※土←銀ですが、銀さんは攻める気満々です。
※年齢制限は設けておりませんが、微エロですので苦手な方はご注意ください。





「おい、あそこの路地に人が倒れてるぞ」
「ん?あっあれは真選組の制服じゃねェか?」
「本当だ。…てことは、攘夷浪士とやり合って負けたのかね」
「多分な」
「…どうする?」
「どうするって…放っておこうぜ。そのうち仲間が回収に来んだろ」
「だな…。アイツらと関わっちまったら俺達にも危険が及びかねないからな」
「ああ、行こうぜ」
「俺達は何も見なかった」
「そうそう」

そんな会話をしながら自分の横を通り過ぎた一般市民二人を、銀時は覇気のない瞳でぼんやりと見ていた。

(やれやれ…江戸の平和を護ってるはずの真選組がえらい言われようだな…。まあ、分からなくもないけど)

平穏に暮らしたい市民にとって、多くの武器を所有している者は攘夷浪士だろうと警察だろうと恐怖の対象なのだ。
銀時は彼らが見ていた路地に向かってゆっくり歩き出す。

(せめて仲間に連絡くらいはしてやんねェとな…)

「―っ!!」

目的の路地まで来て、倒れている人物の顔を確認した銀時は心臓が止まるかと思った。
そこに倒れていたのは銀時のよく知る人物だったのだ。

(土方…)

銀時は心を落ち着けるように数回深呼吸してから倒れている人物―土方十四郎―へ近付く。

(…良かった。まだ息がある…。ていうかコイツ…)

呼吸で上下する肩と赤みを帯びた頬を確認してホッとした銀時であったが、
近付いたことで分かった土方の状況に、今度は沸々と怒りが込み上げてくる。

「おいこら、起きろコノヤロー」
「ん゛〜〜」

土方は怪我をしたわけでもなければ病気になったわけでもない。ただ、酔い潰れて寝ていただけだったのだ。
銀時は土方の頬を叩いたり抓ったり、体を揺すったりしてみたが全く起きる気配がない。

(コイツ…自分が命狙われる存在だって自覚あんのか?こんなところで酔い潰れてよー…
どーすっかなァ…このまま置いといて死体になっても嫌だし……そうだっ)

銀時はニヤリと笑うと眠ったままの土方を担ぎ上げ、更に路地を進んで行った。



みやれおれ〜酔っ払いの扱いには注意しましょう〜



「土方ー…起きなきゃヤっちまうぞー」
「………」

銀時は土方を担いだまま近くの宿へ入った。そしてそっと布団に寝かせる。

(惚れた相手が無防備に寝てたら、誰だってお持ち帰りしたくなんだろ。
大丈夫大丈夫…銀さん、ちゃんと責任とってやるからな)

二人は恋仲というわけではない。
銀時はこれを機に、前々から気になっていた土方と既成事実を作るつもりのようだ。

銀時は土方の着ている物を一枚一枚脱がせていく。

(真選組の制服って脱がすの面倒だな…。でも全部脱がしておけば途中で目が覚めてもすぐには逃げられねェし)

土方が目覚めないよう慎重に、且つできる限り素早く制服を脱がせていく。
全て脱がし終えると、銀時は一歩下がって土方の身体を眺める。

(おー…思ったとおり、白い肌だな。こんな暑苦しい制服着てりゃ、そうなるよなァ…。
所々刀傷はあるけど、肌自体はすげェきれいだ。…ちょっとムカつくな。顔もいいのに脱いでもきれいなんて…
モノは俺のより若干デカ…いや、同じくらいだな。だいたい、土方のは使わねェんだから大きさとか関係ねェし)

全身を舐め回すように見ていた銀時であったが、漸く当初の目的を思い出す。

(そうだ…ヤるために連れ込んだんだった。土方の身体を観察するのは後回しだな。さっさと繋がろう!)

銀時は土方の腰の下に枕を入れて腰を浮かせる。

(なんか慣らすモンは……唾だとすぐ乾いちまうし、一回出してからじゃ土方起きちまうだろうし…
やっぱりローションが一番いいよな。…おっ、あそこの自販機に売ってそうだ)

部屋の隅には小型の自動販売機が設置されており、銀時の予想通りローションも売っていた。
銀時は懐から財布を取り出すと、ローションの価格表示とにらめっこする。

(…結構高ェな。でもヤるには絶対に必要だし…)

自動販売機の前で迷っている銀時の視界に、ふと先程脱がした土方の制服が目に入る。
銀時は土方の制服を漁って財布を取り出した。

(さすが幕臣…俺の財布の中身の何倍だ?…よしっ、これを使おう。
考えてみりゃ、土方の身体を傷付けないためのものなんだから、土方の金で買うのは当然だよな。うん!)

土方が聞いたら激怒しそうな理由を付けて、銀時は土方の金でローションを購入した。

(よし、ヤるぞ…。本当は前戯でトロトロのメロメロのぐちょぐちょにしてから繋がりてェけど…
土方はかなり酔ってるし、あんまり激しくしたら可哀想だもんな)

相手に了解も取らず致そうとするのは可哀想ではないのかと、誰もが思うことではあるが
生憎、ここには銀時と眠っている土方しかおらず、そんなツッコミは期待できない。
銀時は嬉々として土方の足を抱え上げる。

(…キスくらいはしようかな)

抱えた土方の足を一旦下ろし、銀時は土方に覆い被さって唇を合わせた。

(ちょっとカサついてるけど悪くねェな…。でも寝てるからディープキスは無理か…)

銀時は土方の唇を舐め、身体を離そうとした。

その瞬間…

「えっ…んうっ!!」

寝ているはずの土方の腕が銀時の背に回り、再び銀時と土方の唇が重なった。

(えっ!ちょっ…土方、起きた!?)

銀時は唇を重ねたまま目を開いたが、土方は目を閉じていて起きているのかどうかは分からなかった。
とりあえず離れようと銀時はもがくものの、土方の片腕で背中を、もう一方で後頭部を押さえ付けられている。

(くそっ、コイツ…すげェ馬鹿力。えっ?マジで?うわわわわ…)

銀時の身体をきつく抱き締めながら、土方は銀時の口内に自分の舌を侵入させた。


「んんっ…んっ、んっ!」


ずっと抵抗していた銀時であったが、土方の巧みな舌技に翻弄され、徐々に力が抜けていく。


(ヤバイ……なにコレ…気持よすぎ。コイツ、めちゃくちゃ上手ェ…。何かもう、好きにしてって感じ…)


「んっ、ふっ…んっ、んー……えっ?」


銀時が完全に抵抗を止めた時、ぐるりと視界が回った。体勢が入れ替わり、銀時の上に土方が圧し掛かる。
土方は口角を上げて銀時を見下ろした。

「よう…」
「ど、どうも…」
「随分と用意が良いじゃねーか」
「ハハハハ…」

土方は枕元に転がっていたローションのボトルを拾い上げる。
銀時は引きつった笑みを浮かべることしかできなかった。

「せっかくだから使うか?」
「マジでか?」
「ああ。…優しくしてやるぜ」
「ちょっ、ちょっと待て!」

服を脱がせようとする土方の手を銀時は慌てて止めたが、体勢的に銀時は分が悪かった。

「待って…逆!逆だから!それ使うの俺ェェェ!!」
「ああ。ちゃんとオメーのケツに塗ってやるよ」
「違っ…そうじゃなくて…えっ、マジで?…マジでヤんの?待っ…ぎゃああああ!!」



*  暗  転  *



一時間後。
布団の上にはスッキリした顔でタバコを吸う土方と、涙目の銀時がいた。

「グスッ、グスッ…ケツが、ケツが痛ェ。…土方の鬼っ!」
「あ?酔い潰れた人間を宿に連れ込んだ挙句、全裸に剥いて襲うような野郎に言われたかねェよ」
「襲われたの俺じゃねェか!」
「なに言ってやがる…俺は寝てたが、オメーは自分の意志でこの宿に来たんだ。これは合意の上の行為だろ?」
「うー…」
「安心しろ。ちゃんと責任はとってやるから」
「そのセリフ、俺が言うはずだったのにィィィ!!」


銀時の予想とは大幅に変わってしまったけれど、二人はこうして交際を始めることとなった。


(10.06.26)


38000HITキリリク 「酔っ払ってる土方さんを見つけておいしく頂くつもりでホテルに連れ込んだのに、逆に土方さんにおいしく頂かれちゃう銀さん」でした。

自分を攻めだと思ってる銀さんって好きです。…いや、受ける気満々の銀さんも好きですけどね(笑)。この銀さんは、隙あらば土方さんを攻めようとすると思います。

でも結局いつもヤられちゃうんです。攻めたい受銀さんと付き合う土方さんはテクニシャン、私の中でそんな勝手な設定ができあがっております(笑)

それと、土銀でキリリク書くのは初めてなので一応説明を…タイトルの「みやれおれ」は38000HITだからです。「〜」以降が本当のタイトルだと思って下さい。

大事なところを「暗転」で端折ってしまいましたが、リクには18禁希望とは書いていなかったので一応こんな形にしました。素敵なリクエストを下さった舞夜様、ありがとうございます。

舞夜様のみお持ち帰り可ですので、よろしければどうぞ。     ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

 

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