後編
夜。
約束の一時間以上前に居酒屋へ入った俺は、土方が来るまでに自分の気持ちを整理しておくことにした。
やっぱり……マジで惚れちゃったんだよな…。アレが気持ち良かったから、とかじゃねェよな?
もしそうだったらとんでもねェことになる。でも正直、切欠はアレだもんなァ。ただ一緒に飲んだだけで
惚れたかっつーと、そこは自信がねェ。つーことはやっぱ、惚れたとは違うのか?気持ち良かったから
またヤりたい的な……
やべっ……思い出したら股間がムズムズしてきた!昼間それでヌいたのによー……やっぱ、カラダが
目当てなのかなァ。こういうことなしで付き合うのは難しい気がするし……けど、じゃあ土方以外でも
上手けりゃ男もアリなのかっつーと、それも違うんだよなァ。いくらヨくても、土方以外の男と
ヤる気はしねェ。そもそも、俺の股間センサーが反応しねェよ、男相手じゃ。
うーん……考え方を変えてみよう。もしもアイツが俺のこと好きじゃなかったら、それでも俺はアイツと
付き合いたいって思うかどうか……。告白はナシで、ただ酔った勢いでああいうことしちゃったとしたら…
そしたら、一夜限りの過ちで終わってたかもなァ。
ていうか、土方はどんな気持ちであんなことしたんだろ。酔って大胆になってたのか……惚れたヤツに
触れたかった、とか?せめてカラダだけでもってヤツなのかなァ。だとしたら、辛ェよな……。
俺、すげェ酷いことしちゃったな。何で、こんなのに惚れちまったんだよ土方……。もっと、優しくて
真面目な男だったら傷付くこともなかったのにな……。
でも今更、他の野郎の所になんか行かせねェよ。
ん?俺、今なに言った?いや、正確には「思った」だけど。
他の野郎の所になんかって、これじゃまるで土方が俺のモンみたいじゃねーか。……違ェよ。
アイツはアイツ、俺は俺だ。でも……うん。今ので確信が持てた。土方が来たら伝えてみよう。
* * * * *
土方が来て、いい感じに食事が進んだところで俺は「大事な話がある」と切り出した。
「俺と、正式にお付き合いして下さい。」
「またその話か……。別にいいって言ってんだろ。」
「そうじゃなくて、俺、本気でお前のことが……」
「あのなァ……」
ハァと煙草の煙を溜息と一緒に吐き出して土方は続けた。
「そこまでしなくても、テメーのこと無責任だとか薄情だとか思わねェし、誰にも言わねェから安心しろ。」
「違うんだ!責任とかそんなん関係なく、俺はお前と付き合いたいの。好きなんだ!」
「……う、嘘吐け。」
否定する土方の言葉にさっきまでの勢いはなくて、少しは信じてもらえたのだと手応えを感じた。
ここまで来たら押して押して押しまくるだけだ!
俺は土方の手を取り、正面から目を合わせる。
「好きだ、土方。」
「……そんなの、信じられるかよ。」
「じゃあ、証拠見せてあげる。」
「証拠?」
「来て。」
「お、おいっ……」
メシの途中だったが、俺は土方の手首を掴んで店を出た(支払いはしたぞ)。
言葉だけじゃ足りないのなら態度で示せばいい……俺は、土方を連れてホテル街へやって来た。
「よ、万事屋……」
漸く俺の思惑に気付いたらしい土方が抵抗を始めたため前へ進めなくなってしまった。
「俺の本気、分かってくれた?」
「だからそれは……」
「まだみたいだね。じゃあ早く入ろう。」
「は、入るってお前……」
「こんな所でぐだぐだ言い合ってる方が恥ずかしいんじゃない?」
「………」
ちょっとズルイ気もしたが、土方を言い包めて一軒のラブホテルに入っていく。
適当に部屋を選び、部屋の前でまだ躊躇する土方を強引に中へ入れ、ベッドへ押し倒した。
土方が下から睨みつけてくる。
「こういうことしてェってのがテメーの本気かよ。」
「そうだよ。土方が好きだから土方に触りたい。俺には何もしなくていいから、だから俺の手で感じて。」
未だに土方の顔から迷いは消えていないものの、俺が帯を解いても抵抗はなかった。
着物の衿を開く手が震える。
偉そうなことを言ったが、男相手なんて初めてで、土方を気持ちよくさせる自信なんてない。全く。
でも、やらなきゃ俺の本気が伝わらねェ。……そう。今回の目的は俺の気持ちを分かってもらうことで
あるから、一所懸命さが伝われば多少アレでも……いや、伝わった上で「下手だから付き合えない」とか
言われたらどーしよー!!いいいいや、大丈夫だ。土方はそんなヤツじゃない!!
意を決して俺は土方に覆い被さってキスをした。
「んっ……」
キスをしながら乳首を摘まんでみたら、土方がちょっとだけ喘いだ。
まあ、口塞いでるから喘ぐっつってもアンアン言うわけじゃねェけど。……でも良かった。ちゃんと
気持ち良くなってくれてるみたい。
「んっ、んっ、んっ……」
親指と人差し指で乳首を摘まみ、ちょっと力を入れたり緩めたりするとその度に土方は鼻に抜けるような
声を出した。そのまましつこく乳首をコリコリしてたら、膝を曲げたり腰をくねらせたり……もしや!
俺は、パンツの上からそっと土方の股間に触れた。
「んんっ!」
ふおぉぉぉっ…勃ってるよ!なんかマジで感動!
膨らんでいた股間に嬉しくなって、俺はもっと硬くしてやろうとそこをモミモミ……
「んんっ!んっ……あっ!」
股間の状態を確認するためキスをやめたら「あっ!」て……やっべ、今のキタ!
俺のムスコがもっと聞かせろってせがんでくる。
土方のパンツを脱がせたら完勃ち状態のムスコさんとご対面。先っちょからお汁も漏れてきていて
かなりエロい。チンコ見て興奮する趣味なんてなかったけど、土方のムスコさんは別格だな。
俺のバカムスコも会いたがってるけど今日はナシ。この前、粗相した罰だ。お前は一晩放置プレイ!
俺は土方のチンコを握ってゆっくり扱いてみた。
「ハッ、んっ…あぁ……」
俺の手が動くと土方の先っちょからお汁がどんどん溢れてくる。これ、舐めていいかな?いいよな?
この前のお詫びも兼ねてんだし、むしろ舐めなきゃダメだよな?よしっ!
土方の裏筋を根元から上に向かって舌を這わせる。
「えっ……や、め……」
なんか否定語が聞こえた気がしたけど構わずペロペロしてたら、頭押されてはっきりと「やめろ」って
言われちまった。
「気持ち良くなかった?」
「そうじゃなくて…お前の気持ちは、分かったからもう……」
「じゃあ、お付き合いしてくれる?」
「あ、ああ。」
「やったぁ!それじゃあ続き。」
「い、いや、それはもういいから。」
「何でだよー。俺達恋人同士になったんだから、扱いてしゃぶってゴックンしたっていいだろ?」
「……マジで言ってんのか?」
「トーゼン!じゃあ続けるよ〜。」
「ま、待て!」
土方は完全に身体を起こし、両腕を前に出して俺を制止する。……俺は犬か!
「土方くんは銀さんのこと、もう嫌いになっちゃったんですか?」
「違ェよ。……俺にもさせろ。」
「へっ?」
「テメーだって勃ってんだろ?俺だけヤられんのは気に食わねェ。」
「いやでも俺はこの前やってもらったし……」
「でも今も勃ってんだから出せ。」
「……そしたら、土方にも触っていい?」
「ああ。」
「じゃあ……お願いしまっす。」
俺は全裸になって土方の顔を跨ぎ、もう一度土方のチンコを咥えた。
「んっ、あ、んっ……」
土方も俺のチンコを咥えてくれた。やべェ…めっちゃ気持ちいい。またすぐイッちまいそう……。
いかんいかん!俺が感じてどうする!今日はお詫びとお付き合い記念日なんだから、まずは土方に
気持ち良くなってもらわねェと!
つってもどうやればいいんだ?あー……そうこうしてる間にも土方の舌先が鈴口んトコをグリグリ……
マジで気持ちいい。…そうか!俺も同じことすりゃいいんじゃねーか。
俺は土方の鈴口を舌先でつついてみた。
「んっ、んふっ……」
おっ、いい感じ……そうだよ。男同士なんだから、俺がされてイイことを土方にもしてやればいいんだ。
何だ何だ……男同士だからって構えることなかったじゃねーか。
そこからは俺が舐めたり吸ったりする度に土方から声が漏れた。よしよし、この調子だ!
「んっ、んむっ、んぅっ……」
でも考えてみたら、一緒に気持ち良くなってるだけじゃお詫びにならねェな。土方には俺よりも
気持ち良くなってもらわねェと!何かねェかなァ……。乳首でも触れればいいんだけど、この体勢じゃ
ムリだしなァ。……ケツでも揉むか?……ケツと言えば、前に近所のオネーさんから聞いたことが……
俺は土方の割れ目に沿って指を動かしてみた。
「んんっ!」
土方の身体が一瞬強張ったけど、拒否はされない。……大丈夫そうだ。
俺は慎重に土方の尻の穴へ指を入れた。
土方から「やめろ」とか「待て」なんて言葉が聞こえないのにホッとしつつ、オネーさんに教わった
前立腺ってやつを探す。……言っとくけど、俺が体験したわけじゃないからね?そういうプレイもあるって
聞いたことがあるだけだから。
えっと……指を少し入れて、曲げるとちょっと感触の違う所があるって……ここか?
「んあっ!」
土方はチンコを口から離して声を上げた。
見付けた!!
「あっ、待っ…ああ!」
すっげ……先走りがどんどん溢れてくる。
俺は土方のチンコを咥えて吸いながら、前立腺を弄った。
「―っ……ああっ!!」
土方の膝が、腰がガクガク震えて、俺の口ン中に精液が放出された。今、土方どんな表情してるんだろ。
俺は精液を飲み込んで土方の上からどき、顔を覗き込んだ。
「ハァ、ハァ……」
ゴクリと俺の喉が鳴る。
イッた直後の土方は肩で息をして目は虚ろで、しかも顔には俺の先走りが飛んでいて(前立腺押してから
咥えてなかったからだ)これだけで何回もイケるんじゃないかと思うくらい色っぽかった。
そうなると、イク瞬間が見られなかったのは非常に残念でならない。もう一回、ヤっていいかな?
俺は土方の顔を見ながらもう一度、穴に指を突っ込んだ。
「ひうっ!ま、待っ…あぁっ!」
土方は止めようとしたみたいだけど、前立腺を押されると話せなくなるようだ。
指をちょっと動かすだけで土方が大きく喘ぐ。もっともっと感じて欲しい……
俺は指をもう一本入れ、強めに前立腺を押し上げた。
「はぁんっ!」
「―っ!!」
マズイ!俺のバカムスコが発射スイッチ押したくてウズウズしてる。いや、そんな可愛いもんじゃない。
「スイッチ押させろ!」とバット振り回して暴れまくってる感じ?スイッチ必死に守ってる親父を
ガンガン殴り付けてる感じ。……ゴメン土方!
俺は土方の尻から指を抜き、厠へダッシュ……しようとしたら土方に「おい」と呼び止められた。
「あああの、ごめん。ちょっと厠に……」
「テメーここまでヤっといて厠でヌく気か!?」
「ホントにごめん!すぐだから!すぐ戻って、土方もちゃんとイカせるから!」
「入れねェのかよ。」
「だっだから、戻ったらまた指入れるから……」
「指じゃねェ。テメーのそれ……」
「それ?それって何?」
「な、ナニだよ。」
土方は頬を染め、言いにくそうにごにょごにょと話す。えっ?今、ナニって言った?ナニってチンコ?
えっ、それを入れるってどういうこと?
「……一つ確認していい?」
「な、何だよ。」
「何処に、入れんの?」
「はぁ!?……テメーこの期に及んで羞恥プレイか!?」
なんか土方怒ってる……もしかして、俺が態と恥ずかしいこと言わせようとしてるとか思ってる?
「違うよ!本当に何のことか分かんなくて……」
「あ!?じゃあ何のためにあんな所に指突っ込んだんだよ!」
「えっ?それは前立腺マッサージを…………あー!!」
「るせェ。」
俺は漸く気付いた。
そうか、アナルセックスか!
「えっと……入れて、いいの?」
「俺ァそのためにヤってんだと思ってたんだがな。」
「マジでか……」
「ヤる気がねェなら俺が入れてやる。」
「あります!是非ヤらせて下さい!お願いします!!」
「チッ……」
舌打ちしつつも土方は仰向けに寝て脚を開いてくれた。
俺はその脚を担いでチンコを土方のケツの中に……
「あっ!」
バカムスコの振り回していたバットが発射スイッチに当たっちまった。
* * * * *
というわけで、俺は土方十四郎くんとお付き合いすることになりました。
向こうの告白から始まった関係だけど、何だか尻に敷かれそうな予感です。
(11.07.11)
カッコイイ銀さんが好きな方、申し訳ありません。でも銀さんが早いのは公式設定なので大丈夫、ですよね?……ダメですか?すみません。
そしてこれは銀さん語りなので、より銀さんらしさを出すために棒とか穴とかの描写をそのまんまにしてみましたがいかがでしたでしょうか?
私は、これはこれでアリだと思いました^^ あっ、そして、今回のメインはシックスナインですよ。小説ナンバーが69ですから(笑)
あまりに銀→土っぽくなってしまったので、土方さん視点のおまけを付けました。こちら→★