後編
「二週間も会えなかったからあんま余裕ないんだ。ごめんね」
「あ、う…」
銀時は土方を押し倒し、軽く唇を重ねるとすぐに土方の浴衣を脱がしにかかった。
緊張と恐怖で動けなくなった土方は銀時のなすがままである。
全裸になった土方に銀時が覆い被さり唇を重ねる。土方は目を開けて口を閉じたまま動かない。
「…土方、緊張してる?」
「す、すこし…」
「少し」というレベルの緊張ではないことは明らかだったが、深くは追求せず
銀時は土方を安心させるように微笑んだ。
「大丈夫。絶対に気持よくさせてあげる。会えない間に色々研究したから…なっ?」
「あ、ああ…」
「ではまずコッチから…」
「………」
身体を下に移動させ、銀時は土方の一物を咥えた。
他にも色々と触りたかったが、緊張を解すために手っ取り早く気持ちよくなれる場所を選んだ。
つもりだったのだが…
「…気持よくねェ?」
「す、すまない銀時…」
極度の緊張から土方の一物はピクリとも反応しなかった。
銀時は短く溜息を吐いた。
(すまない銀時…やはり今日は無理だ。次は、次こそは必ず…)
「ぎ、ぎん…」
「じゃあコッチな」
「えっ!」
及び腰の土方と違い、二週間待たされた銀時に「また今度」という選択肢は存在しない。
緊張を解すのが無理ならひと思いにヤってしまおうと、銀時は土方の脚を開いて後孔に触れた。
(いきなりソコかよォォォ!!俺のナニを見ただろ?完全に無反応なんだよ!今日は無理なんだよ!)
「銀時、今日はもう…」
「心配しなくていいよ。土方が勃たなくてもできるから」
「………」
(そういう問題じゃねーだろォォォ!!コイツの辞書にはムードやデリカシーって言葉はないのか!?
会わない間ナニ研究したんだよ!まずはそこから勉強し直せ!今すぐ帰って勉強しろ!!)
土方の動揺など気にも留めず、銀時はせっせと後孔に潤滑剤を塗り込めていく。
(う゛う゛…ケツにぬるぬるしたものが当たってる…。マジで入れんのか?頼むからやめてくれ…)
土方は今にも泣きそうなほどであった。
「ちょっ…まだ入れてもいねェのに泣くなよ。…苛めたくなるじゃん」
「………は?」
「最初くらいはドSモード抑えて優しくしようと思ってんのにさァ、その顔は反則」
「………」
(コイツ、なに言ってんだ?なんかとんでもねェこと言わなかったか?…ドSモード?)
「うああっ!!」
何の予告もなしに銀時は土方のナカへ中指を根元まで挿入した。
「ゴメンゴメン。でも指一本だけだし、痛くないだろ?」
「ぎ、ぎん…」
「あーもう、本当になんでお前ってそう苛めたくなるような顔すんの?わざとやってんの?
最初くらいはノーマルプレイで、とか思ってたけどお前がその気ならSMプレイもオッケーだよ」
「なに、言って…う゛あっ!」
土方が銀時の言葉を理解するより早く、ナカの指が動き始める。
「待て…もう少し、ゆっくり…」
「この辺にね、イイ所があるはずなんだ」
「だから待てって…あ゛あ゛!」
「うーん…もうちょい手前かなァ」
二人の会話は全く噛み合っていない。というより、銀時が土方の言葉を聞いていなかった。
(俺の話を聞けェェェ!ここまで来たら抱かれる覚悟はできた。だから焦らずゆっくりやれェェェ!
うあ…銀時の指が内側を押してる。ンなにグイグイ押すんじゃねェよ…。う゛ー…)
土方の目には涙が溜まり、今にも零れ落ちそうだった。
「やばっ…その顔ダメだって言ったじゃん。まだ前立腺見付けてねェのに、我慢できなくなるでしょ」
「ぜん、りつせん?」
「そっ。男がナカで感じるトコ。ほら、俺に突っ込んだ時、反応する所があっただろ?」
「ああそういえば…っ!?」
「お、やっと発見?」
「うああっ!待っ…ああっ!ぎんっ…やめっ!ああっ!」
漸く見付けた快楽点を銀時は遠慮なしに刺激する。
遂に土方の目から涙が溢れ出し、それを見た銀時はますます興奮していた。
「あああー…もうダメ。我慢できない!指、増やすよ!」
「うぐぅ…ああっ!ああっ!!」
宣言と同時にナカの指を二本に増やし、今度は二本で前立腺を捏ねる。
最初こそ苦しそうな呻きを上げた土方だったが、先程より強い刺激に喘ぐことしかできなくなる。
「あうぅっ!やめっ…ああっ!止めっ…はうっ!!」
「すっげ…前、勃ってきたよー」
「…やあっ、ああっ!!」
「答えらんないくらいイイんだ…」
土方は既にまともな言葉が紡げなくなっていた。
二本の指で思う存分ナカを堪能してから、銀時はズルリと指を引き抜く。
そして、待ち焦がれて張り裂けそうな程に膨らんだ自身を土方の後孔に宛がい、一気に半ばまで挿入した。
「うあああっ!!」
「きっつ…。さすがに全部一気には無理か…」
「銀時、テメー…」
「…なんだ、もう戻っちゃったの?指突っ込まれてあんあん言ってる土方、可愛かったのになァ」
「次、覚えてろよ…」
「銀さん今を生きるタイプだから、多分覚えてらんない」
「テメー…」
「大丈夫。入れた時にちょっと痛かったことなんて忘れるくらい、まためちゃくちゃヨくしてあげるから」
「ちょっとじゃねェよ、この…うああっ!」
半ばまで埋めたモノをギリギリまで抜き、見付けたばかりの快楽点目掛けて再び挿入した。
「ほーら、気持ちよくなってきた…」
「てっめ…ああっ!あと、で…はあっ!ぶっ、ころす…」
「はいはい…後でね〜」
「うあっ!はあぁっ!!」
律動を繰り返しながら徐々に奥へと進んでいき、銀時のモノが全て納まる頃には土方は翻弄されるままになって
いた。
限界を感じた土方は、朦朧とする意識の中、雫を垂れ流している自身へ手を伸ばす。それを銀時が阻んだ。
「だぁめっ」
「ぎ…ぎんっ、もっ…イカせ、ああっ!!」
「…慣れてくるとさァ、後ろだけでもイケることがあるんだって。
まあ、初めてだからそれは無理だとしても、どこまでできるかヤってみようよ」
「もっ…無理、だ!離、せっ!」
「俺がイク時までイカなそうだったら触ってあげる」
銀時は土方の両手をベッドに押し付け、激しく腰を動かした。
「ひああっ!ああっ!ああっ!!」
銀時のモノで前立腺を突かれる度に、強い快感が土方を襲う。
「土方のナカ…気持よすぎ。もう、もたねェな…」
「やめっ!はあっ!!もっ、イキた…ああっ!!」
「うん…このままイケそうだね」
前に刺激がほしい土方は何とかして銀時の拘束を逃れようとするが、快感に支配され上手く力が入らない。
銀時は更に腰の動きを速めた。
「やあっ!!…えっ!?あっ、やめっ!あっ、あっ…あああっ!!」
「うっ、わ…」
一度も触れられることなく土方の前は弾け、その時の締め付けに堪らず銀時も吐精した。
* * * * *
「土方オメーすげェな。ケツだけでイケるなんて、受けの才能あるよ!」
「なにが才能だ…。それを言うならテメーはどっちの才能もねェよ。一から勉強し直せ!」
後処理を終えて、銀時と土方は一つのベッドに並んで横になっている。
もっとも、初めてで無体を強いられた土方は横になることしかできないのだが。
「えー…あんなに善がらせたんだから、俺は攻めの才能あるんじゃね?」
「どこがだよ…。ゴムも着けねェで突っ込んどいて…」
「あー、それは悪かったって。だからちゃんと後始末したじゃん」
「風呂場でもう一発ヤるののどこが後始末だ…」
「ははははは…」
ナカに出してしまった銀時は、土方を浴室へ連れて行き自分の出したモノを掻き出した。
だが、ただ掻き出すだけではつまらないと前立腺を刺激しながら行っているうちに、自分も我慢できなくなり
結局浴室でもう一度繋がってしまったのだ。
「当分の間、下は嫌だ…」
「えー、ダメだって。交代って決めたじゃん」
「じゃあ次に会ったら暫く会わねェ…」
「そんなことしたら、また溜めこんで優しくできなくなるよ?それでもいいの?」
「うっ……テメー、俺が避けてたこと気付いてたのか?」
「まあねー。新八経由でゴリラがお妙んとこ来てるって聞いたから、仕事は忙しくなくなったんだって分かった
。
でも決心つかなくて会いに来れないんだろうから、強引にでも覚悟決めさせてやろうかと思ってな。
銀さんなりの優しさだよ?」
「テメーのどこが優しいんだよ。このドS野郎…」
「だから最中にも言ったじゃん。優しくしようと思ったのに、お前が苛めてほしそうな顔するから…」
「本当に最悪だ…」
「またまたァ〜、最高の間違いでしょ?土方って受けだけじゃなくドMの才能もあるよなっ!
マジで嬉しいんですけど…。俺達って運命の相手じゃね?」
「一遍死んでください、マジで…」
「はいはい。ツンデレもほどほどにねー」
とても楽しそうな銀時と辛そうな土方―それでも幸せな二人の夜は更けていくのであった。
(10.02.08)
銀さんが最低な感じになってしまった…でも、あの、愛故にですよ!一人では決心つけられない土方さんに、最後の一押しをしてあげたんですよ。…一押しというか、付き飛ばした感じですが^^;
そのおかげで土方さんも無事受けられました。今回のことを教訓にして、土方さんはもう少し積極的に受けようとすると思います。というか、この土方さんだと徐々に受ける方が多くなっていく気がします。
最初のうちは本当に交代でヤっていても、銀さんが「次も上がいい」とか言い出したら土方さんは譲りそうです。まあ、二人がいいなら何でもいいと思います。 ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
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