「いや、マジで凄いって聞きましたよ!」
「あっ、俺も聞いたことある!ハマるとそっちナシでは満足できなくなるって…」
「いくら凄くても俺ァ、んなとこ触られんのはごめんでィ」
「それは隊長がドSだからですよ」
「じゃあ山崎、オメーは経験あんのか?」
「ないですけど…」
夜の真選組屯所。そこの一室で業務を終えた沖田、山崎、その他数名の隊士達が酒盛りをしていた。
「おい、うるせェぞテメーら!」
楽しく飲んでいたところで襖が開けられ、土方が一喝した。
「すみません、副長」
「勤務時間は終わってんだから寛ぐなとは言わねェ。ただ、夜勤のヤツらもいるんだから
あまり騒がしくすんじゃねーぞ」
「はい。すみませんでした」
「それだけだ。じゃあ…「ちょいと待ちなせェ」
「あ?」
注意を終えて土方が部屋を出ようするのを沖田が引き止めた。
「ちょうどいいところに来てくれました。実は土方さんに聞きたいことがありましてねィ…」
「まっまさか隊長、あの話をするつもりですか!?」
「当然でィ。…オメーらだって真相を知りてェだろ?」
「いや、俺達は別に…」
「人それぞれってことでいいじゃないですか」
沖田が何の話をしようとしているのか察知した隊士達は慌てて止めに入る。
しかしワケの分からない土方は「おい、何の話だ?」と沖田に先を促してしまう。
「大したことじゃないんですがね…ケツの穴弄られんのって本当に気持ちいいんですかィ?」
「なっ!?」
少しの躊躇いもなく疑問をぶつけられ、土方は顔を真っ赤にして固まり、周りの隊士は真っ青になって
あわあわと焦りだす。
「隊長…もう勘弁して下さい」
「何でィ…まだ土方さんの答えを聞いてねェや。…で、どうなんですかィ?」
「あ、あのっ副長、答えなくて結構ですから!隊長、随分と酔ってるみたいなんで…」
「そのようだな…。つーかお前ら、何つー話してやがる…」
「すすっすみません…。俺達も大分酒が回ったみたいなんで、もう寝ますね」
「そうしろや」
「待って下せェ。部下の質問に答えられねェなんて副長失格ですぜィ」
「…副長関係ねェだろ。…さっさと寝ろ、酔っ払い」
「俺ァ素面ですぜ?まだ十代の俺が酒なんて飲むわけないでしょう?」
「嘘吐け。酒臭ェぞ…」
「そんなことより答えて下せェ。こんなこと、男同士で乳繰り合ってるアンタにしか聞けません」
「知るかっ!」
「ワケ分からないくらいイイってことですかィ?もう旦那に突っ込まれないと満足できませんかィ?」
「ふふふ副長、もう大丈夫ですから行って下さい!隊長はこっちで何とかしますから!」
隊士達が必死に土方を帰らせようとしても、沖田がそれを逃さず話を戻す。
「オメーらだって興味あんだろィ。土方さんがどれくらいソッチの良さにハマってんのか…」
「ありません!これっぽっちも興味ありません!」
「じゃあ俺にだけ教えて下せェ。どうなんですかィ?旦那と何年も付き合ってんだ…溜まってくると
もう前よりも後ろが疼くようになってるんですかィ?もしかして、後ろじゃなきゃイケないとか?」
「っざけんな!」
明らかに面白がって絡んでくる沖田を強引に引き剥がし、土方は部屋から出ていった。
「逃げやがったってことは図星か、土方コノヤロー…」
まだ追究し足りないといった沖田とは対照的に、他の隊士達は土方がいなくなってくれたことで
心底ホッとしていた。
前より後ろ
「…てなことがあった」
「なるほど…それでちょっと機嫌が悪いワケね。沖田くんもやるねぇ」
「どこがだよ…。ったく、総悟の野郎…」
あれから土方はかぶき町の飲み屋へ出かけた。明日は非番のため銀時と会う約束をしていたのだ。
飲んでいても面白くなさそうな土方に、銀時は早々と切り上げてホテルへ誘い、話を聞いた。
そこで土方が出かける直前にしたという沖田とのやりとりを知ったのだった。
「なにが『後ろじゃなきゃイケない』だ…ンなわけあるか!」
「まあまあ…」
「アイツ、絶対ェ俺のことバカにしてる!」
「沖田くんは男同士の良さを知らないんだから仕方ないでしょ?」
「そうだけどよ…」
「むしろ知ってたらバカにできねェよな?後ろでイクあの感覚…」
銀時は妖艶な笑みを湛えて土方の頬にそっと触れた。
するとそれまで愚痴を零していた土方も、この場所に相応しい甘い空気に包まれていく。
「ったくテメーは…」
「ん?なに?」
「…何でもねぇ。ヤるぞ」
「うん」
銀時のおかげで苛々が払拭されたのだが、そこで「愚痴を聞いてくれてありがとう」などと素直に
言えるような土方ではないし、銀時もまた土方がそのようなことを言うとは思っていない。
このような時は態度で示す―つまりは身体を重ねる―それが暗黙のうちに二人の間で決まっていた。
互いに下着一枚になるまで服を脱ぐが、重ね着をしている分、銀時の方が脱ぐのに時間がかかる。
着流しを脱ぎ捨てた土方は銀時の後頭部に手を回し、脱ぐ邪魔にならないよう身体は離して
唇だけを合わせる。銀時も目を閉じて口付けを受けながら服を脱いでいった。
銀時も下着一枚になると一歩前に出て土方の腰を引き寄せ、口付けを深くする。
けれど立った状態では足の甲の長さ分、下半身を密着させることができない。
それすらももどかしく感じて二人はベッドへと雪崩れ込んだ。
横向きに寝て抱き合い、舌を絡めながら唇を合わせる。
「んっ…」
「ふっ…」
土方が銀時の腰に足を回すと、それに応えるように銀時も土方の残りの脚に自分の脚を絡める。
同じ身長のため、このようにして抱き合えば互いの昂ぶりもすぐに判る。反応している自身を
同じく反応している相手に擦りつけるようにして腰を揺すった。
「んく…」
「むぅ…」
チュクチュクとわざと音を立て、むさぼるように口付けをすると酸欠と快感で頭の中が白んでくる。
二人は夢中になって口付けをし、昂ぶり同士を摺り合せた。
「んっ、ハッ…」
「ハッ、ぁ…」
一旦口付けを解いて目を開けると、情欲に潤んだ相手の瞳が見える。その瞳に吸い寄せられるように
再び口付ける。どちらからともなく腕を下ろして唯一身に着けている下着を脱がせていく。
「ふっ、ん…」
「んっく…」
唇が離れないよう慎重に、上になった手は相手の下着を下ろし、下になった手で相手を補助するように
自分の下着を下ろしていく。手で下ろせない位置まで来ると脚を使って脱いだ。
互いに不自由だとは思っても決して唇を離そうとはしなかった。
時間を掛けて一糸纏わぬ姿になった二人は、これが定位置とでもいうように再び脚を絡ませ密着する。
「「んんっ!」」
敏感なモノ同士が擦れ、二人に強い快感を与えた。
二人は硬くなった自身を、身体が求めるままに相手のモノに擦り付け、互いの腹筋で挟んで刺激する。
「んっ、んむっ…」
「んんっ…あっ!」
銀時の手が土方の尻の割れ目をなぞると、土方の身体はピクンと跳ねて唇が離れてしまった。
これ幸いと、銀時は自分の指に唾液を含ませ土方の後孔に指を挿入する。
「あっ、んんっ!」
「ねぇ…俺のも触って」
「ぁ…」
耳元で囁かれた言葉に従い、土方も自分の指を濡らして銀時の後孔に指を挿入する。
二人の間のモノはしとどに濡れていた。
「ハァ…そこ、きもちいい…」
「あぁっ…んっ、く…」
向かい合って腕を後ろから回しているためあまり深くは挿入できないが、入口付近を出入りする指の
感触が気持ちよくて、二人の身体がぶるりと震えた。
『ケツの穴弄られんのって本当に気持ちいいんですかィ?』
(いいに決まってんだろ…アホ)
ふいに想起された沖田の言葉に土方は心の中だけで応える。
『もう前よりも後ろが疼くようになってるんですかィ?』
(当たり前だ…バカ)
「もしもーし、何考えてんのー?」
「あ?」
土方の気が逸れたことを察知した銀時が土方を現実に引き戻す。
「今、なんか別のこと考えてたでしょ?随分と余裕じゃない?こんなヌルヌルになってんのにさ…」
「あぁっ!」
銀時は空いている手で土方のモノの先端をグイと抉る。
すると土方のモノから更に液が溢れ出てきた。
「あっ…べつ、のこと…考、え…あっ!わけじゃ…」
「じゃあ、何考えてたのさ」
「あっ!…ま、えより…いい、て…」
「ああ…沖田くんに言われたこと?まだ気にしてたんだ…」
「きに、して…なっ、あぁっ!」
銀時は一度指を抜き、自分の上に乗っている土方の脚の間に手を回して再度土方のナカへ挿入する。
前から指を入れたことで先程よりも深く挿入でき、容易く土方の内部の快楽点に指が届いた。
「あっ!あっ!あぁっ!!」
「俺も触ってよ…。一緒に、後ろでイこ?」
「んっ…」
土方も可能な限り腕を伸ばし、銀時の快楽点に触れようと内部で指を動かす。
「あっ、そこ!…あぁっ!」
土方の指も銀時の快楽点に到達した。
「あんっ!…あっ、あっ…」
「あっ、んんっ…はぁっ!」
互いに恍惚の表情を浮かべながら前立腺を刺激し合う。
「…じかたっ、もぅ…あっ!」
「っれも…イ、キそ…くっ!」
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
「あぁっ!んっ、んっ…あっ!」
「「…ああっ!!」」
二本のモノから白濁液が飛び散り、二人の腹や胸を濡らした。
(10.10.23)
あー…リバエロ書くの楽しい(笑)。タイトルは…すみません^^; 続きも18禁でリバ前提の銀土になります。→★