中編


「あ〜……眠っ……」

ある朝、俺は欠伸をしながら真選組の屯所に向かっていた。
最近の土方は忙しくてこっちに来る時間がないらしい。俺は相変わらずののんびり営業だから
こうして早朝散歩がてら行くわけだ。



「おはよー」
「おう」

現在の時刻は午前六時過ぎ。土方はもう仕事を始めていた。……いや、寝てないのか?
どちらにしろ長居は無用なので、いつもならこれで帰るところだ。だが今日は伝えることがある。
明日から二泊三日、住み込みのバイトに行くから明日の朝は出発前に寄れるが、明後日は会えない。
そう言うと土方はそれまでに仕事を終わらせておくと言った。

「じゃあさ、明々後日の夜、ウチに来れるか?依頼料でメシ作ってやるよ」
「ああ」
「酒も用意しとくから朝まで飲もうぜ」
「ああ」
「じゃ、あんま根詰め過ぎるなよ〜」
「ああ」

これで本当に用は済んだので俺は帰路に着いた。
今日は依頼もねェし帰ったら二度寝するかと計画していたのに、いつもより話し込んじまったせいで
新八が来る時間になっていて……俺の布団はきれいさっぱり片付けられていた。


*  *  *  *  *


二泊三日のバイトを終え、今日は土方がウチに来る日。付き合ってから二ヶ月が経っていた。
新八と神楽にも一度きちんと挨拶させた方がいいかと思ったんだが……

「えっ、土方さん来るんですか?」
「ああ。たまにはメシ作ってやろうかなぁと……」
「泊まっていくアルか?」
「多分……」

そこまで話したらアイツらいなくなりやがった。やっと本気になったとか何とか二人で盛り上がって
新八ん家に行きやがったんだ。何なんだよアイツら……
そんなわけで俺は、一人寂しく土方を待つことになっちまった。

暇だ……

メシの支度は終わってる。鍋にするから事前の準備はそんなにいらねェんだ。
かといって出掛けるわけにはいかねェ。約束の時間までまだ三時間はあるが、土方はいつも早目に
来るし……それに外へ出たら知り合いに会ってついつい話が弾んじゃって「折角だからその辺で一杯」
なんてことになるかもしれない。だから家にいた方が安全だ。安全なのだが暇だ……

掃除でもするか……

さっき一通りやったけど時間もあるし、とりあえず全室掃除機掛けて、雑巾で拭いて……
玄関も掃いとくか。そんでまだ時間があれば風呂とトイレも……よしっ!

それから三時間、俺は掃除に没頭した。


*  *  *  *  *


「いらっしゃい」
「おう」

約束の時間ちょうどに土方はやって来た。

「……メガネとチャイナは?」
「いねぇよ。あっ、先コタツ入ってて。メシ持ってくからよ」
「お、おお……」

土方が和室へ入るのを見届けてから俺は台所へ。
それから二人で鍋をつついて熱燗で一杯やって……帰りの心配しなくていいからいつもより飲んだかも 。


「土方ぁ、飲んでるぅ?」
「……飲み過ぎだテメー」

土方の横にぴったりくっついて座る俺。

「もっと飲めよ、土方ぁ……」
「テメーはこれ以上飲むなって」
「あんだとぉ?銀さんとは飲めないってのか!」
「んなこと言ってねーだろ……」
「じゃあ銀さんが酌してやろー……ん?土方くん、いつの間に猪口増やしたの?」

そん時の俺の目には、土方の猪口が五、六個見えていた。

「……面倒だからこーしよー」
「お、おい……」
「んー……」

俺は徳利に直接口を付けて酒を含み、土方へ口移しで飲ませることにした。
土方の足の上に腰を下ろし、何やら喚いている土方の口へ酒を流し込んでやった。

「へっへ〜、チュウしちゃった」
「お前なァ……」
「もっかいチュウしよーよ」
「はぁ?おま……」

ちょっとした悪戯心に酒の力が加わって、俺は土方とキスをした。土方は俺の肩を押して
離れようとしたが俺は土方の上に乗ってるし、頭もしっかり押さえてたから無駄な抵抗だった。
唇の隙間から舌を捩込んでやると、土方は漸く大人しくなった。

「んっ、んー……」
「…………」
「んんっ!」

土方の舌が入ってきた瞬間、火がついたかと思うくらい全身が一気に熱くなった。

「んぅ……ん、んーっ!」

身体が熱い、息が苦しい……

「ハァッ!ハッ、ハッ、ハッ……」

俺は土方から口を離して酸素を取り込んだ。息苦しさはなくなったが相変わらず身体は熱い。

「あ……」
「な、何だよ」
「勃ってる……」
「は?」
「ほら。銀さんのチ〇コ、勃ってるだろ」
「…………」

着流しの裾を捲って土方にズボンの膨らみを見せ付ける。
念のため言っておくが俺は酔っていて、自分の行動のおかしさに全く気付いていないんだ。

「土方くん、キス上手いねー」
「そ、そうか?」
「だってキスだけで勃っちゃった……もっかいして」
「もう、これ以上は……」
「ん〜……むぐ……」

俺の口に手を当ててキスを阻む土方。

「俺とキスしたくねーの?」
「いやっ、かなり酔ってるみたいだし……」
「酔ってるから何だよ。俺はお前の恋人だぞ。恋人とキスできねーってのか?」
「だっだから……」
「キスしろ。しなきゃ別れるぞ」
「…………」

自分からプラトニックとか言っておいて何なんだと、土方は思っていたに違いない。
けれどこの時の俺は、「土方はキスが上手くて俺達は恋人同士だから気持ちいいキスし放題」という、
素面だったら考えられないような論法で動いていた。

「きぃーすぅー!」
「わ、分かった。やるから……」
「よしっ」

土方の首に腕を絡め、ぶちゅっと唇を合わせる。すぐに舌が入ってきて俺の身体はまた熱くなった。

「んう……んっ、んっ……」

あー……気持ちいい。キスなのに、股間にビンビンくる。マジで気持ちいいな……
もっと、もっとしたい……

「ん〜?」

ケツの下に異物感を覚え、俺は口を離して下を見た。

「よろず……」
「土方くんも勃った?」
「そ、その……」

それなら話が早い。俺はちょっと腰を引いて土方の着物の裾を左右に開いた。

「なななな何を……」
「勃ったんでしょ?ヌいてあげる」
「まままま待て!いい!やらなくていいから……」

土方は両手で股間をガードして俺に触らせない気だ。

「遠慮すんなって」
「おまっ、なにして……」

もしかしたら恥ずかしいのかもしれねェな……俺は先に自分のチ〇コを出して土方に見せた。
おぉ、もうフル勃起じゃねーか……

「はい、ヌいて。そんで俺はお前のを……」
「わっ分かった。お前のはヌいてやる。だが俺のはいいから……」
「ケチケチすんなよ。俺にもお前のチ〇コ触らせろ」
「いや、だからっ……」
「さーわーらーせーろ!」
「痛っ……」

渾身の力で土方の手を振り払い、俺は土方のパンツをずらした。土方のチ〇コも既にフル勃起で、
ちょっとゴムを引っ張っただけで飛び出してきた。

「おっ、結構いいもん持ってんだな」
「マジでやるのか……?」
「とーぜん!」
「……ったく、後悔しても知らねェぞ……」

吐き捨てるように言われた言葉を見事に聞き流して、俺は土方のチ○コを握った。
土方も俺のチ○コを握り、その手を緩やかに動かし始める。

「ハァッ……」

気持ちいいな……。土方って、キスだけじゃなくコレも上手いのかよ……。実は結構慣れてるとか?
でもこんなん、オ〇ニーと変わらないからそうとも限らねぇな。モテそうだけど遊んでる感じにゃ
見えねェし……

「あっ、ハァ……」

もう先走ってきちまった……。土方の手、気持ち良すぎ……

「土方ぁ、すげェ気持ちいい……」
「そうか……」
「ハッ……あっ、あぁん!」

土方の動きが早くなり、先走りがぬちゅぬちゅと鳴った。この音がまた気持ちいいんだよ……
ぬるぬるに感じてるぞって教えてくれてるみたいで。

「あ、あっ、土方ァ……」
「……イキそうか?」
「まだ、やだ……」

早く扱かれたらすぐイキそうなくらいになってるけど、もう少しこのまま……
もう少し、土方を感じていたい……

「あぁっ……」

そうだ。キスしよう。キスしたらもっと土方を感じられる。

「土方、チュウ……」
「ん……」

チ〇コを握ってない方の手を俺の首に回し、土方は優しく唇を合わせてくれる。
でも俺はそんなんじゃ物足りなくて、自分から両手でぎゅっと抱き付き舌を絡めていった。

「んぅ!んんっ!んんっ!」

ヤバイヤバイヤバイ……口ん中もチ〇コもぐちゅぐちゅで気持ち良すぎる!もう我慢できねェ!
俺は片手を下ろして土方の手の上から自分のチ〇コを握って扱いた。

「ん、ん、ん、ん……んんんっ!!ハァ〜……」

とても気持ち良くイッた俺は、土方の肩に頭を預けて呼吸を整える。
土方は俺の呼吸よりもゆったり背中を撫でてくれていて、さっきまでとは違った気持ち良さに
俺は目を閉じた。

それから朝までぐっすり。
あれだけ騒いで触ったにもかかわらず土方のチ〇コはほぼ放置プレイで、寝ちまった俺を下ろして
土方は厠でヌく羽目になったんだけど……この時の俺はすやすや夢の中だった。


*  *  *  *  *


「あのさ……昨日はごめんね」
「……覚えてんのか?」
「まあね」

朝一で謝ると、土方に意外だという顔をされた。そりゃまあ、プラトニックとか言ってたヤツが
あんなことすれば「酔った上の過ち」だと思うよな……。きっと土方は俺が何も覚えてないと思って
昨夜の痕跡を全て消して布団に寝かせてくれたんだ。
当然のように布団は別々で、パンツもちゃんと履いていて、精液もきれいに拭われている。
記憶がなけりゃ、普通に寝てたようにしか見えねぇだろうな。

「そこまで酔ってなかったんだよ。……いや、酔ってて色々すっ飛ばしちまったんだけど……」
「どういうことだ?」
「ヌいてやるくらいならいいかなと思ってさ……。他のヤツのなんてヤったことねェけど
オ○ニーと似たようなもんだろ?でもヌくだけだと商売みたいだし、恋人なんだからキスも
しようかなと……って、言うのを省いてヤっちまったんだけどね」
「そうだったのか……」
「しかも俺だけイッて終わっちゃったし……ごめんね」
「いや、まあ別に……」
「つーわけで、次はちゃんとヌいてやるからな。何なら今からヤるか?」
「朝っぱらからンな気分になれるかよ……」
「真面目だねぇ……。じゃあ、朝メシ作ってくるな」
「ああ」


それから二人で朝メシ食って、テレビ見ながら適当に話をして、昼前に土方は帰っていった。

(12.02.02)


すいません。まだ続きますが、暫くお待ち下さい。

追記:続きはこちら(18禁ですが直接飛びます)