おまけ


かまっ娘倶楽部での仕事を終えた銀時と土方は「仕事着」のままラブホテルの一室に来ていた。
思わぬパフォーマンスを披露する羽目になったけれど、その分報酬も多く、普段よりいい部屋に
泊まれるのだから結果オーライ……ということで自分自身を納得させている。
因みに、新八と神楽は未成年なので先に帰した。二人にあのステージを見られなかったのも
救いだと感じていた。

「ベッドも風呂もデカイなー」
「だな」

まずは探検と、部屋の扉や棚を開けて回る銀時。土方は黒いソファーに腰を沈め、煙草を咥えた。
象牙色の引き戸で仕切られた二間の洋室。土方のいる手前の部屋には、横にもなれるような幅の
ソファーと透明板の楕円形ローテーブル、テレビにDVDプレーヤー、グラス類と電気ケトルの
入った棚の上には電子レンジ、その隣にミニ冷蔵庫――その隣にアダルトグッズの販売機さえ
なければシティホテルのようにも見える部屋。尤も、壁のカーテンを開ければガラスを隔てて
浴室が丸見えで、奥の部屋にはダブルベッドがあり、その枕元にはボックスティッシュや避妊具が
備え付けられているのだが。

一通り探検を終えた銀時はローテーブルを押しやって土方の足元に腰を下ろし、裾から手を入れて
土方の下着を掴む。こっちの「しゃく」もしてやると言ったのを覚えていたのだろうか。

「一本吸い終わるまで待て」

言いつつも土方は腰を浮かせて銀時に協力。下着を抜き取らせてやる。横着なのか好みなのかは
知らないが右足首に丸められた黒のボクサーブリーフ。軽く蹴りだして脱ぎ捨てた。

「着物、借りてんだから汚さないでね」
「はいはい……」

煙草の煙を肺いっぱいに吸い込んで、上に向かって吐き出す。何が「汚さないで」だ――着替えて
店を出ようとした土方を止めたのは銀時ではないか。
その銀時は着物を掻き分けて漸く目当てのモノに辿り着き、ツインテールを股間に埋めたところ。

「おい灰皿……」

チッと舌打ちしながら顔を上げ、銀時は後方のテーブルから灰皿を取り土方に渡してやった。

「お前、タイミング悪過ぎ。今まさに咥えたとこだっただろ」
「だから吸い終わるまで待て、つったじゃねーか」

短くなった煙草を灰皿に押し付けて土方はそれを銀時へ返す。受け取った銀時がテーブルに戻し、
今度こそそっちの「しゃく」が始められた。

「ふっ……」

まだ軟らかいモノを根元まで口に含み全体に唾液を塗す。それから唇を窄めて先の方へ、鈴口を
舌先でつついてまた根元へ。
自分の股の間で上下する銀色の天然パーマへ、土方は指を差し入れた。

「……なに?」

口から手に変えて銀時は土方を見上げる。

「そんな形(なり)でも、髪のおかげでお前だと分かるな……」
「ならマヨ子ちゃんがしたら、どこぞのお嬢さんにしゃくられてる気分になったりして」
「……やってやろうか?」

何に対してだか正体不明の苛立ちを抱えて銀時の裾へ右足を滑り込ませた土方。
じゃあお願いしよっかなと銀時は立ち上がり、自身のトランクスを引きずり下ろした。
若干投げやりにソファーを銀時へ明け渡そうとすれば、その場で仰向けるよう言われる。
同時に「しゃく」するつもりらしい。

「それだと『マヨ子』が見えねェだろ」
「あっ……。まあ、いいよシックスナインで」
「そうか」

サービスするって約束だったしね、との言葉で「どこぞのお嬢さん」に勝てた気がした土方。
己は嫉妬していたのだと気付いてしまった。架空の人物にバカバカしいと自嘲しつつ寝そべり、
眼前で揺れるモノに舌を這わせる。それは既に芯を持ちはじめていた。

「ハァッ、気持ちいい……」

反射的に浮く腰を押さえ付け、土方は一物を全て咥え込む。

「はぅ……」

銀時も負けじと先端を咥えてちゅるりと啜れば、唾液に混じって土方の味がした。少しも甘くない
けれど、飲まずにはいられない味。ついでに言うと、この後出てくる濃いドロドロの味はもっと
好きだ。更に言うと、そのドロドロを「下の口」で飲むのは大好きだ。
だけど、今夜はまず上から……

「ん、んむ……」

ひくつく後孔に我慢を強いて、銀時は舌で、唇で、歯先で土方のモノを愛撫し続ける。
今すぐ口淫をやめてこの上に座り込みたい。しかしそれを耐えて交わった方が絶対に気持ちいい。
それに実を言うと、土方の口内に出すのも結構好きだ。
結局、ナニをするのもされるのも好きなのだ。思うにそれは本体が好きだからにほかならないが、
そんなことは恥ずかしくて言えない。ゆえにこうして身体で語るのだ。

それに付き合う土方ももちろん同じ感情を宿していた。

「はっ、む……」

自分に咥えられ、自分のモノを咥えて反応を見せる銀時が愛しくて仕方ない。
もっと高ぶってほしい。もっと興奮してほしい。もっと感じてほしい――土方の視線の先には
くぱくぱと開閉を繰り返す銀時の孔。一旦口の中のモノを出して指を唾液で湿らせ、土方は銀時へ
それを挿入した。

「うっ……んぐ……」

再び一物を咥え、漏れ出た滴を舐めとっていく。孔は更なる刺激を求めて指を締め付けていた。

「あ、んう……ハァッ……」

だが銀時もやられっぱなしではいられない。土方の孔につぷりと指を二本挿入。
快楽点を押し上げた。

「んんっ!」

股の下で苦しげな声が聞こえたけれど、銀時は構わず土方の中を刺激する。咥えたモノは
ビクビクと痙攣しながら先走りを垂れ流していた。

「んむっ!?」

直後に生じた強い快感。土方の指も銀時の快楽点へ狙いを定めた模様。そこばかりを刺激されると
銀時は土方の支えなしでは姿勢が保てなくなる。だが感じているのは向こうも同じ。口の中のモノ
だって今にも弾けそうだ……自分もそうだけれど。

「んぐ!む、んんっ!」
「んーっ!」

相手を早くイカせようと持てる技術を総動員すれば、同じく相手も動いて瞬く間に高められる。
激しい快感に全身が震え、視界が霞み、手も口も思うように動かなくなってしまう。

「ふ……うっ、ん……」
「はっ……あ……む……」

ここまでくると順序など些細なことに思えてくる。気持ち良く達して何が悪い――銀時は動くのを
やめた。

「んむぅっ!!」

土方の口内にどくどくと精液が注ぎ込まれる。それを嚥下しながらより一層の高ぶりを覚えた。

「んんん〜っ!!」

銀時の口の中も精液で充たされる。

「んっ、はぁ……」

精液を飲み干し、陰茎に絡み付いたものまで丁寧に舐めとっていく。最後に指を一本ずつ順に
しゃぶって終了。土方から下りて唇同士を軽く合わせ、銀時が尋ねる。

「続きは風呂にする?」
「ああ」

体を起こそうとしたはずの土方の後頭部がぼすりとソファーに沈んだ。着物の袖がソファーと体の
間に挟まり、引っ張られる形となってしまったのだ。忌ま忌ましげに袖を引き抜く土方に、銀時は
くすりと笑って手を差し延べた。

「お嬢さん、お手をどうぞ」
「……今はテメーもお嬢さんじゃねーか」
「あらそうでした」

手は取らずに起き上がり、改めて見た銀時の顔は、口紅がすっかり落ちて幾分普段に近い状態に
なっていた。

「先に風呂行ってろ」
「何?素顔の銀さんに早く会いたいの?」
「ああそうだよ」
「っ――」

頬紅のせいではない朱が銀時の顔を染める。だが土方の顔もそれに負けず劣らず赤かった。

「…………」
「…………」

自分で言って照れるなバカ――と言おうとしたけれど、土方の発言は恋人として相応しいもので、
それを罵るのは筋違いだと思い留まる。かといって、俺も素顔のお前がいいなどと恋人らしく
返すのは照れ臭い――そんな銀時が選んだ風呂への誘い文句は、

「ここの風呂、マットプレイができるぜ」

というもの。目と眉の距離を近付け、いざという時の煌めきを宿して言ってはみたけれど、
内容が内容なだけに土方はがくっと項垂れてしまった。
だがこれ以上の会話は不要。互いの向かう道が一つになれば充分ないのだ。

秋の夜長に恋人達は、今宵も身体で愛を語る。

(13.09.15)


この後の展開は皆様のご想像にお任せします^^
リクエスト下さったRyo様、当サイトの作品を全て読んでいただけたなんて本当にありがとうございます!ケンカを繰り返しながらも気付けばいちゃついてる二人が大好きです^^
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それでは、ここまでお読み下さった全ての皆様ありがとうございました!



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