おまけ


大きなベッドの中央で、土方と銀時は横向きに抱き合い、唇を合わせ、舌を絡ませる。
そのまま相手の帯を解き、着物を脱がせていくと抱き合う腕がなくなり、自然と二人の間に僅かな
隙間ができる。それが何だか淋しくて、相手の足に自分の足を交差させた。


「んっ、ふっ……」
「んっ、んっ……」


硬くなったモノ同士を布越しに重ね合わせれば、鼻に抜けるような声が口付けの合間に漏れ聞こえる。
徐々に肌蹴ていくのがもどかしくて、二人は仕方なく口を離して着ている物を素早く脱ぎ、
生まれたままの姿になってから再び抱き合った。
今度は土方が銀時の上に折り重なる体勢で口付けを交わす。

「んっ……今日、土方が上だっけ?」
「ああ。」

閨での役割は順番に行っていた。
けれど敢えて確認したということは逆の方がいいのかと土方は思い聞いてみる。

「今日は上がいいのか?」
「別に……。つーか多分、両方ヤるし。」
「そうだな……」

落ち着いて話しているように見えても、互いの身体を見れば平素より昴ぶっているのは明らかだった。
銀時は起き上がり、土方に尻を向けて四つん這いになった。

「もう入れてよ。」
「……もう少し触らせろ。」
「入れてから触ればいいだろ?土方だって完勃ちしてんだし、とりあえず繋がろうぜ。」
「分かったよ……」

欲に忠実な銀時とムードを大事にしたい土方と……どちらも根底にあるのは相手への深い愛情。
銀時は土方であるから早く交わりたいし、土方は銀時であるから即物的な真似はしたくなかった。
けれどもここで銀時の求めに応えないのも悪い気がして、土方は自身の先端を銀時の孔に宛がい、
後ろから抱き締めるようにしてナカへ埋めていった。


「あっ、あ、ぁ……」


挿入が始まると、銀時の身体がビクビクと震えだした。


「おい、大丈夫か?」
「やばいっ……すげぇ、感じるっ……!」
「……ならいいか。」
「ちょっ……」


土方は右腕を銀時の腹に回して支え、左手を銀時の左手にそっと重ねた。


「んんっ!……土方っ、手、離せ……イキ、そ……」
「離したくねぇ……」
「ああっ!」


腕がプルプルと痙攣を始め、銀時はきつく目を閉じて、せり上がる快感に耐えていた。
土方が銀時の項に口付け、強めに吸って紅い痕を残す。


「なあ……マジで、やばいから……少しだけ、離し……」
「悪ィ、無理だ……。銀時……」
「んんっ!」


背中に覆い被さり、普段あまり呼ぶことのない名を耳元で呼ばれて、しかもその声が意外に
逼迫しているように思われて、土方もいつも以上に高ぶっているのだと判った。
銀時は左手を開き、上に重なる手の指を自分のそれと絡めて握り直しながら言う。


「もう……いいから来いよ。オメーも、我慢できねーんだろ?」
「悪ィな……」


左手は労るようにそっと握り、右腕で銀時の身体を抱え直して土方は腰を打ち付けた。


「あぁっ!あっ!あっ!」
「ハァッ……っ!」


土方が動き始めると、結合部から生まれた快感が一気に二人の全身を駆け巡った。


「はぁっ!もっ、出る!……イクっ!」
「俺も、だ……くっ!」
「イクイク、っ……ああぁっ!!」
「っ……!!ハァー……」


銀時が達した直後に、土方は一物を抜いて銀時の背に精を放った。


「おい……なに外に出してんの?」
「上になった時、中に出してあると邪魔だろ?」

これからの事を考え、敢えて外に出した土方であったが、銀時の思いは異なるようで、

「後のことはいいって。今日は中に出して欲しい気分なんだから。……ってことでもう一回な。」

やり直しを要求されてしまった。

「……分かったよ。」
「じゃっ、よろしく。……まだ勃ってんだろ?」
「まあな。」

土方のモノは未だ硬度を保ったままで、再び四つん這いになった銀時の孔へそれを押し宛てた。


「ハァ……やっぱ、すげぇイイ……」


銀時はうっとりとした表情で息を吐いた。
根元まで挿入し切ると土方は銀時の身体に両腕を回し、そのまま身体を起こした。

「おわっ!」

恍惚としていたところで急に上体が浮かび上がり、銀時は虚を衝かれて声を上げた。

「おい、体位変えたいなら言えよ……」
「……変えるぞ。」
「へーへー……今度は変える前に言って下さいねー。」

口では文句を吐きながらも、銀時は土方の動作に合わせて体勢を整えていく。

「……こっち向きでいいのか?」
「ああ。」

土方の胸に寄り掛かりつつ後ろを振り返り確認する。

「珍しいな、これ。」
「そうだな。」

どちらも動きが制限されるこの体勢はあまり取ったことがなかったものの、先程と同じく左手で
左手を握られ、銀時にもこの体位を選んだ意図が伝わった。

「たまにはいいな、これ。」
「そうだな。」

銀時は手首を返し、土方の左手と掌を合わせ、それから指を組んで確りと握った。
互いの薬指に輝く金属が体の熱で温められていき、銀時はまた一つ息を吐いた。

「ハァッ……なんか、左手とケツの穴が繋がってるみてェ。」
「何だよそれ……」
「こう、ぎゅっとするとさァ……身体の奥がきゅうってなって、勝手にお前のチンコ締め付け
ちまうんだよ。」
「そういうことか……」
「ついでに言うと、お前のチンコも左手に連動してビクビクいってる。」
「そうだな。」
「……早く動きたい?」
「その前に触らせろ。今度こそ。」
「じゃあ……いっぱい触って。」

銀時は繋いでいた手を離し、土方の腿の上に置いた。


「んっ……」
「あれっ?これ、気持ちイイ?」


土方が反応したのを聞いて銀時は、腿を優しく撫でていった。


「っ……ハァッ……」
「おー……いい反応。このままイケそうだな?」
「て、めー……」
「あっ!」


土方の左手に胸を撫でられて、銀時の手が止まった。更に土方は胸の突起を摘まむ。


「あ、あっ……」


指輪をはめた手で触れられているという精神的な刺激に、普段でも感じる刺激が加われば
土方をからかう余裕など消し飛んでしまう。


「あぁ……あっ、ん、んんっ……」
「すげぇヌルヌル……」
「あっ!」


左手の乳首はそのままに、土方の右手が先走りに濡れた銀時のモノに触れた。


「あっ、あっ、あぁっ!」
「まだ握ってるだけだぞ?」
「ン、なこと言っても……あっ!乳首、が……ああっ!」
「こっちか……」


右手は一物を握ったまま動かさず、土方は左の指で胸の粒を撫でていく。


「あっ、んんっ!ああっ……!」
「これだけで良さそうだな……」
「だめ……ちゃんと、やれ……あっ!」
「でもよ……」
「ああっ!」


銀時のモノからはドクドクと先走りが溢れており、これ以上の刺激は必要ないように思われた。


「んんっ……手、はんたいに……あっ!」
「……いいのか?」
「いっ……。思いっきり、ヤっ、て!」
「分かった。」


土方は左右の手を逆にして左手で一物を握った。


「ああぁっ!!」


薬指の付け根が銀時のモノに当たった刹那、精液が勢いよく放出された。
けれどそれで終わりではない。土方が触れている限り、新たな快感が生み出されていく。


「ああっ!ああっ!ああっ!」
「ハァ……銀時……」
「んうっ!」


右手を銀時の頬に添えて振り向かせ、土方は銀時に口付ける。
銀時も上体を捻って土方の首に縋り付き、口付けに応えていった。


「んっ!んぁっ……んんっ!!」


銀時のナカできゅうきゅうと締め付けられ、土方も我慢ができなくなってくる。
土方は左手で銀時のモノを擦り始めた。


「んあっ!ひっ……ああっ!!」


強過ぎる刺激に銀時は頭を振って喘ぎ、口付けどころではなくなってしまう。


「ひぁっ!ハッ……あ、ああっ!!」


銀時のモノからは白濁液が断続的にピュッピュと飛び散っている。


「あぁんっ!あっ、あうぅっ!」


限界を超えた刺激に銀時の目から涙が零れ落ちた。


「やっ……も、やめ……んうっ!!」


土方は一物の手を離し、銀時の涙を指で拭ってそっと口付けた。


「んっ…………ハァー……」


口付けが解かれると、銀時はどさりとベッドへ倒れ込んだ。その拍子に土方のモノがずるりと抜け、
体内から白濁液が溢れ出す。土方もいつの間にか達していたらしい。

「大丈夫か?」

銀時を後ろから抱き締めながら土方が問う。

「大丈夫じゃねーよ。……これ、マジですげぇから。」

肩を抱いている土方の左手に自分のそれを重ねつつ銀時は答えた。

「この後、覚悟しとけよ?」
「それはいいけどよ……お前、身体キツくねぇのか?」
「かなり怠いな……」
「なら無理すんなよ。」
「いや……今日は両方ヤる。このままじゃ俺が嫁っぽくなるだろ。」

よっこいせと言いながら銀時は土方の腕から抜けて覆い被さる体勢になった。

「どっちも嫁じゃねェよ。」
「でもヤりてェの。折角だし……」
「テメーがヤりてェなら、まあ……」
「じゃあヤりまーす。」
「おう。ん……」

銀時の顔が近付いてくるのを確認し、土方は目を閉じた。

(11.12.19)


 おまけ後編はこちら→