おまけの銀土
万事屋に程近い二人行き付けの宿。部屋に入ってすぐ、土方はベッドの上へ押し倒された。
「おいっ、風呂に入らせろ!」
「ダメ。ご休憩三時間しかねェんだから。…風呂なんてウチ帰ってからでいいだろ。」
「はあ!?てめっ、三時間丸々ヤりまくる気か!?」
「トーゼン。はい、脱いで脱いで〜…」
「やっ、んー…!」
口を口で塞ぎ、銀時は土方の帯を解いていく。
土方も銀時の後襟を掴み引き剥がそうとするが、上に乗られているため分が悪い。
抵抗空しく帯は解かれ、下着も膝まで下ろされてしまった。
性急な刺激にもかかわらず、土方のモノは銀時同様反応を示し始めていた。
「へっへー、準備完了〜。」
「てめっ…」
「まあまあ…時間余ったら最後にシャワー浴びていいからさ。」
「…絶対ェ浴びてやる。」
静かに闘志を燃やしつつ、土方は力を抜いてその身を銀時に委ねるのだった。
* * * * *
「あっ、んんっ…あぁっ!」
「…ヤバイ!土方、あと十分しかない!」
正常位で三度目の結合中、ふと枕元の時計を見た銀時は腰の動きを止めた。
「…よしっ、今すぐ抜け。」
「無理に決まってんでしょ!!大丈夫。あと少しでイクから。」
「それだと風呂が…ああっ!」
銀時は先程までより激しく腰を動かし始めた。
内部を刺激され、土方のモノから先走りが滴り落ちる。
「やめっ…あっ、あっ、あぁっ!」
「もっ…ここまで来たら、イキたいでしょ…」
自身も息を切らせながら、土方を絶頂に導くためラストスパートをかける。
「やっ…あぁっ!あっ…ああぁっ!!」
「ハァッ…!!」
自分の腹や胸に精液を飛び散らせて土方は達し、その直後に銀時も達した。
「さあ土方、早く出ないと!」
銀時は土方から一物を抜き取り、被せていたゴムを外して屑籠へ投げ入れる。
それからティッシュを箱ごと手に取り、土方に差し出した。けれど一気に絶頂へ向かわされた土方は
息を整えるだけで精一杯で受け取る余裕もない。
「もう…延長でいいだろ…」
「土方!諦めたらそこで試合終了だぞ!」
「何の試合だよ…」
「ほら、拭いてやっから頑張って!」
銀時に体を拭われ、下着を足首まで履かされたところで土方は観念して体を起こす。
急かされながら下着を履き、着流しを着て、銀時に支えられながら宿を後にした。
* * * * *
「ンなに急ぐ必要、あったのかよ…」
「いや〜、何となく時間内に終わらせたくなっちゃって…」
戻る道すがら、土方はずっと文句を言い続けていた。
「あんなもんで終わったとは言わねー…」
「じゃあウチで続きする?」
「アホか…。ガキがいるから出てきたんじゃねーか…」
「そうだったねー。…あれっ?」
玄関を開けた銀時は、出る前にあったはずの靴がなくなっていることに気付く。
「アイツらの靴がねェ…」
「…二人だけで出たのか?」
「いや…鍵は閉まってたから出てないと思うけど…」
二人は家の中に入り、念のため声を掛けてから和室の襖を開けた。
そこにはやはり、二人の姿はなかった。
「…元の世界に戻ったのか?」
「多分ね…」
「そうか…」
「アイツら、上手くいくといいね。」
「大丈夫だろ…」
「…気付いてたんだ。」
「お前こそ。」
「そりゃまあ、分身みたいなもんだからね。…土方も?」
「まあな。」
「…何で大丈夫だと思うの?」
「アイツらが俺とお前の分身みたいな存在だから、だろ…」
「そっか…」
「ああ。」
「土方…」
「あ?」
「もう一回シよっか?」
「シねぇよ。…疲れたから寝る。」
「じゃあお供します。」
「あんまくっ付くんじゃねーよ。」
「はいはい。」
その日二人は抱き合って眠りに就いた。
(11.05.05)
お待たせした割に大してお得感のない「おまけ」ですみません^^; あまりエロエロさせられなくてすみません。その分ちょっと甘めにしたのでご勘弁を。
銀さんは銀子の、土方さんは十四子の想いに気付いていたみたいです。それで悩んでいることも何となく分かっていたかもしれませんが、自分の分身だから
乗り越えられると信じて何も言わなかったんじゃないかと…。まあ、ゆっくり話をする時間もありませんでしたけどね。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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