中編


「銀さん、何で……」

今にも泣きそうな表情で見上げてくる土方を、銀時はぎゅっと抱き締めた。

「これでいいんだよ。今日は十四郎にいっぱい気持ち良くなってもらいたいから、ちょっとだけ我慢して
もらってたの。……別に、イッたらダメなわけじゃないから安心して。」
「本当、に?」
「うん。それじゃあ、続きするよ。」
「う、うん。」


また口付けをしてから銀時は身体を起こし、土方の下着を脱がせる。
そして出された精液を絡め取るように右手で扱き、やや勃ち上がらせたところで一物を咥えた。


「ああっ!」


達したばかりの一物は敏感に刺激を感じ取り、あっという間に元の硬度へ再成長を遂げる。
それと同時に土方の精液で濡れた銀時の中指が入口に宛がわれた。
これまでの逢瀬で時間を掛けて教わっていたそこは、指一本くらいなら容易に受け入れることができる。
けれど銀時はことのほか丁寧に入口付近の括約筋をマッサージし、柔らかく解していく。


「ハァ、ハァ……ぎん、さん……」


緩い刺激に焦れた後孔が誘うように開閉し、土方は切なげに銀時の名を呼ぶ。
そこで銀時はゆっくりと中指を挿入していった。


「あ、はぁ……」


挿入された指を奥まで取り込もうとするかのように孔が蠕動し、土方のモノからは滴が滲み出る。
それを嚥下しながら銀時は前立腺を探すため指を曲げた。


「…あぁっ!!」


銀時の指先が土方の前立腺に触れた瞬間、大量の精液が口内に注ぎ込まれた。それを飲み込もうと
一物から口は外したが、ナカの指は動きを止めず前立腺を捏ね続ける。


「やめっ…銀さん!待っ……」
「指、増やすよ。」
「だめェ!!」


二本の指で前立腺を刺激し始めたところで、土方は銀時の手首を掴んで止めた。

「と、十四郎?」
「銀さんごめん……前立腺は、もうダメ……」
「気持ちいいでしょ?」
「でも……ワケ分かんなくなる。」
「それでいいよ。」
「やだ。……セックスも、分かんなくなるから。」
「そっか。」

銀時は空いている手で土方の額に貼り付く前髪をかき上げ、その手で撫でるように頬まで滑らせる。

「じゃあ、あんまり感じさせ過ぎないようにするね。」
「ごめんな。」
「謝らないで。俺とのセックス、ちゃんと覚えていたいって思ってくれて嬉しいんだから。」
「当たり前だろ。」


それから銀時はなるべく激しくならないよう、細心の注意を払って指を抜き差しした。
指を三本に増やす時には潤滑剤を足し、指が楽に動くまで入念に出し入れを繰り返した。
三本の指を根元まで入れてからナカで指を開き、また閉じてくるりと回す。内壁をこすられる感覚に
土方のモノは再び頭を擡げてきた。


「十四郎…そろそろ入れるよ。」
「銀さんの?」
「そう。」
「分かった!」

遂にこの時が訪れたと気合いを入れる土方に銀時は苦笑する。

「リラックスしてね。折角ココ柔らかくしたんだから。」
「あっ、悪ィ。つい……」
「気持ちは分かるよ。」

下半身を覆っていた衣類を全て脱ぎ、銀時は土方の腰を抱え上げてその下に枕を入れる。

「キツかったら我慢しないで言ってよ。」
「ああ。」
「力、抜いてるんだよ。」
「ああ。」
「少しでもイヤだと感じたら遠慮なく…」
「銀さん。大丈夫。俺、銀さんのこと信じてるから。」
「ありがとう、十四郎。それじゃあいくよ。」
「ああ。」


土方は全身の力を抜き銀時に全てを委ねる。
銀時は自分のモノに潤滑剤をたっぷりと塗り、深呼吸をして土方の入口に押し当てた。


「う、ぁ……」


潤滑剤の滑りを借りてするりと亀頭部分が孔に吸い込まれる。


「十四郎、痛くない?」
「ちょっとキツいけど、平気だ。」
「良かった。」
「今、銀さんとセックスしてるんだよな?」
「そうだよ。……もうちょっと進むね。」
「んっ。」


土方が痛みを感じていないことにホッと息を吐きつつ、銀時は更に奥を目指して腰を進めていく。


「ハァッ!ハァッ!」


指では届かない奥まで到達すると、未知の感覚に土方の呼吸が荒くなる。


「十四郎、苦しそうだね。」
「へー、き……銀さん、キツくない?」
「大丈夫だよ。十四郎のナカ、すごく気持ちいい。」
「本当?銀さん、気持ちいい?」
「うん。とっても。」


銀時が気持ち良いのだと判り、心の軽くなった土方は呼吸がやや穏やかになってくる。
その時を見計らい、銀時は残り僅かになっていた自分のモノをぐっと根元まで押し込んだ。


「あぁっ!」
「十四郎、分かる?全部入ったよ。」
「あ……」


土方の尻には銀時の双珠が当たっていた。


「すげぇ……全部入るとは思わなかった。」
「うんうん……本当、良かった、ね……」
「ぎん、さん……」

銀時の瞳から零れ落ちた雫が土方の身体を濡らす。

「ごめっ……なんか、やっとここまで来れたと思ったら、なんか、なんか……」
「っれだって、銀さんの、おかげでやっと……」

土方の瞳からも涙が溢れ出す。

「十四郎っ!」
「銀さんっ!」


二人は繋がったまま確りと抱き合い、初めて一つになれた喜びに涙するのだった。


(11.07.20)


ここで終わっても良かったのですが、折角なのでイクまで書こうかと思いまして……ガッカリする準備をしてお進みください^^;