後編
「今度こそちゃんとイカせてやるからな」
「あ、ああ…」
結局、銀時が達したことで浴室での行為は一旦終了となった。
土方は足取りの覚束ない銀時を支えながらローションを洗い流し、ホテルの浴衣を羽織って
ベッドの縁に銀時を座らせた。土方から渡されたミネラルウォーターを飲んでいるうちに
だんだんと銀時の体力も回復してきて、これから仕切り直しといったところだ。
先程と同様、仰向けになった土方の上に銀時が覆い被さっている。
銀時は軽く口付けをすると、土方の足元に移動して一物に舌を這わせ始めた。
「あっ、んっ…」
銀時が一物に触れた途端、土方から艶やかな声が漏れる。
「はぁっ…んっ…あぁっ!」
(考えてみりゃ、ちょっと触っただけであんあん言っちゃうくらい感じやすいんだから
土方って完全に受け体質だよな…)
挿入されただけでイッた自分の敏感さは棚に上げて、銀時はそんなことを思いながら口淫を施す。
「あぁ…ぁ…はぁっ!」
(そろそろコッチもやってあげようっと)
銀時は浴室から持ってきたローションを指に絡め、土方の後孔にゆっくりと挿入した。
「ハッ…ぁ…んっ」
「大丈夫?痛くない?」
「ああ…大丈夫だ…」
「じゃあ、動かすよ」
ゆっくりと出し入れをし、ナカが馴染んできたら指を曲げて快楽点を探していく。
「あんっ…はぁ、あぁ…」
(なんか嬉しそう…。そんなに銀さんに突っ込んで欲しかった?俺の男らしさにメロメロ?)
自分も土方に抱かれたいと思って夜な夜な自身を慰めていたにも関らず
銀時は今、求められていると感じ、誇らしげな気分になっていた。
「あ、あんっ!」
「ここ?」
銀時は土方の内部のしこりになっている所を押して快楽点を確認すると、土方がコクコクと頷く。
「ああっ!…んっ、あぁっ!」
「指、増やすよ」
「はあぅっ!」
背を仰け反らせて感じ入る土方を見て、銀時の喉がゴクリと鳴った。
それは土方の艶に当てられたからではなく、土方が羨ましくなったからであった。
(ヤバイ…後ろが疼いてきちまった。さっきは結局、土方にあんま触ってもらえなかったし…)
自分が攻める番だということは理解しているものの、疼きだした身体は止められない。
「ひ、土方ごめんっ。あのさっ…俺のナカも、触ってくんねェ?」
「えっ、どうすれば…」
「俺が逆向きになるから」
「分かった」
銀時は土方にローションのボトルを手渡すと、身体の向きを変えて土方の胸を跨ぐ。
土方の目の前に銀時の双丘が晒された。土方は渡されたローションを指に塗し、銀時に挿入した。
「あっ、あん!あぁっ!…(ヤバイヤバイ…土方のもやらなきゃ)」
「あぁっ!」
待ち望んだ刺激に意識を奪われそうになり、銀時は慌てて持ち直して土方への刺激を再開する。
「あぁっ、あっ…あぁっ!」
「んっ…あっ、ああっ!」
二人は身体を痙攣させながら喘いでいく。
「はあっ…ああっ!あぁっ!あっ、あっ、あっ、あっ…」
「あっ…あぁっ!はあんっ…んんっ!くっ…あっ…」
「「ああぁっ!!」」
ほとんど同時に二人のモノは弾け、互いの身体が白濁液に塗れた。
* * * * *
再びシャワーを浴びた後、銀時はどうしても気になっていたことを聞いてみた。
「ところでさァ、なんで最初にカラダ目当てみたいなこと言ったんだ?」
「…そんなこと言ってねェだろ」
「言ったじゃん。付き合うってなった日に、『ヤれる関係になりたい』って…」
「別にそれはカラダ目当てってわけじゃ…」
「じゃあ何で?普通に『好きだ。付き合ってくれ』でいいじゃん」
「お前が…俺なんかを好きになってくれるとは思わなかったから…」
「どういうこと?」
銀時には土方の言わんとしていることがサッパリ理解できなかった。
「俺が土方を好きだと思わなくて、何でセフレになんの?」
「カラダだけの関係なら、頑張れば何とかなるんじゃないかと思って…」
「なるほどね…。最初っから普通のお付き合いは諦めてたのか」
「ああ。下手にお前が好きだと言ったら、重荷に感じてカラダの関係も無理になると…」
「そんで、なかなか好きって言わなかったワケね。漸く分かったよ」
「す、すまん…」
「だから謝んなって。お前がカラダ目当てじゃないってのが分かったからいい」
「す………」
また謝りそうになり、土方は口篭る。
「土方く〜ん、今ナニ言おうとした?まさか『すまん』って言おうとしたんじゃないよな〜」
「ちっ違う…」
「じゃあ何だよ」
「そ、それは…」
「それは?」
土方は「す」で始まるこの場に相応しい言葉を必死で考えた。
この際、多少辻褄が合わなくとも謝罪の言葉以外なら何でもいい。そして土方が出した答えは…
「すっ…好きだ、銀時!」
「プッ…唐突過ぎんだろ…。まぁ、いいか…俺も好きだよ」
銀時が土方に抱き付くと、土方も銀時を抱き締めた。
二人の交際は、今、本当の意味で始まったのだ。
(10.08.31)
珍しく(?)爛れてない銀さんと、爛れた関係希望の土方さんでした。最終的に銀さんの方が積極的になって、土方さんがマイナス思考というのはいつものことですね^^;
タイトルは、身体の関係から始めて真剣交際に持ち込もうとする銀さんと、頑張っても身体の関係くらいしか築けないと思ってる土方さんという意味です。
それから、前戯の最中は銀土っぽいのに、最後には銀さんが突っ込まれたくて仕方がないっていうのは、書いててとても楽しかったです^^
この二人は何となく土方さんの方が受け受けしいのですが、銀さんの方が進んで「受けたい」と言うので今後も銀さんが受ける頻度が高い気がします。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
追記:続きを書きました→★
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