※もちろん銀土ですが、真選組→土なところもある土方さん総受け気味の話です。
※それから、土方さんの性格がやや幼くて騙されやすいです。
こんな設定ですが、大丈夫と思われた方のみどうぞ↓
銀さん教えて
「土方、オメーのことが好きだ!」
非番らしく着流し姿で歩いていた土方を路地へと誘い、銀時は玉砕覚悟で思いのたけをぶつけた。
いきなりの告白に土方は常より開いている瞳孔をさらに開かせ、硬直している。
「ごめん…急で驚いたよな。でも俺、本気なんだ。本気で土方のことが…」
「万事屋…」
「野郎に好きだって言われても、気色悪ィだけだよな…」
「そんなことねェよ。俺も…お前のこと、好きだぞ」
「えっ!」
銀時の表情がパァッと明るくなる。
「本当に!?本当に俺のこと、好き!?」
「ああ」
「やったあ!」
銀時は土方に抱き付いた。
土方の腕が背に回ると、幸せを噛み締める。
「信じらんねェ…土方とお付き合いできるなんて」
「…お付き合い?」
きょとんとしている土方に銀時は一気に不安になる。
「なっ何で疑問系?まさか、好きっつーのは友達としてとか、そんなコト言わねェよな?」
「何言ってるんだ?好きは好きだろ?」
「だからどういう好き?俺と恋人になりたい?」
「こっ恋人…」
ポッと頬の染まった土方を見て、銀時は安堵する。
「その反応はOKってことだよな?」
「お前は…俺と、恋人になりたいのか?」
「もちろん!さっきから好きって言ってるじゃん。土方は?俺の恋人になってくれる?」
「…うん」
「ありがとう!」
もう一度銀時は土方に抱き付き、土方も銀時の背に腕を回した。
「万事屋…恋人になったら、どうすればいいんだ?」
「あっ、オメーそういう経験少なそうだもんな。モテるのにクソ真面目だから」
「…ダメなのかよ」
「ううん。ダメじゃないよ。銀さんが教えてあげるからね。…まず、恋人同士になったんだから名前で呼ぼう!
」
「…銀時?」
「っ!(うおぉぉぉっ!想像以上の破壊力…。ナニ、この可愛い生き物!)」
「なあ、銀時…」
「あっああ、ごめんね。ちょっと考え事…」
「なあ…俺のことも名前で呼ぶのか?」
「そっそうだね。…とっ十四郎」
「おうっ」
満面の笑みで銀時の呼びかけに応えた土方を、銀時はもう一度抱き締めた。
「なあ銀時…次は何するんだ?」
「次?次はえーっと………デート?」
「デート?」
「そう。制服じゃないってことは、十四郎、今日は非番なんだろ?だったらデートしよ?」
「分かった。…どこに行く?」
「そうだなァ…ホテルとか?なーん…」
「旅行は無理だ」
「…ちゃって。…えっ?」
「夜には屯所に戻らねェといけないんだ。だから、旅行は無理だ」
「あ、いや、ホテルってラブホのつもりだったんだけど…まあ、冗談だけどね」
「……らぶほって何だ?」
「おいおい…オメーどこまで堅物なんだよ。ラブホっつったらラブホテルの略だろ」
生真面目な土方は略語すら使わないのかと銀時は驚く。
だが、土方が知らなかったのはラブホテルをどう略すかではなかった。
「らぶホテル?それって普通のホテルとどこが違うんだ?」
「えっ、お前、ラブホ知らねェの?…連れ込み宿って言えば分かるか?」
「…それも他の宿と違うのか?」
「マジでか…」
「なあ銀時、どこが違うんだよ」
「じゃあ…実際に見てみる?」
「だから旅行は無理だって…」
「旅行じゃないから。この近くにあるし、泊まらなくても大丈夫だから」
「泊まらねェのか?ホテルなのに?」
「そう。泊まることもできるけど…数時間の『ご休憩』ってシステムがあってな…」
「へぇー…そんなホテルがあんのかァ。それなら行ってみたい」
「よし、行こう」
何となく騙して連れ込むような気がしたものの「本人が行きたいって言ったんだ。俺は悪くない」と
自分に言い聞かせ、銀時は土方を連れてラブホテルに向かった。
(10.05.22)
新しいシリーズの第一話です。元ネタは…ヒント:BG。 何も知らずにラブホへ連れて行かれた土方さんの運命やいかに!?続きはこちら→★