝かせ、銀時はその上に跨る。先程と同様に右手を前から
回して一物を握り、自分のナカへ迎え入れていった。

「はっ……あんっ!」

自ら一物を受け入れ、恍惚の表情をする銀時。この光景が堪らない。

「あ、あんっ!あぁんっ!」

己の上で跳ねながら先走りを飛ばす様も絶景……いやいやこれは銀時の誕生日祝い。自分だけが
楽しんでいてはいけない。
土方は下から腰を突き入れた。

「あああぁぁっっ!!」

その瞬間、銀時から精が放出し、土方の顔まで飛んだ。
だがこれだけでは終われない。素早くベッドに下りると銀時は、仰向けにした土方の膝裏に手を
当てて開かせ、露出した後孔へ萎える前のモノをぶち込んだ。

「ああぁっ!!」

吐精を止められている土方はナカまで敏感になっている。ベッドカバーを掴み悶える身体のその
中央には、根元を鮮やかな赤で彩られ解放を求めてやまない一物。顔は銀時の精液に塗れている。
腰を突き入れながら銀時は、この滅多に拝めない艶やかな様を確りと目に焼き付けていた。

「ああっ!!ああっ!!ああっ!!」

室内だからか土方は遠慮なく声を上げてくれる。その姿を堪能しようと銀時は腰の動きを緩やかに
していく。

「あっ、あ……あ……」

土方の足の裏を舐め上げ、指をしゃぶる。指の股まで丁寧にしゃぶりつくせば、後孔がきゅうと
絞まった。

「あ……ぎ、ん……」

ふいに、土方の両手がふらふらと上がる。何?――腰を止め、土方の手に指を絡めてそれぞれ
握れば、息も絶え絶えに笑顔を向けられた。

「たん、じょーび……おめで、とう……」
「うっ!!」

ふにゃふにゃと倒れ込んだ銀時。ナカを埋めていたモノの萎む感覚に、土方も何が起きたのかを
悟る。だが何故こんなタイミングで……?

「あ、の……」
「反則だコノヤロー!!」
「は?」
「解けばいいんだろ!」
「あ……」

半ばヤケクソに縄を解かれて、

「うあああぁぁぁぁ――っ!!」

土方の意識はそこで途切れた。


*  *  *  *  *


「――じかた。おーい、十四郎ー」
「あ?」

目を覚ました時、土方は裸でベッドに寝ていた。あちこちに飛び散ったはずの精液は拭われ、
きちんと布団に包まって。

「夕メシ来たけど食える?」
「ああ」

新しい浴衣と下着を受け取り、ベッドの上でそれを身に付けていく。

「メシもすっげぇ豪華だぞ!」
「ああ」
「マヨネーズも一本付いてたけど、お前の特注?」
「ああ」
「もしかして明日の朝メシにも?」
「当然だ」

ベッドから下りて帯を締め、銀時を抱き寄せて唇を重ねた。



「とりあえずビールにしたけど、受付に電話すれば他の酒も持って来てくれるって」
「そうか。あ……」

大事なことを忘れていたと座椅子から立ち上がろうとすれば、

「煙草だろ?はい」
「いや……」

宿の灰皿に愛用のライターと煙草が出てきた。これはこれで必要なのだが今の用事はこれじゃない。

「ったく……マヨネーズが足りないのか?」
「そうじゃなくて、冷蔵庫開けてみろ」
「冷蔵庫?」

マヨネーズはないと思うぞと言いながら、銀時は冷蔵庫を開けた。
そこには花柄の包装紙に包まれた十五センチ四方の箱が一つ。

「……たっ誕生日プレゼント?」
「ああ」

細心の注意を払って食卓へ運び、包みを剥がす銀時の手は震えていた。
まさかそんなはずはない。この宿のデザートをラッピングしただけ。そうに違いない。

だが現れたのは銀時が密かにリクエストしてしまった、某コンビニチェーン限定のイチゴケーキ。
真ん中にはホワイトチョコレートでできたプレートに「HAPPY BIRTHDAY GINTOKI!」の文字が並ぶ。
夕飯の準備をしていた仲居は何も言ってなかった。到着前に入れておいてほしいと土方が頼んで
おいたのだろう。

銀時は俯いて両手で顔を覆った。

「何なのコレ?俺、死ぬの?今年が土方くんと過ごす最後の誕生日?」
「アホか。来年も再来年も祝ってやるからありがたく思え」

それはどうもと顔を上げ、気恥ずかしさを紛らわすためビールを呷る。

「けど今回サービスし過ぎじゃね?」
「次は質素にするさ」
「ハハッ……でもさっきのはあんまりだったぞ」
「さっき?」

訳も分からず土方は首を傾げた。

「あんなエロ可愛く『おめでとう』なんて言われたら、嬉しくて出ちゃうだろ」

そんなに早く終わらせたかったのかと口を尖らせ、ホールケーキのイチゴをつつく。

「そういうことか……」

勿論そんなつもりは土方に毛頭ない。だが本心から言っただけだと真実を述べてやる必要もない。

「フッ……」
「笑うことないだろォォォ!」
「すまんすまん」

これも勿論、銀時の勘違い。土方はただ嬉しくて笑っただけ。
恋人に喜んでもらえたのが嬉しくて笑っただけ。

「銀時」
「何でしょう?」
「誕生日おめでとう」
「あ、ありがとう」

次はどうして祝おうか……豪勢な夕食に下鼓を打ちつつも、土方の思いは来年を見据えていた。

(14.10.10)


土誕を書いた時に「続きを銀誕で」と予告したわけですが、例の如く何も考えていま せんでした^^;
二人にとっての最初の銀誕とは?と考えを巡らせた挙句、当サイトの最初の銀誕話と繋げることに決めました。
というわけで土方さんは局部を縛られる羽目になったというわけですw でも熟練さんですから縛られるのにも慣れてる感じですね。
ここまでお読み下さりありがとうございました!


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