万事屋と団子屋


俺が妖刀に飲まれている間、真選組のピンチを救ってくれたのは万事屋だった。
非常に不本意ではあったのだが、俺がまともに動けなくなっていたのでありがたかったのも事実だ。
あれ以来、団子を奢らされるようになった。
会う度にってわけじゃねェ。アイツが一人の時で俺も一人の時にだけ声をかけてくる。


世話になったのだから奢るくらい構わねェ。ただ…アイツは俺と二人で団子屋なんかに行って楽しいのか?
そんなに団子が好きなのか?それとも単に金がなくて飢えてんのか?
一度そんなことを聞いてみたら「団子は好きだし、金もねェけど…それだけじゃねェよ」って言われた。
じゃあ他に何があるんだと聞いたら「それはおいおい…ねっ?」とワケの分からない答えで誤魔化された。


そういえば、団子にマヨをかけた時「団子に失礼だ」とか何とか言っていたが、今では何も言わなくなった。
話をしなくなったってワケじゃねェ。団子を食いながら、アイツはメガネやチャイナなんかの話をしてる。
俺は「そうか」くらいしか言わねェのに、アイツはいつでもヘラヘラ笑っていやがる。
俺がどんなに無愛想にしてても、アイツはいつも楽しそうに美味そうに団子を食っている。


そんなアイツとの団子屋のひとときで、最近、俺の心が穏やかになるようになったのは秘密だ。
一人の時間ができると、アイツのいそうな団子屋の近くをうろつくようになったのも秘密だ。
山崎と見回りの途中、一人でいるアイツを見かけて無理矢理山崎を帰したのも秘密だ。
一緒に団子を食うようになってからどんどん秘密が増える。だけど一番の秘密は、俺がアイツのことを・・・

(10.01.10)


10,000HIT記念アンケートより「団子を食べてる銀土」でした。銀さんの一生ちびちび作戦(?)によって土方さんも徐々に銀さんのこと意識していったらいいな、という私の願望です^^;

実はリクエストではなく、お好きなシーンを教えてくださっただけなのかもと思い、短くまとめさせていただきました。いらないとは思いますが、リクエストいただいたゆゆ様のみお持ち帰り可です。

もしサイトをお持ちで「仕方ないから載せてやるよ」って時は拍手からでもご一報下さいませ。日記に後書きとゆゆ様へのメッセージを載せております。

 

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