後編

タバコを奪った銀時が唇を重ねようとしたところ、それを土方が制止した。

「…ダメなのかよ」
「つーか、どうして急に…」
「るせェな…。何か、そんな気分になったんだよ!」
「…マジで惚れ直したのか?」
「っるせェ!それは違うって言っただろ!…つーか、土方はヤりたくねェの?」
「す、すまん…まだ、この前の傷が治ってなくてだな…」
「この前って、柳生邸に乗り込んだ時の?」
「ああ…」

お妙と柳生家を巡る色々があり、その際の戦いで土方はかなりの深手を負っていたのだ。
戦い直後はミイラ男のように包帯塗れであった。
さすがに今はそこまでではないが、よく見れば着流しの隙間から包帯が見え隠れしている。

「オメー重症過ぎだろ…鍛え方が足りねェんじゃねーの?銀さんなんてもうピンピンよ?」
「テメーはほとんど厠で過ごしてたからだろーが。戦闘時間が違うんだよ!」
「あん時俺が腹下したのは、前の晩テメーが中出し…」
「いーや、アレはちゃんと後始末したはずだ。腐ったモン食ったテメーが悪ィ」
「はぁ?豆パンくれェで下すようなヤワな腹してねーよ。オメーのせいだって!
俺が寝ちまったのをいいことに、テキトーに後始末したんだろ?ったく、酷ェヤツだぜ…」
「テメーと一緒にすんじゃねェよ。この前なんかテメー、好き放題ヤっといて全く後始末しなかっただろ?
あん時俺は風呂場まで這って行って、テメーが中に出したモン洗い流したんだからな!」
「あー、あん時は結構酔ってたからね…。朝起きてヤベェと思ったんだよ?あの後、ふかーく反省したから」
「ケッ…何が反省だ。そういう気遣いが足りねェからモテねェんだよ」
「くっそー…今日は後始末忘れるくらいまで絞り取ってやっから覚悟しとけよ!」
「あぁ?今日は俺が上か?つーか、傷が治ってねェから無理だって…」
「大丈夫だ、土方。オメーはやればできるコだ!…つーか、オメーは横になってりゃいいからよ」
「何だよ…やっぱり下なのか?」
「上だけど下だ」
「はぁ?」


*  *  *  *  *


「ちょっ、自分で脱ぐから…」
「いいから、いいから…今日は俺が全部やってやるって」

真選組の土方の私室。そこに敷かれた布団に土方を座らせ、銀時は帯を解いて着流しを脱がせていく。
「下」を希望したはずの銀時に脱がされ、土方は不満を露わにする。

「…やっぱり俺が下なのかよ」
「違ェよ。土方が上だけど、傷に響くから動かなくていいぞ」

言いながら銀時は土方を寝かせ、下着も脱がせていく。

「別に動けない程重症ってワケじゃ…」
「いいから、いいから…今日は俺にサービスさせてよ」
「ああ…浮気の詫びか?」
「…浮気は、してねェ」
「まあ、好きにしろや…」
「おう」

土方を全裸にした後、銀時は自分も服を脱いで下着一枚になった。
それから土方に覆い被さると唇を重ねた。

最初は啄ばむように軽く数回。
舌を出して唇を撫でると、少しだけ土方の口が開く。
再び口付けて、唇の隙間から覗く歯列を舌で丁寧になぞる。
堪らなくなった土方が口を開けて舌を出そうとした瞬間、口内に舌を捩じ込み絡めていく。


「んっ…んっ…」


噛み付くようなキスをして、限界まで舌を伸ばし口内を犯していくと、土方からくぐもった声が漏れた。
それに気を良くした銀時は右手を伸ばし、土方の下肢を握る。
唇を合わせたままフニフニと揉むと、ソコは大きく硬くなっていく。


「ふっ…んんっ…」


緩急をつけて上下に扱き、土方の竿を育てていく。
その間も口付けは止めず舌を動かし続けていた。


「んんっ……はぁ、はぁっ…テ、メー…しつけェんだよ…」
「えー…銀さんのキス、気持ち良かったでしょ?いい感じに勃ってきたし…」
「まあ、それなりに…」
「素直じゃねェの…。まあ、いっか。…じゃあ、ちょっと待ってろよ」
「あぁ?なにを…」

銀時は妖艶な笑みを浮かべて下着を脱ぎ、枕元に準備してあった潤滑剤を左の指に塗した。
土方の上に覆い被さったまま右手で身体を支え、左手を前から回して自身の後孔に触れる。


「…んっ!」


つぷり…入口に潤滑剤を塗り込めてから、銀時は中指を挿入した。
突然の出来事に土方は、銀時が何をしているのか理解できない。

「おっおい、何やって…」
「何って…んっ…準備に、決まってんじゃ、ねーか…」
「準備って…それなら俺が…」
「…に言ってん、だよ…はっ…怪我人、は…大人しく、寝てろ……んんっ!」


息も絶え絶えになりながら、銀時はナカの指をもう一本増やした。


「あっ…はっ……はぁ…」
「だ、大丈夫か?」
「だいっじょう、ぶ…っあ!」


二本の指で自らナカを解す銀時―至近距離で繰り広げられる淫靡なショーに土方の目は釘付けになる。


「はっ、テメーの…先走りが、漏れてる、ぜ…。もっ、入れてェの、かよ…」
「…テメーがエロ過ぎるせいだ。…責任取れや」
「し、かたねェ、な……んっ」


ナカに埋めていた指を引き抜くと、銀時は土方のモノにも潤滑剤を塗った。
竿の中ほどを持って自身の入口に宛がい、ゆっくりと腰を下ろしていく。


「くっ…んっ、あっ…あぁ…」


ずぶずぶと土方を飲み込みながら腰を沈めていき、遂に根元までナカに納まった。


「はぁ、はぁっ……どう、だ?気持ち、イイ…か?」
「ああ…オメーのナカ、最高にイイぜ」
「そうか、よっ!んんっ、あぁっ!」
「ちょっ…おい……うぁっ!」


銀時は律動を開始した。
腰を浮かせてナカのモノをギリギリまで引き抜き、再び根元まで埋める。
土方の上でリズミカルに跳ねながら時折ナカを締め付ければ、堪らず土方から声が上がった。


「あっ、はぁ……じかた、きもちいー?」
「…あっ!す、げぇ…よ…。ぎ、とき…おまえも……」


手を伸ばして土方は銀時のモノに触れる。


「待っ!そこ、ダメだって!あぁっ!」
「くぅっ…やべェ、しまる…」


土方が手を動かすと銀時は身悶え、ナカが複雑に蠢いた。


「やっ…ああっ!だめっ…イ、ク…」
「ぎっ、ぎん!くっ…ンなに、しめんな…」
「ああっ!やめっ…もっ、ダメ!」
「はぁ…くっ、あっ…」


銀時は無意識に土方を締め付けながら、夢中になって腰を動かす。
土方もそれに合わせて下から突き上げつつ、握っているモノを扱いた。


「ああっ!ああっ!…もうっ、イクっ…」
「イ、ケよ…っれも、もう…はぁっ!」
「イク、イク、イク…ああっ、ああっ……ああぁっ!!」
「あっ…くぅっ…はあっ!!」


強い快楽が二人を襲い、ほとんど同時に吐精した。



*  *  *  *  *



翌朝。銀時が目を覚ますと、隣には土方の寝顔があった。

「やべェ!後始末してねェ!……あ、あれっ?」

ガバリと身を起こした銀時は、いつもの白い着流しを着ていることに気付く。

(昨日は全部脱いでヤった、よな…。いつの間に服着たんだ?つーか、イッてからの記憶がねェ…。
俺…土方の上に乗っかったまま寝ちまっ、た?…ナカに入ったまま?
でも…ケツも身体も、ローション塗った手もちゃんとキレイになってんですけど…。
えっ、うそ…マジで?だってコイツ、怪我人で…ヤるのは無理とか言ってたくらいで…)

「うわあぁぁぁ!!」
「…んだよ。うるせェぞ、銀時…今日は非番なんだから、ゆっくり寝かせろよ」
「ちょっ、えぇっ!?おまっ、傷は大丈夫なのかよ!?」
「傷?ああ…テメーが無茶したせいで治りが遅くなりそうだな」
「…それなら無理して動くなよな」
「俺の上からどかしても起きねェお前にゃ、後始末は無理だろーが」
「後始末なんかしねェで寝てりゃ良かったのに…」
「そしたらテメーが酷い目に遭うだろ?それが分かってんのに放っておけるかよ…」
「………」
「…ンだよ」
「いや…やっぱオメーはモテ男だと思ってよ」
「…銀時、俺がここまですんのはオメーだから、だぜ?」
「っ!…俺が天パじゃなかったら、絶対にモテモテになると思うけど…でも…オメーには敵わねェ気がする」
「…そうかよ」
「ああ…」


銀時は再び布団に潜り込み、土方に抱きついた。
土方も銀時を抱きしめ、二人は抱き合ったまま二度目の眠りに付いた。


(10.01.21)


10,000HIT記念アンケートより「土方さんが女性に言い寄られているのを見かけて、浮気をしてやろうとする銀さん。しかし、かえって自分が土方に惚れていることを再認識して悔しがる」でした。

…屯所で何ヤってんでしょうね^^;そして腐った柳生編ネタですみません。いらないとは思いますがリクエスト下さったリリオ様のみお持ち帰り可です。もしサイトをお持ちで「仕方ないから載せてやるよ」って時は

拍手からでもお知らせくださいませ。 日記に後書きとリリオ様へのメッセージを載せております。  ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

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