後編
「はぁ、はぁ…」
「すげー…。マジでイッた…」
「はぁ…くそっ……」
「マジで淫乱副長だな、お前。…あっ、そういやぁ銀さんの帯が汚れちまったな…」
土方の腹に巻きついていた銀時の帯は、所々に土方の白濁が付着していた。
「つーわけで…おしおき、な?」
「っざけんな!テメーが勝手に縛ったんだろーが!」
「だってよー…まさか触ってもいねェのにイクとは思わねーじゃん…」
「それはっ…」
「それは?」
「…っ、だいたい、お前の帯っつったって、この宿のモンじゃねーか」
「そりゃそうなんだけどね…」
銀時が羽織っているのはホテル備付けの浴衣である。
もちろん、自分の腰から外して土方に巻いた帯も宿のものである。
「ぶっちゃけ、おしおきがしたいだけだから。土方くんを辱めたいだけだから」
「何だよそれ!ていうか、もうこの状態で充分辱められてるわァァァ!」
「だよねー。緊縛言葉責めでイクとか、もう最高に恥ずかしいよねー」
「…くっ!」
「まぁ、銀さんもいい加減限界だし?そろそろ普通にヤるか…」
「あ、ああ…」
掌に潤滑剤を出すと、銀時は土方の後蕾に触れた。
「はっ!ま…待て。その前に帯と手錠を外せ」
「何言ってんの?このままヤるに決まってんでしょ」
「さっき、普通にヤるって…」
「うん。普通に突っ込むから…このままで」
「それは、普通じゃねェ…あっ!」
銀時は指を一本挿入した。
「まあまあ…ちゃんと気持よくさせてやっから」
「つーか、いきなりソコかよ…」
「しょーがねーじゃん。お前も知ってんだろ?銀さん、随分前から完勃ちだから。
それなのにお前が先にイッちゃって…俺の方が先に勃ってたのによー」
「もっ、言うな…」
「はいはい。じゃあ気持よくなってねー」
「あっ、あぁっ!」
指の腹が前立腺を掠めると、土方から艶やかな声が漏れた。土方のモノは再び硬度を取り戻している。
銀時は指を二本に増やしてグルリと手首を回転させた。
「ひぁっ!」
「おっ、これもイイの?ぐりぐりナカ混ぜられんの気持ちイイ?」
「あぅっ!ひゃあっ!」
「良さそうだねー。じゃあ、こっちは?」
「はぅっっ!!」
こっちと言って銀時は前立腺をグッと押す。
土方は悲鳴に近い声を上げてビクンッと背を仰け反らせた。
「こっちも良さそうだね。…指もう一本増やすよー」
「あぁっ!…はあっ!」
三本の指でナカを刺激され、土方の身体はビクビクと跳ねる。
その度に右の手首と足首に嵌っている手錠がカチャカチャと金属音を響かせた。
「ぎん…あぅ!は…はずし、て…あっ!」
「だぁめ…じゃあ挿れるよー」
「はっ…くぅっ……ああっ!!」
「うわっ…そんな、締めんな…くそっ…ダメだっ……うっ!」
ズリュッと三本の指を抜き、銀時は浴衣と下着を脱ぐと土方の腰を抱えて一気に自身を挿入した。
するとその衝撃で土方の前は弾け、その時にナカがギュルッと締まり、銀時も堪らず吐精した。
あっけなく果ててしまったことで銀時は軽いショックを受けていた。
「あー、カッコ悪ィ…三こすり半どころじゃねェよ…。挿れただけでイッちゃうとか…攻めとしてどうよ?」
「でもまだ萎えてねーじゃねェか…」
「そりゃあね?一回イッたくらいじゃ治まらねェけどよ…」
「だったら早く続きをヤれよ」
「それって『銀さんのでナカをめちゃくちゃにしてほしい』っていうお誘い?」
「何だっていいから…」
「じゃっ遠慮なく…」
「あっ、その前にコレをほどいて…」
二回目を始める前に拘束を解いてほしいと土方は訴える。
「それはダメだって…」
「俺にも触らせろ」
「……」
「うっ…なんで、デカく…」
土方は銀時のモノが自分のナカで育ったのを感じた。
「そりゃなるだろー!もう、お前ってば何でそんなにエロいの?エロ方か?エロ方エム四郎か?」
「誰がエロ方だァァァ!!そして、しれっとMまで加えてんじゃねーよ!!」
「もうホントね、エロくてドMで銀さんメロメロよ?そんなに夢中にさせてどーすんのさ!」
「いいからコレを…」
「はいはい…解いてやるよ」
銀時は、土方が二度放ったものでドロドロになった帯と、左手足を拘束していた帯を外す。
「おい、手錠も…」
「それは無理!」
「てめっ、いい加減に…」
「鍵は浴衣脱いだ時一緒に投げちまったの!一旦抜いて鍵取りに行く余裕なんて無いから!
帯は外してやったんだからこれで我慢して。もう動くぞ!」
「あっ、待っ…はあっ!」
「くぅ…やべェ……気持ち良すぎ…」
「ぁ…あっ!ああっ…」
土方の腰を抱え直し、銀時は律動を始めた。
相変わらず手錠はカチャカチャ鳴っていたが、土方の嬌声にほとんどかき消されていた。
「はぁっ…あっ、ぎ、ぎんときっ!」
「んっ…どした?」
「はっ、あっ…こっち…」
自由になった左手を銀時の背中に回して身体を引き寄せ、口付けを強請る。
銀時は誘われるまま、土方の唇に吸いついた。
「ふっ…んーっ!…んんっ!」
深く口付けクチュクチュと舌を絡め合いながら、徐々に銀時は律動を激しくしていった。
「んっ…あぁっ!んんっ……んうっ!」
快感で口が離れても、すぐに銀時を引き寄せて唇を重ねる。
土方は無意識のうちに、銀時の動きに合わせて腰を揺らしていた。
「んぅ…んんーっ!…はあっ!!」
二人は唇を離し、絶頂目指してラストスパートをかける。
「ああっ!…も、ダメっ!イク!」
「いい、ぜっ…イ、ケよ…」
「ああっ、ああっ、ああっ……っあああ!!!」
「くっ…うぅっ!」
土方が達した直後に銀時も達し、そのままベッドに沈み込んだ二人は、暫くはぁはぁと荒い息を吐いていた。
* * * * *
「おい、銀時…」
「んーちょっと待って。銀さん休憩中…」
「一人で休むんじゃねェよ!手錠の鍵取ってこい!」
「あっ、そうか…忘れてた」
「チッ…」
銀時はのろのろとベッドから下りると、脱ぎ散らかした浴衣の懐から手錠の鍵を取り出す。
「はい、外したよー」
「…やっぱり痕がついてんじゃねーか」
拘束を解かれた土方の右手首は手錠が擦れた痕で赤くなっていた。
土方は確認していないが、おそらく足首も同じ状態だろうと推測できた。
「はははっ…まあ、制服で隠れ…ないか」
「足はともかく、手首は無理だろうな…」
「あの…ゴメン」
「しゃあねェ…包帯でも巻いとくか」
「ホント、ごめんね」
「もういい…」
「今度は見える所に痕付かないように気を付けるから…」
「…もうヤらねェって選択肢はないのかよ」
「もちろんありません」
「ったくテメーは…」
「お前だって結構ノリノリだったくせにィ」
「るせェ!」
「はいはい…じゃあ、風呂場行こうぜ。後始末しねェと…立てるか?」
「ああ…」
銀時は土方の腰を支えながら二人で浴室へ入っていった。
(09.11.07)
ハロウィン拍手お詫びリク(?)「土方さんを縛ってあんなことやこんなことをさせる」でした。無駄に長いのは、手錠プレイのつもりで書き始めた後で「手錠じゃ縛ってない!」と気付き、慌てて縛りを入れたからです。
そして終わってみたら土方さんに「させる」のではなく、土方さんが「される」になってました…でも今更書き直せません(笑)。すみません。 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
追記:これの翌日の話書きました。よろしければどうぞ→★
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