後編
「ああ、やめてください…いやっ!ああっ!」
テレビの中でナース姿の女性が喘いでいる。銀時はそれを教育番組でも見るかのように感心して見ており
土方は何故だか分からないが居心地の悪さを感じていた。
「ねぇねぇ、トシもあんな風におっぱい触られたら気持ちいいの?」
「…俺は男だからねェよ」
「そりゃあ、女みたいにでっぱってはねェけど…おっぱいはあるじゃん。ねぇ、気持ちいいの?」
「知るかっ」
「トシにも分からないのかァ…じゃあ後で触ってあげるね」
「いや、その…」
「トシ!見てあれ!」
触らなくてもいいと言う隙も与えてもらえず、銀時はテレビを指差す。
そこでは、ナース役の女優が医者役の男優の股間に顔を埋めていた。
「ほらトシ、チ○コ食ってる!」
「…食ってねェよ。咥えてるだけだ」
「咥えて…何してんの?」
「舐めたり、吸ったり…」
「へぇー…何でそんなことしてんの?」
「何でって…気持よくするためだろ」
「舐めると気持ちいいの?」
「…手で触るのと、同じだろ」
「そっかァ…じゃあトシのも後で舐めてあげるね」
「し、しなくていい」
「えー」
「その代わり、俺がヤってやるから…」
「トシが舐めてくれるのも楽しみだけど…俺もトシの舐めてみたいから順番ね」
「ちょっ…」
至近距離で銀時に股間を見られるのは恥ずかしいし、何より今まで充分過ぎる程に感じさせられてきた。
これ以上銀時の技術が向上するのは避けたいと、土方は必死になって考える。
だがまたしてもテレビに夢中な銀時によって遮られる。
「ねぇトシ、ナースが『美味しい』って言ってるけど、やっぱりチ○コ食ったのか?」
「違ェよ。…飲んだんだろ」
「飲むって何を?」
「…精液」
「えっ!あれって美味いの!?」
「美味いワケねーだろ。これはただの芝居だ」
「トシは飲んだことあるの?」
「ねェ、けど…アソコから出るもんが美味いとは思えねェ」
「そうかなァ。トシから出たのは甘い気がする…」
「絶対ェ甘くない。だから飲むんじゃねェぞ」
「えー…俺のは不味そうだから飲まなくていいけど、トシのは飲んでみたい!」
「頼むからやめてくれ…」
「トシのケチぃ〜」
恥ずかしい目に遭わないためならケチでも何でもいいと土方は思っていた。
納得いかない銀時は、暫くの間ぶつぶつと文句を言っていた。
けれどテレビの場面が切り替わったことで興味がそちらに逸れていく。
「トシ、あれ何?あのピンクの、チ○コみたいな棒!」
「…バイブ」
「ばいぶ?何に使うの?」
「チ○コの代わりに入れんだよ」
「そんなものがあるのかァ………あっ、もしかして!」
「おっおい、どこに…」
土方ひとりをテレビの前に残し、銀時は和室へ入っていった。
少しの間ゴソゴソと何かしていた銀時であったが、紙袋を持って和室から出てきた。
土方の隣に戻り、紙袋から箱を一つ出して土方に見せる。
「これってばいぶ?」
「おまっ…何でンなもん持ってんだよ!」
「やっぱりそうだったんだァ。なるほど…これはセックスに使うものだったのかァ」
「俺の質問に答えろ、ぎん。何だってそんなもんを…」
「もらった」
「誰に?」
「晴太」
「せいた?」
「ああ。吉原に住んでるガキで…おもちゃ屋でバイトしてるんだ。そんで日頃の礼とか何とか言って
店で人気の商品をくれたんだけど、使い方分からねェもんばっかだったから押入れに仕舞っておいたんだ」
「…おもちゃ屋?」
「うん。最近のおもちゃは難しいなって思ってたんだけど、使い方が分かって良かった」
「言っとくけど、使い方が分かっても使わねェからな」
「えー!せっかくもらったのに…トシのケチ!」
「ケチでも何でもいい!絶対ェ使わせねー!」
「だってこんなにいっぱいくれたんだよ?一個くらい使ってやらないと…」
銀時は土方の前に紙袋をドンと置いた。
「これが嫌なら他のでもいいから。ねっ?トシ、選んで」
「うぅっ…」
紙袋の中身を使うことはもう決定事項のようで、土方はせめて自分の負担にならないような物はないかと
祈るような気持ちで袋を覗いた。そしてある物を発見し、安堵の溜息とともにそれを取り出した。
ピンク色の液体がいちご模様のボトルに入っている。土方はそれを銀時に手渡す。
「これなら…使っていいぞ」
「何これ?」
「ローション。潤滑剤だ」
「潤滑…あっ、トシのお尻に塗るの?」
「お、おう…」
「…いちごの香り付きだって。これ塗ったら、トシが甘くなるねっ」
「匂いだけだろ」
「そうだけどさ…あっ、舐めても大丈夫って書いてある。色んな所に塗って舐めてみようっと」
「………」
やっぱり袋の中身を使わせるのは失敗だったかと後悔した土方であったが
それでもバイブを使われるよりはマシだと思い直すことにした。それからもう一つ見付けた物を銀時に渡す。
「それと…これも使えるから」
「これ、コンドームじゃん。晴太の店にも売ってたんだァ…」
「そうみたいだな」
「よしっ、じゃあ今日はこの二つを使ってセックスしよう!…残りはまた今度ね」
「………」
今度が永遠に来ないことを土方は願わずにいられなかった。
銀時に促され、土方は浴室に向かう。
長谷川から借りたDVDはいつの間にか終わっていた。
* * * * *
「んっ…んっ…」
「おっぱい、気持ち良さそうだね」
「るせェ…」
土方は薄い布団に全裸で横になり、銀時に乳首を弄ばれていた。
「ねぇねぇ、コレ塗っていい?」
「好きにしろ」
銀時はいちご柄のボトルを開け、土方の胸に中身を垂らす。
「ひっ…」
「だっ大丈夫?」
「大丈夫だ…ちょっと、冷たかっただけだ」
「そっか…。おー…ヌルヌル。それに甘くていい匂い」
土方の胸に垂らしたローションを銀時は塗り広げていく。
大好きな土方が大好きな甘い香りで包まれ、銀時はとても楽しそうに掌を滑らせた。
「んっ、んっ…」
「あー…トシ、美味しそう…」
「えっ?あっ!」
銀時の手が胸から離れたと思ったその時、指よりも柔らかいものが土方の乳首に触れた。
味わうようにじっくりと、銀時は土方の乳首を舐めていく。
「あっ、んんっ…あっ!」
胸を刺激されているだけだというのに、土方は下半身へ徐々に血液が集まってくるのを感じた。
「はぁっ…んっ、んんっ!」
「ハァ…トシ気持ちいいんだね。勃ってるよ。触ってほしい?」
「んっ」
土方が頷くのを確認してから銀時は土方のモノにもローションを垂らした。
「くっ…あぁっ!あぁっ!」
「このヌルヌル、楽しいね」
「あぁっ!あぁっ!」
「トシはいつもより気持ち良さそうだね。じゃあそろそろ舐めるよー」
「う…あっ、ああっ!」
裏筋を根元から先端に向かって銀時の舌が伝うと、土方は快感が背中をゾクゾク這い上がるような気がした。
「ひぁっ…あっ、あっ…はぁっ!」
「いっぱいドロドロ出てきた。…もうローションなくてもヌルヌルだよ」
「ひあぁっ!」
先端をチュウと吸われ、先走りが一気に溢れ出てくる。
銀時は一物を半ばまで咥え込み、漏れ出た液を啜りながら舌を動かした。
「ああっ、ああっ…ぎん、もっ、出るっ…」
「………」
「やめっ…離っ…」
射精しそうだから離れてくれと言っても銀時は一物から口を離してくれない。
土方は銀時の頭を押して離そうとするが、快感に支配された身体は思うように力が入らなかった。
「やめっ、ああっ!出るっ!…ひっ…あああっ!!」
根元を激しく扱かれながら先端を強めに吸われ、土方は耐え切れずに銀時の口内へ精を吐き出した。
銀時は漸く土方のモノから口を離し、顔を上げて土方と目が合うと二コリと笑って口内のモノを飲み込んだ。
土方は驚きと恥ずかしさで常より瞳孔を開かせて固まってしまう。
「えへへ…飲んじゃった」
「俺、やめろって…」
「ゴメンね。どうしても飲んでみたかったんだ」
「ぎ、ん…」
「心配しなくても大丈夫だよ。不味くなんかなかったから。
確かにトシの言う通り甘くはなかったけど…何ていうか、エロい味がした」
「何だよ、それ…」
「飲む前よりもエロい気分になった。ねぇ、入れていい?」
「いいけど…ちゃんと慣らせよ」
「分かってるって」
銀時は自分の手にローションを垂らし、その指を土方の後孔にゆっくりと挿入した。
「んっ、ハァー…」
「…トシのお尻がいちごの匂いになった」
目を輝かせて銀時は指を出し入れする。
「ハァ、ハァ…」
「二本にしていい?」
「ああ…」
たっぷりとローションを塗った指は二本になってもスムーズに動く。
後孔が充分に解れてから銀時はナカで指を曲げた。
「はぁんっ!」
「トシのいい所にもローションいっぱいつけて、いちごの匂いにしようねー」
「ああっ!ああっ!はぁっ!」
二本の指で前立腺ばかり責められ、土方はあっという間に絶頂が近付く。
あと少しの刺激で達するという時、銀時の指が抜けた。
「じゃあいくよー」
銀時は限界まで張り詰めた自身を土方の入口に宛がい、一気に奥まで挿入した。
「あああっ!!…あ?やめっ!待っ、ああっ!!」
挿入の衝撃で土方の前は弾けたが、息も整わないうちに銀時が律動を始めた。
「やあっ!待っ…ぎん!」
「トシのナカ、気持ちいいし、美味しそう…」
「やめっ…んぐっ…んぅっ!」
銀時は腰を動かしながら土方と唇を合わせる。
「むぐっ…んんっ!んぅっ!!」
土方の口内で銀時の舌が暴れ回る。
「むぅ…んーっ!んくっ…」
上からと下からの激しい快楽に、土方は銀時の背にしがみつくことしかできなかった。
「んんっ!んーっ!はっ!…ひあああっ!!」
「くぅっ!!」
達する直前に唇が離れ、土方は悲鳴のような声を上げた。
そしてそのまま気絶するように眠ってしまい、銀時は土方を抱えて浴室へ向かった。
後日、土方は長谷川の居所を調べ上げ「今度、坂田銀時に余計なモン貸しやがったらしょっ引くからな」と
脅しに行くことになる。この件で長谷川は銀時の言う「トシ」が真選組の鬼副長だと知るのであった。
(10.03.20)
土方さんは自分の身を守るのに必死で、銀さんとの関係を知られたことに気付いていません。まあ、別にコソコソ付き合っているわけではないんですけどね。
マダオは土方さんに脅されるまで「トシ」は女性だと思っていました。ちなみに晴太は子どもなので、土方さんは取り締まるのをやめました。
それから、玩具エロを期待されていた方がいましたら申し訳ありません。でも、この銀さんならそのうちヤってくれそうな気がします^^ ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
追記:続き書きました→★
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