中編
銀時と土方が条件付きの交際を始めて半年余り。二人は未だ清い関係を続けていた。
「(おかしい!もう半年過ぎたぜ?なのに何で土方は何もしてこねェんだ?ただヤりたいだけで俺といるはずのアイツが…
この半年、アイツは少しでも時間ができると会いに来てくれた。最初は早くヤりたくてご機嫌取りに来てるのかと思ったが
アイツから少しでもそういう空気を感じたことはなかった。俺がラブホに誘っても何も…)んっ、くっ…」
子ども達が外出したのを見計らって銀時は自室の布団に包まり、自分の後孔に指を挿入する。
「ハァ、ハァ…(俺がこんなになってんのに…何で土方は我慢できんだよ!)」
心の中でここにはいない恋人に文句を言いいながら挿入した指を動かし、快楽点に触れる。
「んっ!」
ナカの指を二本、三本と増やして激しくかき回す。思い描くのは恋人の姿―
「ぁ…(土方…もう、我慢しなくていいから…)」
もう一方の手で一物を扱き、銀時は一気に絶頂へ昇りつめた。
「くぅんっ!!」
一物を握った銀時の指の隙間から、受け止めきれなかった精液がポタポタと零れ落ちた。
* * * * *
「なぁ土方…今日は泊まっていけるんだろ?」
「ああ」
「じゃあさ、あそこのホテルに行かねぇ?」
「ああ」
土方の非番前夜、居酒屋で軽く酒を酌み交わしてから銀時は土方をラブホテルへ誘った。
こうして銀時が土方を誘うのは珍しくない。この半年間、泊まりに誘うのはいつも銀時からだ。
泊まりと言っても、二人の間には付き合う際の「条件」があるため、並んで就寝するだけである。
* * * * *
「おー…この部屋、マットとローションが風呂場に付いてるぜ!」
「…そうだな」
部屋に入り、ガラス張りの浴室内の備品を見て銀時ははしゃぐものの、土方の表情は変わらない。
どうせ使用しないのだから何があっても同じだと思っているのだ。だが、銀時の思惑は違っていた。
「土方、今日は一緒に風呂入ろうぜ」
「はぁ!?」
「せっかくマットもローションもあるんだからさァ…使わねェと勿体ないじゃん」
「つ、使うってお前…」
「もう、半年経ったし…そろそろ、ヤってもいいかなァって…」
「銀時…無理しなくていいぞ。俺は、お前の恋人でいられるだけで満足だ」
「…俺がいいって言うまではナシって約束だったじゃん。だから、俺がいいって言ったらいいの!…嫌なのかよ」
「嫌じゃない!本当にお前がいいなら俺は…」
「じゃあ、風呂場行こうぜ」
「ああ」
土方は銀時の後について浴室へ向かった。
「土方…マットの上に寝て。半年待たせた分、俺がサービスしてあげる」
「え、だが…」
体を洗い終えると銀時が言った。だが土方は未だに戸惑っていた。
そんな土方に対して、銀時はやや沈んだフリをして言った。
「俺に触られんの、嫌?」
「そんなことは!」
「じゃあ寝て〜」
「あ、ああ…」
ビーチマットの上に仰向けになった土方の腰の辺りに銀時は跨り、備え付けのローションを土方の胸に垂らした。
「―っ!」
「あ、ごめん…冷たかった?」
「少し…」
「ごめんねー」
今度はローションを掌にとり、掌を擦り合せるようにして温めてから土方の身体に塗っていく。
「んっ…あっ!」
「あ、ここ気持ちいいんだ…」
銀時の手が土方の胸の飾りに当たると、土方から一段高い声が上がる。銀時はそこを丁寧に撫でていった。
「あ、あっ、あっ…」
「土方…」
「あっん…」
胸から手を外し、銀時は土方の唇に自分の唇を重ねる。そして土方の首に腕を回し、全身を前後に揺すった。
「んっんっ、んっ…」
(ハァ…気持ちいい…)
ローションの滑りを借りて、土方の身体の上を銀時の身体が滑っていく。そのたびに敏感な部分が擦れ
銀時のモノは完勃ち状態になっていた。土方のモノも半分ほど勃ち上がり、銀時の臀部に当たっていた。
(土方も、勃ってるよな…)
銀時は唇を離すと、土方の足元に移動した。
「…銀時?」
「もっと大きくしてあげる」
「ああっ!」
銀時は土方のモノを喉の奥まで咥えこみ、じゅるじゅると音を立てて啜った。
「ああっ…ああっ!」
(あー…早くコレ突っ込んで欲しい…)
挿入までの時間を短縮したい銀時は、右手を後ろに回して自身の孔を解し始めた。
既に全身ローション塗れになっているため、一気に二本の指を埋めることが出来た。
「あっ、あっ…はぁんっ!」
「んんっ…んぐっ、んっ!」
口内のモノが自分のナカを抉るのを想像し、銀時の身体は快感でビクビクと震えた。
(もう無理っ!我慢できねェ!)
銀時は一物から口を外し、再び土方の腹の上へ跨った。
「土方、もう入れていい?」
「ああ。じゃあ、後ろ解すから…」
「大丈夫。もう解した」
「なにっ!い、いつの間に…」
「さっき。…土方のを咥えてる時に、ね」
やや恥ずかしそうに言う銀時を、土方は信じられないといった表情で見詰めている。
「だっだが、何の感触もなかったぞ」
「感触って?」
「だから、お前の手が…その、俺の後ろに触れるっつー…」
「…もしかして土方、自分が突っ込まれる方だと思ってる?」
「ち、違うのか?」
「逆だって。俺、土方に突っ込まれてェもん」
「そっそうか。…分かった」
土方の表情が僅かに曇ったことに銀時は気付いた。
「あのさァ…土方も俺に突っ込まれたかったりする?」
「あ、いや、その…お前が嫌なら別に…」
「でもさ…どっちか選べるんだったら、突っ込まれる方がいいんだろ?」
「…ああ」
「そっかぁ…俺達二人揃って受け希望だったのかァ…」
「す、すまん」
「謝ることねェよ。じゃあさ、交代でヤんない?」
「…お前はそれでいいのか?」
「そりゃあ、ぶっちゃけ、ずっと受けの方がいいけど…」
「それなら俺が…「だぁめっ」
土方が言い終わる前に銀時は言葉を遮った。
「もう俺に遠慮すんのやめにしようぜ。エッチ解禁になったんだしさァ…」
「だっだが…」
「別に絶対ェ突っ込みたくないってワケじゃねェし、むしろ土方が欲しいと思ってくれるならヤってみたいし…」
「本当に、いいのか?」
「うん。…あっ、でもとりあえず今回は俺が受けでいい?もう準備しちゃったから」
「ああ」
「じゃあ早速…」
銀時は腰を浮かせ、土方のモノの中央辺りを持って自分の後孔に押し当てた。
「んっ!…くっ…は、ぁ…」
土方のモノを飲み込むたび、銀時は恍惚の表情を浮かべながら甘い息を吐いた。
一物の上に完全に腰を下ろすと、銀時は身体を小刻みに震わせた。
「あっ…んん…ぁ…(どうしよう…入れただけなのに、もうイキそう…)」
「銀時、大丈夫か?」
「う、ん…あっ!ごめっ…動くの、ちょっと待ってね」
「俺は平気だから、無理すんなよ」
「うん…。はっ…あ…んんっ!」
快感の波が引くまで銀時は待つことにした。
しかし、銀時の後孔はヒクヒクと蠢動し、勝手に射精感が高まってしまう。
「やっ…あ、んんっ!(ヤバイヤバイヤバイ…動いてねェのにヤバイ!)」
「銀、時…?」
「ひじかたっ…ごめんっ!もう、ムリっ!……っあああ!!」
限界を超えた銀時のモノは決壊し、白濁液が飛び散った。達した銀時は上体を土方の胸の上に倒し
荒い呼吸を繰り返している。土方はそっと銀時の背に腕を回した。
(10.08.31)
また受け×受けです^^; 土方さんは銀さんに言われるまで自分が抱かれると疑っていませんでしたし、銀さんも同じく…。上下争いは好きなテーマですが、互いに受け希望だと特に萌えます!
続きは若干銀土寄りです。でもリバです。直接飛びます→★