後編
「ところでぎん、お前あまり人前でセックスセックス言うんじゃねェぞ」
「えっ、ダメなの?」
「こういうことは、大っぴらに話すことじゃねェんだ」
「何で?」
「何でって……セックスは人前でする行為じゃねェだろ?」
「それもそうか。…じゃあ、トシとセックスしたって言っちゃダメだった?」
「…誰に言ったんだ?」
「新八と神楽。…あっ、さっき沖田くんにも言っちゃった」
「まあ、今後は話すんじゃねェぞ。ガキに聞かせる話じゃねェしな」
「分かった。…それでさ、俺、今からトシとセックスしたいんだけど…」
「いいぜ」
そう言うと土方は自分の帯を解きにかかった。
「あ、あの…ここでするのか?」
「…嫌か?」
「嫌っつーか…あっ、ここもセックス用の宿だからコンドーム置いてあるのか?」
「そんな気の利いたサービスはねェが…ほらよ」
土方は懐からコンドームの箱を取り出し、銀時に手渡した。
「これ、どうしたんだ?」
「昨日薬局で買った」
「へぇ〜、コンドームって薬局で売ってたのか…あれっ?俺に教えちゃっていいの?」
「ああ…もう隠し事はなしだ。それにコンビニでも売ってるから、黙っててもすぐ見付かるだろうしな」
「コンビニでも!?そんな簡単に手に入るもんだったのかァ」
銀時は受け取ったパッケージをしげしげと見つめている。
「…十二個入りってことは、この中にコンドーム十二個入ってるんだよね?」
「あっ、だからって一遍に使おうとすんなよ。今日使うのは一個か二個だからなっ」
「えー…俺、トシといっぱいセックスしたい!」
「勘弁してくれ。体がもたねェから…」
「…トシはセックスすんの嫌いなのか?」
「嫌いじゃねェけど…ヤり過ぎると疲れんだろ?」
「確かに、イクとかなり体力使うよな。そういえばトシ、こないだ帰る時ふらふらしてた」
「…だろ?だからせめて二回くらいまでに…」
「分かった。二回イッたら終りにする」
「よしっ」
土方が自分の帯を解くと、銀時は土方の身体を布団へ横たえさせた。
* * * * *
「んっ…」
「トシ、痛い?」
「いや…平気だ」
布団の上で仰向けになって大きく脚を開いた土方の後孔へ、銀時はゆっくりと指を挿入する。
その指には土方が用意していた潤滑剤が塗られていた。
「トシのナカ、すごく狭い…本当にこんなんで俺のが入んのか?」
「ちゃんと解せば大丈夫だ。この前は全部入ったじゃねェか」
「そうなんだけどさァ…なんか、指一本だけでキツイから心配になってきた」
「ゆっくり出し入れしてみろ。そのうち緩んでくるから」
「分かった」
銀時は指の抜き差しを開始した。
たっぷり時間を掛けて指を第一関節が見えるくらいまで引き抜き、同じくらい時間を掛けて再び埋めていく。
「ぎん…」
「あっ、痛かった?」
「いや…もうちょい速くしても大丈夫だ」
「分かった」
ゆっくりとした動きに土方の方が耐えられなくなり、銀時に「おねだり」する。
銀時は先程よりも速く指を動かしていった。
「ハァ、ハァ、ハァ…」
「なんか…このぬちゃぬちゃって音、エロいね」
「そう、かよ…っああ!」
「ど、どうした!?」
偶然、銀時の指の腹が快楽点を撫で、土方は全身を強張らせる。銀時は驚いて動きを止めた。
「何でもねェ…ちょっとビックリしただけだ。続けていいぞ」
「本当に大丈夫?なんか、この辺触った時に…」
「ああっ!ぎんっ…そこっ、やめっああ!」
銀時がナカで指を曲げて確かめるように内壁を押すと、土方は身体を震わせて喘ぎ出す。
「あっ、なんだ…気持ちいいのか」
「違っ…やめろって、ああっ!」
「トシの、勃ってきたよ。気持ちいいんでしょ?」
「えっ…」
銀時に言われ自分のモノを改めて見てみると、確かに勃ち上がりかけている。
「ちょっと柔らかくなったし、二本にするね?」
「えっ、あ…ああっ!!」
二本の指で快楽点を押され、先程よりも強い快感が土方を襲う。
銀時に数回刺激されただけで、土方のモノは完全に勃ち上がった。
「ここがトシの気持ちいい所かァ…」
「やめっ…ああっ!ああっ!ああっ!」
「すごいね…トロトロ出てきたよ」
「ああっ!もっ、やああっ!!」
休むことなくソコばかりを刺激され、土方はあっという間に限界が訪れる。
「ぎんっ!もうっ…イッ……えっ?」
あと少しで達するという時、銀時の動きが止まった。
「ぎ、ぎん?」
「ねえ、入れてもいい?」
「あ、ああ…」
銀時は指を抜き、ゴムを装着してナカへと進んでいく。
「あ、あ、あ…くぅっ!」
「えっ?」
ギリギリまで煽られていた土方のモノは、挿入の衝撃であっけなく弾けた。
「トシ…イッちゃった?」
「あ、ああ…」
「そっか…」
達した余韻と恥ずかしさでまともに銀時の顔を見られない土方は、銀時がガッカリしていることに気付かなかった。
「じゃあ、動くよ」
「ああ…」
銀時はゆっくりと律動を開始した。
「あっ、んっ、あっ、あっ…」
「ハァッ…トシのナカ、気持ちいい」
「ぎん…」
「なに?」
土方は両腕を銀時の首に回して引き寄せ、唇を重ねる。
「んっ……。ぎん、ちょっと口、開けろ」
「えっ?んんっ!?」
銀時が口を開けた瞬間、土方が再び口付けて舌を挿入した。
その瞬間、驚きに目を見開いた銀時であったが、次第に土方の舌使いに浸っていく。
土方のナカで、銀時のモノがドクリと嵩を増した。
「ぎん…動いていいぞ」
「あっ、うん。…あの、今のキス、なに?」
「ディープキス」
「でぃーぷきす…そんなのがあるのか。俺もやってみたい」
「いいぞ」
今度は銀時から土方に口付け、口内に舌を差し入れる。
土方の舌の動きを思い出しながら歯列をなぞったり舌を絡めたりしていると、時折土方の身体がピクリと反応した。
「んっ、ふっ…」
反応を示した箇所を丁寧に舐めていると、二人の腹筋に挟まれている土方のモノが回復してきた。
「トシの、また硬くなった…」
「ハァッ…」
「俺も、我慢できないから動くね」
「いいぜ…っああ!」
銀時が律動を再開させると、土方はすぐに嬌声を上げ始める。
「ああっ…はっ、ああっ!」
土方が感じる度にナカのモノを締め付け、銀時に大きな快楽を与える。
銀時は夢中になって腰を振った。
「トシ…気持ちいい…」
「はあっ…あっ、あっ、ああっ!」
一物で前立腺を擦られ、土方は再び限界が近付くのを感じた。
「あっ、あっ、あっ…」
「………」
「…ぎん、どうした?」
突然動きを止めた銀時を土方は訝しむ。
ナカでは銀時のモノが熱く脈打っており、達したから止まったワケではなさそうである。
「トシ、イキそう?」
「あ、ああ…」
土方は頬を染めて頷いた。
「そっか…分かった」
「…んっ、あっ!」
銀時は殊更ゆっくり腰を動かし始めた。
「んっ、あっ、くっ…」
「あっ、ダメ!」
緩い刺激に焦れた土方が自分のモノを触ろうとし、それを銀時が阻んだ。
「触っちゃダメ」
「ぎん、もうイキた…」
「ダメっ。我慢して」
「はっ、あっ、ぎ、ん…」
両手首を銀時に押さえられてイキそうでイケない状態のまま、ナカでゆるゆると銀時のモノが動く。
「ぎんっ…あっ、手、離し…あっ!」
「ダメだよ…もうちょっと我慢して」
「もっイキた、い……っねがい、だから…ぎん!」
「……分かったよ」
目尻に涙を溜めてイキたいと懇願する土方を見て、銀時はさすがに可哀相になった。
手首を押さえていた手を外し、一物を握る。その瞬間…
「あああっ!!」
白濁液が銀時の手と土方の腹を濡らした。
「あ、あ、あ、あ…」
「ト、トシ?…ちょっ、うあっ!」
焦らしに焦らされた土方の身体は達しても震えが止まらず、ヒクヒクと蠢き続けるナカに銀時も堪らず吐精した。
* * * * *
「あー…トシってば気持ちよすぎ」
「う、あ…」
「まだ治まらない?…あー、入口ぱくぱくしてる…こん中に入れたら気持ちいいだろうなァ」
「見ん、な……あ…」
銀時のモノが抜けてもなお土方の震えは止まらない。
そんな土方の身体を銀時はきつく抱き締める。
「てっめ…なん、で…手、押さえて…」
まだ充分に息が整っていないが、土方はどうしても聞きたかったことを尋ねてみた。
「約束したじゃん」
「やく、そく?」
「二回イッたら終りって。だからトシがなるべくイカないようにするつもりだったんだけど…」
「そういう、ことか…」
銀時がSに目覚めたのかと心配した土方であったが、そうではないと分かり安堵した。
安心した土方は激しい情交の疲れもあり、急激な眠気に襲われる。
薄れゆく意識の中、銀時にどう説明すれば自分が辛い思いをしなくて済むのか考えていた。
(10.02.21)
どう言えば激しくないエッチができるのか…どなたか土方さんに教えてあげてください(笑)。この銀さんだと、どう教えても厳しいような気もしますが;
前回もそうだったのですが、この二人はキスより前に繋がりますね^^; 銀さんは純情シリーズと同じくらい(?)純粋な気がするのに、土方さんがエロいからこうなるんだ(笑)
二回はヤる気みたいだし^^ 積極的にエッチのことを考える土方さんに萌えます。 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
追記:続き書きました→★
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