おまけ


刑執行直前の死刑囚の命をもらい、十四郎は今年の役目を果たしました。十四郎は銀時に向かって言います。

「それで?これから俺を天の国へ連行するってのか?」
「へっ?」
「タダで悪魔に手を貸す天使なんざいるわけねェだろ。連れてくんなら好きにしろ。
テメーにゃ恩があるから抵抗するつもりはねェよ。ただし、捕まったところで簡単にくたばるつもりもねェけどな」
「そうかお前、今ノルマ達成したから一年は安泰なんだ…。じゃあ、落ち着いてイチャイチャできるね」

銀時は嬉しそうに十四郎の肩をポンポンと叩きました。しかし十四郎には銀時の言葉の意味が理解できません。

「俺が誰とイチャイチャするって?」
「俺」
「…念のため聞くが、天の国では連行することをイチャイチャと表現すんのか?」
「ナニ言ってんの?イチャイチャって言ったら愛し合う者同士がすることに決まってんじゃん」
「…で、俺は誰とイチャイチャするって?」
「俺」
「…達者で暮らせ」

十四郎は地の国に返ろうと銀時に背を向けます。銀時は十四郎の腕を掴んで引き止めました。

「待ってよ!一緒に来てくれるんでしょ?ウチでイチャイチャして暮らそうよー」
「アホかっ!俺が天の国に行って呑気に過ごせるワケねーだろ!」
「あっそうか…お前、悪魔だもんな。牢屋とかに入れられちゃうのかなァ…よく知らねェけど。
うーん…じゃあ、今ここでイチャイチャしよう!」
「はあっ!?」
「えーっと、どこがいいかなァ…あっ、あそこにしよう!」
「おっおい!」

銀時は十四郎の腕をつかんだまま、小高い丘の上まで飛んで行きました。

「ここなら見晴らしもいいし、解放感もあるし…うん、いい感じ。さあ、脱いでー」
「ぬっ!?て、テメー何するつもりだ!」
「だから…イチャイチャするんでしょ?」
「ぐっ具体的には何を…」
「セックスv」
「っざけんな!俺ァ帰る!」
「だぁめっ。帰さない!」

銀時は十四郎の腰に抱き付きます。

「離せ、このクソ天使!」
「やだぁー、セックスするぅー」
「ふざけんなっ!」
「十四郎…お前は天使の力を借りてノルマ果たしたってのに、そのまま帰るつもり?」
「うっ…」
「病院で小さくなってたお前が元の大きさに戻れたのは誰のおかげ?」
「そっそれは…」
「今年のノルマがもう達成できたのも誰のおかげかなァ…」
「………」

ただ頼んだだけでは聞き入れてくれそうもないので、銀時は十四郎に恩を着せることにしました。

「くそっ…テメー本当に天使かよ」
「うん。だって頭の上に輪っかが浮いてるだろ?」
「…千年以上生きてるが、テメーみたいにタチの悪ィ天使は初めてだ」
「へっへー…俺とヤる決心ついた?」
「…ヤりゃあいいんだろ!」

十四郎は投げ捨てるように言うと立ち上がりました。

「じゃあ行くぞ」
「どこに?」
「どこって…ヤるんだろ?だったらそれなりの所へ…」
「ここでいいじゃん。ていうか俺、そのつもりでここに来たんだけど…」
「ナニ言ってやがる!こんな開けた場所でヤるもんじゃねーだろ!」
「別にいいじゃん。どうせ周りのヤツらに俺達の姿は見えてないんだし…」
「そういう問題じゃねーだろ!見えてなくたって…こんな、人間がウヨウヨいる所なんかで…」
「オメー悪魔のクセに気が小っちぇえな。こんな見晴らしのいい場所でヤれる機会なんてそうそうないぜ?」
「オメーは天使のクセになんでこうも変態なんだよ…」
「変態じゃねェ。俺は自分に正直なだけだ!」
「アホか…」

十四郎はまともに相手しても無駄だと悟りました。それならば、さっさとヤることをヤって帰ろうと思いました。

「…で?どーしたいんだ、テメーは」
「じゃあ…四つん這いになってくれる?お尻こっち向けて」

十四郎はチッと舌打って銀時の前で四つん這いになりました。

「おー、おいしそう」
「くそっ…」

銀時は十四郎の履いているものを下げ、形のいい尻を露わにさせます。
その時、二人の目の前を親子連れが通り過ぎました。十四郎は身体を硬直させます。

「向こうからは見えないんだから気にすることないのにー。でも安心していいよ。
周りを気にする余裕なんかなくなるくらいヨくしてあげるから」
「チッ…」

十四郎は目を閉じて、コトが早く終わるようにと願います。
銀時は指を唾液で濡らし、ゆっくりと挿入していきました。


*  *  *  *  *


「そろそろいい?」
「勝手にしろ…」

銀時は十四郎に埋めていた三本の指を抜き、代わりに自分のモノを挿入させます。


「んっ…」


銀時のモノが挿入されると、十四郎は鼻に抜けるような声を漏らし、腰をピクリと揺らしました。


「はっ、ぁ…」
「ヨさそうだね…」


自身を全て納めきり、律動を開始するため銀時が腰を引こうとした瞬間、十四郎の眼がキラリと光りました。


「んっ、んっ、んっ…」
「なっなに?えっ、ちょっ…うわぁ」


急に十四郎のナカが複雑に蠢きだしたのです。
銀時は驚いて抜こうとしましたが、入口をキュッと締められて抜くことができません。


「ちょっ、ちょっと待って!これ…ヤバイっ!」


今まで感じたことのない快楽に襲われ、銀時から泣きが入ります。


「やめっ…一旦、とめ、てっ…」
「気持ちがいいなら素直に感じてろ。…自分に正直なんだろ?」
「くぅっ!」


銀時は十四郎の背中に抱き付いてナカの蠢きを止めようとしますが、そんなことでは止まってくれません。


「おまっ…んで、こんな…あっ!」
「年の功ってやつだろ?」
「う…あぁっ!」


外見上はどちらも同じくらいの年齢に見えますが、十四郎は銀時の三倍以上長く生きています。
圧倒的な経験の差はそう簡単には埋められないのです。


「くっそ…ああぁっ!!」


ビクビクと全身を震わせながら銀時は十四郎のナカに射精しました。
十四郎はナカを緩めて銀時のモノを抜き、銀時に向き直りました。


「おい、次は…っ!?」
「え…とっ十四郎!?」

一度の吐精でぐったりとしている銀時に余裕の笑みを向けた十四郎でしたが、急に全身を刺すような痛みに襲われました。
十四郎の体からは白い煙が立ち上り、銀時にも異常事態だということが判りました。

「十四郎、どうした?」
「くっ…天使と交わった罰、か?」
「そんな…俺、こんな風になるなんて…ただ、十四郎のことが……ごめん」
「…謝る必要なんか、ねェよ。俺だってな…本気で嫌ならこんなことしねェよ…」
「十四郎…早く地の国に帰って!そしたら治るかもしれない!」
「無理だな…。全く力が入らねェ…」
「そんな…」

十四郎の体は白い煙で包まれ、すぐ傍にいるはずなのに銀時からも顔が見えなくなってしまいました。

「十四郎ォォォー!!」


ぽんっ


「…えっ?」

拍子抜けするような破裂音がして、十四郎を包んでいた煙が徐々に晴れていきます。
中から出てきたのは…

「と、とーしろー?」
「俺は…生きてるのか?」
「生きてるっつーかお前、自分の格好見てみ?」
「格好……なっ!?」

銀時に言われて下を向き、自分の服装を見た十四郎は驚きました。先程まで来ていたはずの黒いスーツの代わりに
白い衣を纏っています。十四郎はその衣に見覚えがありました。そうです。目の前にいる銀時が着ているものと同じなのです。

「な、なんで、服が変わって…」
「服だけじゃねーよ。上とか、後ろとか見てみ?」
「……はぁっ!?」

言われるままに上を向いた十四郎は自身の頭上に浮かぶ光る輪に驚愕します。
そして更に背中を見ると、大きな白い翼が生えていました。

「ど、どういうことだ、これは…」

十四郎は自分の体をペタペタ触ったり、背中の翼を動かしてみたりしました。

「本当に生えてやがる…。この輪も、俺の頭上から離れねー…」
「もしかして十四郎…天使になったとか?」
「はぁ!?」
「だってその格好、そうとしか考えられねェじゃん」
「…天使と交わったから、天使になったってのか?」
「た、多分…」
「…そんなことが起こりうるのか?」
「俺だって知らねーよ。でも、その格好はどう見ても…あっ、そうだ!エンジェルステッキ出してみろよ。
ステッキが出たらホンモンだって!」
「出すっつったって、どうすればいいんだ?」
「こう…人間を幸せにしようと思うと、どこからともなく現れんだよ」
「なんだそれ…」

半信半疑でしたが、十四郎はとりあえず心の中で「人間が幸せになりますように」と祈ってみました。
すると、十四郎の目の前にステッキが現れました。十四郎は恐る恐るそれを手に取ります。

「おぉ…」
「出た。本当に十四郎は天使になったんだ…」
「俺が、天使…」

十四郎は千年以上もの長きに渡り、人を殺めて生きる自分の存在に悩み苦しんできました。
銀時と出会ったことで、死が必ずしも不幸と結びつかないことを学びました。
そして遂に、十四郎自身が人々を幸せにする力を得ることができたのです。

「なんかステッキが俺のより立派な気がするけど…まあ、いっか。十四郎は俺よりずっと長く生きてっから
そういうもんかもな。…それじゃあ、行こうか」
「…どこに?」
「天の国に決まってんだろ。天使になったんだから、何の問題なく一緒に暮らせるよね」
「そうだな…行くか」

二人は手を取り合って天の国へ飛んでいきます。


こうして十四郎と銀時は、天使の役目を果たしながら末永く幸せに暮らしました。


めでたしめでたし


(10.08.01)


外でヤってる設定があまり活かせませんでした^^; まあでも、これで天の国が二人のいちゃいちゃパラダイスになったので、めでたしめでたしです(笑)

長くなるので割愛しましたが、十四郎のステッキが立派なのは「大天使」だからです。単に長く生きているというだけでなく、悪魔でありながら人間への優しさを持っていた十四郎を

天の国が「大天使」の器だと認めたのでしょう。天の国に行ったら、十四郎は大天使として迎えられ、銀時は大天使誕生に重要な役割を担ったということで褒められるはずです^^

ここまでお読み下さりありがとうございました

 

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