「あっ、あっ!銀さん…もう、イッちゃうぅぅ…」
「いいよー。」


ホテルのベッドの上、仰向けに寝た土方は脚を大きく開き、後孔に銀時の指を二本挿入されている。
銀時は片手で土方のナカを、もう一方の手で自分のモノと土方のモノを纏めて握り、扱いていた。


「あっ……ああんっ!!」


内と外から強い刺激を受け、土方のモノから勢いよく白濁液が飛び散った。
銀時は土方のナカから指を抜くと、その唇にそっと口付ける。

「俺がまだだから、もうちょい付き合ってね。」
「ん…?……ひっ!やっ…だめぇ!!」


達したばかりのモノを銀時のモノと一緒に擦られ、土方から悲鳴じみた喘ぎが上がる。


「だめだめだめ……ぎん、さんっ!!」
「あと少しだからね?」


土方の目尻から涙が零れ落ち、その瞬間、銀時の背筋をゾクゾクと快感が這った。


「―っ!(やべェ……もうちょっとだけ…)」


辛い思いをさせてはいけないと頭では分かっているのだが、身に付いた性癖はそう簡単に変わらない。
強い快感に涙する土方をもっと見ていたくて銀時は、一気に高まった射精感を堪える。


「やだっ!!もうっ…銀さん、イッてぇ!!」
「もう少しっ…」


既にいつでも達せる状況であるが、あと少し、もうちょっとと自分の射精を先送りにして、
快感に咽び泣く土方を堪能する。


「やあぁっ……だめっ!また、イッ……」
「じゃあ、一緒にイこ?」
「ひうぅぅっ…!!」
「くっ!!」


休む間もなく二度イカされ、土方はだらりと四肢を投げ出し目を閉じた。



「あ、あの……大丈夫?」
「大丈夫なわけねーだろ…」

顔や身体に飛んだ精液を拭いながら銀時が土方に問えば、ぶっきらぼうに、だが当然といえば当然の
返答がなされる。銀時から顔を背けたまま土方が続ける。

「我慢しないって言ったのに……銀さんの嘘吐き。」
「へっ?そんなこと言ったっけ?ていうか、我慢できなかったからヤり過ぎちゃったんだけど…」

土方の痴態に嗜虐心が煽られ、酷いことをしている自覚はあったが止まれなかった。
けれど土方の言う「我慢」はそのことを指していたのではなく、

「違ェよ…。イクのは我慢しないって、前に決めただろ?」
「あー…うん。」

達するのを耐えたことを咎めているようだった。
何も知らなかった分、余計な常識に囚われない土方は「気持ちいい時に早くイくのだから、早くイッた
方がいい」と考えており、それを聞いた銀時も賛同していた。

「十四郎は、俺がさっさとイカなかったのを怒ってるの?」
「そうだ。…銀さんがなかなかイカないから俺も何かしなきゃいけないと思ったけど、銀さんが
いっぱい触るから何もできないし…でも、ちらっと銀さんの見たら、イキそうなのにイッてなくて…」
「…その『いっぱい触った』ことに関しては怒ってないの?」
「それも良くはねーけど……銀さんはそういうの好きなんだろ?」
「あ…えっと……」
「俺に気を遣わなくていい。好みは変えようと思って変えられるもんじゃねーからな。」
「…ごめんね。」

銀時は土方の隣に寄り添い、優しく抱き締めた。

「別にいいって…。いっぱいすんのは恥ずかしいけど、銀さんが喜んでくれるなら嬉しいし、それに、
気持ちいいから。」
「ありがとう十四郎!なるべく優しくするからねっ!」
「ありがとう銀さん。」


二人はその日も抱き合って眠りに就いた。


*  *  *  *  *


「ふっふふ〜ん♪」

土方とのデートを終え、足取り軽やかに帰路へ着く銀時。

(いや〜順調、順調♪最近は真選組の連中も大人しくなったし、十四郎は日に日にエロ可愛くなるし、
こりゃマジでヤれる日も近いよなァ〜…)

自分と繋がれるまでに成長した土方を思い描いた銀時であったが、ふと立ち止まり考え込んでしまう。

(十四郎と、セックス……。それが目標だったんだから嬉しいんだけど、でもなんか勿体ないっつーか…
実際、もうヤろうと思えばヤれる状態にはなってるけど、そんな気にならねェんだよなァ…。最初の頃は
早く突っ込みたくて仕方なかったってのになんで……)


それから銀時は明確な答えを導き出せぬまま、土方と「これまで通りの」逢瀬を重ねていった。



銀さん教えてレッスン11



「ハァッ、ハァ…んんっ!」


とあるビジネスホテルの一室。
部屋に一つしかないシングルベッドに一糸纏わぬ姿で横たわる土方。
室内に満ちる荒い呼吸。
左手の中指と人差し指は自身の中。


「んんっ……あっ!」


指先がある一点に触れると反射的に声が漏れた。それと同時に「前」への刺激が欲しくなり、
土方は右手を一物に伸ばす。


「あっ…ハ、ァ……くっ!!………ハァ〜…」


間もなく白粘液が噴出し、土方は下半身から手を離し呼吸を整えようと息を吐いた。


土方はたまにこうして一人で宿を取り、銀時と会えない寂しさを身体が感じる前に吐き出すようにしていた。

付き合って間もない頃、銀時の手でないとイケなかった土方は、仕事の都合で長時間会えずにいた際に
体の疼きを解消する術が分からず、眠れぬ夜を過ごしたことがあった。
その後、銀時に発散方法を教わった土方は、熱が籠る前に発散しようと決めたのだった。

それでも以前は態々宿に来ることはなかった。けれど「後ろ」の快楽を教わった辺りから自分で触れても
声を抑えられなくなってしまった。職場と住居が同一の土方。しかも仕事柄、必ず誰かが起きて働いている。
そんな中であられもない声をあげるわけにはいかず、一人になれる場所を利用するようになった。

(最近、あまり新しいことを教えてもらってないな。セックスって、いつになったらできるんだろ……)

ホテルの天井をぼんやりと眺めながら土方は考える。

(これ以上は覚えることがないのか……それとも今までのこと、俺は覚えたつもりだけどまだまだ
必要なレベルに達してなくて、それで銀さんは次のことを教えてくれないのか……。指二本は入るように
なったが、銀さんの大きさには程遠いもんな……。やっぱり、もっと覚えなきゃダメなんだ!)

次のデートで聞いてみようと決意を新たに、土方は宿を出て屯所に帰って行った。



*  *  *  *  *



「なあ銀さん……あとどのくらい覚えたら俺、セックスできるようになる?」

いつものように銀時とラブホテルへやって来た土方は、直球で疑問をぶつけた。

「えっ?ど、どのくらいって言われても……」
「まだまだ全然なんだな?」
「そ、そんなことないよ!もうちょい!本当、あとちょっとだから!」
「気休めはいらねぇ。覚悟はしてたんだ。」
「覚悟?」
「俺は、今まで銀さんに教わったこと、全部マスターした気になってた。でも本当はまだまだで……
だから銀さん、最近同じことばっかだったんだろ?」
「あ……」

ここで銀時は初めて、「これまで通り」が土方に不安を与えていたと判る。

「ごめん!俺が悪いんだ!十四郎は何も悪くない!」
「…銀さん?」
「十四郎はもう、セックスできるだけの知識が身に付いてるよ。でも俺、セックスして終わっちゃうのが
何となく勿体ない気がして、できるのにヤらなかったんだ。」
「終わる?セックスすると何か終わるのか?やっと始まると思ってたんだが……」
「えっと……」
「セックスできたら銀さんと対等になれて、漸く本当の交際が始められるんじゃないのか?」
「……そうだったね。」

土方を抱き寄せ、銀時はもう一度ごめんと静かに言った。

「十四郎の言うとおりだ。今だって本当に付き合ってるけど……セックスできたら、新しいお付き合いの
始まりだよね。」
「銀さん……本当に俺、セックスできるようになった?」
「ていうか、できるできないは十四郎だけの問題じゃない。……二人の問題だよ。」
「でも銀さんは……」
「確かに俺はセックスのヤり方を知ってたよ?けど、セックスは二人でするもんだから、二人とも
頑張らないとね。」
「銀さんはいつも頑張ってるじゃねーか。何も知らなかった俺に沢山教えてくれて……」
「十四郎だって頑張ってるよ。俺が教えたこと、全部覚えてくれたんだから。」
「そうかな?」
「そうだよ。」

へへっと嬉しそうにけれど少し恥ずかしそうに笑う土方の頭を銀時が撫でる。自分の髪とは異なる
滑らかな指通りを楽しみながら、銀時は土方と正面で向き合った。

「次の時……セックスしよっか?」
「……今日じゃねェのか?やっぱりまだ俺が……」
「違うよ。今日は十四郎、帰んなきゃいけないんでしょ?」
「ああ。」

本日の土方の勤務時間は終了しているものの、現在局長が出張中のため、万が一の事態に備えて夜は
屯所に詰めておく予定であった。

「だからセックスは次……泊まりで会える時にね?」
「そんなに時間がかかるもんなのか?」
「ヤろうと思えば今からでもできるけどさァ……折角の『初めて』なんだから、ゆっくりできる時が
いいかなと思って。」
「俺は早くしたいけど、銀さんがそう言うなら泊まりの日にする。」
「それじゃあ今日はこれまで通りね。お風呂、一緒に入る?」
「おう。」


二人は手を繋いで浴室へ向かった。
今の幸せを噛み締め、これからの幸せな付き合いに思いを馳せて。


(11.06.25)


前回予告した通り、レッスン11は銀土しか登場しないいちゃエロでした。土方さんがヤれるように成長した途端、ヤるのが勿体なくなった銀さんでした^^

今回の「レッスン」は「おまけ」でやります。以前、保留になっていたアレを漸く教わります。18禁ですが直接飛びます。