後編
『縄を解け、変態野郎!』
『ンなこと言って興奮してんだろ?パンツ、きつそうじゃねーか』
『くっ……』
下着を押し上げる股間を指摘されて羞恥に顔を歪めるミニスカポリスな土方。
その両腕は背面で縛られている。
――という光景が銀時の脳内で展開されていた。
そして想像上の土方に負けず劣らず、銀時の股間も下着を押し上げている。
『こりゃあ汚れる前に脱がねェとな』
土方の下着を脱がせる様を思い描きながら自身の下着を脱いでいけば、出てきたモノは
土方のそれに見えてくる。
「こうされると弱いんだよな……」
土方のモノに見立てた自身の裏筋を人差し指でつっと撫で上げてみた。
銀時の脳内では土方が思わず声を上げてしまい、慌てて唇を引き結んだところ。
スカートの裾を持ち上げる亀頭をどうにかして隠そうと膝を擦り合わせているけれど、
身悶えているようにしか見えない。
『スカートも脱がせてほしい?』
『るせェ』
『あれ?スカート履いてたいの?』
『違ェよアホ』
『まったく、可愛くないんだから……』
架空の土方くんならもう少し素直になってくれても良さそうなのにと思いつつ下を見れば、
先走りの漏れ始めた己自身。
こういうのも嫌いじゃないのか――正直者のムスコの頭を、普段土方のそれにしているように
ピンと指で弾く。
『ふざけんな、テメー!』
『じゃあどうして欲しい?』
『……真面目にやれ』
『真面目にねぇ……』
やること自体はいいらしい。変態でアホでふざけている自分と……ここで嬉しくなってニヤつけば
またふざけているだ何だと責められるのだが。
『真面目ってこんな感じ?』
『あっ……』
右手で一物を緩く握って上下に扱くと、土方は僅かに喘いで腰を引く。それを夢想して自身の
モノを扱き、銀時は甘い息を吐き出した。
こんな時、土方はすぐに目を閉じる……そうだ!折角だから目隠ししてやろう。コスプレと拘束と
目隠し――最高の組み合わせではないか。
帯で視界を遮られた土方の姿を脳裏に描き、銀時は己も瞳を閉じた。
「くっ……」
自分の身体とはいえ、見えない状態で触れるというのは見えている時と勝手が違う。
思いの外、先走りが出ているように感じた。
すぐさまそれは妄想のネタとなる。
『すっげぇヌルヌル……こうすると分かる?』
『あっ、くっ……!』
音が聞こえるように扱き上げてやれば、土方は身体を震わせて歯を食い縛る。
当然、同じことをしている銀時自身もより強い快楽に晒された。
「ハァッ……」
吐息と喘ぎの中間くらいの声を漏らしつつ、土方に仮想した自身をぬちゅぬちゅと擦り続ける。
脳内の土方は既に声が抑え切れなくなっていた。
『あ、んっ……あぁっ!』
『気持ちいい?イッちゃいそう?』
『っ、く……』
歯噛みして快感に耐える土方は生唾もの。長い付き合いでそれが銀時のS心に火を点けるのだと
理解はしていても、恥ずかしいものは恥ずかしいのだろう。
そんなところも土方の魅力だと再確認しながら扱くスピードを上げた。
「っ……」
気持ち良くて判断力が機能しなくなってきた上に目を閉じているから、今自分の手を濡らして
いるのは本当に土方のモノではないかと錯覚する。こうしてぐじゅぐじゅの時にぴたっと手を
止めてやると物欲しげな目で……あ、目は見えない設定だった。
「ハァ、う……」
自身の限界が近付くに伴い、土方の限界も近付いていく。
『あ、んんっ……はぁっ!』
ここまで来ると土方は、服装だとか拘束だとか目隠しだとかを気にする余裕がなくなる。
解放に向けてひた進むのみ。
そんな、快楽に浸る土方を見ているだけで幾度発射しそうになったことか――今だってほら……
「あ、くっ……!」
危うく、瞼の裏の土方より早く出そうになって根元を握り込んで耐えた。
ついでにこのまま強制寸止めプレイ妄想といこう。
『やめ……離せっ!』
『もうちょっと楽しもうよ』
『あぁっ!!』
右手はイクことを阻みながら左手で幹を擦り新たな快楽を与える。
「あ……き、つ……」
過ぎた快感に思わず緩みそうになる右手を気合いで押し止め、銀時は自身を扱き続けた。
これは土方なのだ。女装緊縛目隠しプレイで感じまくる土方のモノ――
「う、あ……はぁ!」
手が震えてきた。イキたくてイキたくて足はとっくにプルプルしている。土方はこんな苦しみに
よく耐えているものだ。楽に気持ち良くなれる相手など他に幾らでもいそうなのに。
『ぎ、とき……』
声を絞り出して名を呼ぶ土方。自分だからこんな暴挙も受け入れてくれるのだと愛しさが募る。
イキたいかと問えばコクリと頷く土方に銀時は右手の力を抜いた。
「うぁぁぁぁ……!!」
頭の中の土方と共に銀時は吐精する。
激しい絶頂でベッドへ倒れ込み、その間も一物からは断続的に精液が放出されていた。
「ハァ、ハァ、あー……」
びくびくと身体が勝手に震え続ける。待望の射精にもかかわらず疲労感ばかりで達成感など皆無。
いつも自分はこの状態の土方に突っ込んで声が枯れるまで喘がせていた。
今度からは土方にもっと優しくしよう。ホテルに来たら好きなだけゆっくり風呂に入ってもらって
それから――
思考はそこで途切れた。
精液に塗れた両手も剥き出しの下半身もそのままに眠りに落ちる銀時。
しかし翌朝、身体はきれいに拭われて、暖かい布団の中で目を覚ますことになる。
テレビでは事件の特番が終わり、連続ドラマを放送していた。
(13.04.28)
リクエスト内容は「銀さんの妄想1人えっち(濃いの)」でした。……濃く、なってますでしょうか^^; 「脳内トシのことでいっぱいいっぱいだとなお嬉しいです」と
のことで、そっちは叶えられているかなと。というかこれ、どちらかといえば逆CP向きのリクですよね。もちろん分かってて敢えての銀土です(笑)
リクエスト下さった奈依様、ありがとうございました。こんなのでよろしければ奈依様のみお持ち帰り可です。もしサイトをお持ちで載せてやってもいいよという時は
拍手からでもお知らせください。それでは、ここまでお読み下さった全ての皆様ありがとうございました!
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