陸
土方と恋人になって数ヶ月。俺達は順調なお付き合いを続けていた。
デートなんていっても飲みに行くか万事屋で会うかくらいだが、お手て繋いで遊園地ってガラでもねェしな。
それに土方は新八達とも上手くいってるみたいだ。
そうそう、少し前にあの二人から何時になったら紹介してくれるんだって言われて、土方をウチの夕飯に招待した
んだ。
…ったく、アイツら勝手だよな?最初に土方がウチに来た時は「二人きりで…」とか何とか言ってたのによー。
まあ、土方は紹介云々なんか気にしてねェみたいだから良かった。
いつも自分が二人を追い出してるみたいで悪いって言ってたしな。
だが、ここへ来て俺たちの関係に少々問題が…。別れの危機とかそういうんじゃねェ。
最初に言った通り、順調なお付き合いを続けている。
ただ一つ、たった一つだけど、今の俺に重く圧し掛かってる問題がある。……夜のことだ。
オメーらも知ってるように―あ?俺達のことがオメーらに筒抜けだってことくらい知ってんだよ―まあとにかく、
俺と土方は最初の時にどっちも「上」を主張して譲らなかった。そんで、いまだ決着がついてねェんだ。
結局、今まで手とか口とかでヤるだけで土方と繋がれてはいない。
手や口でもそれはそれで気持ちイイんだけど、できれば土方に突っ込みたい!でも嫌がるんだよなァ。
以前69やった時、目の前にあった穴をちょっと触ってみたらめちゃくちゃ騒がれて、それから暫くヤらせてもらえなかった。
ほんの少し触っただけなのによー。別に、触ってみて反応がよさそうだったら指入れてみようなんて…思ってたけ
ど。
けど、あそこまで嫌がんなくてもよくね?なァんか、俺が嫌われてるみたいじゃん。
ケツの穴まで触りたいって愛だよ、愛!
…俺は土方のケツの穴まで愛してるけど、俺のケツの穴は愛してもらわなくていい。
土方も同じなんだろうな。
それならこのままで…とも思ってたけど、最近突っ込みたい衝動に駆られている。
何とかしてヤれねェかと色々試してみたが、例のちょっと触った一件以来、土方の警戒が強くなっちまって…
それならと正攻法でお願いもしてみたけど却下された。
こうなったら後はアイツらに頼るしかねェ。
* * * * *
「…というわけで、どうやったら土方くんと一つになれるのかアイデアを募集する」
「銀さん…」
「銀ちゃん…」
「おっ、もう思いついたのか?さすがだな…こういう時は子どもの方が柔軟に考えられるもんだよなァ」
「「………」」
「どうした?どっちからでもいいぞ。遠慮しないで言ってみろ」
ほらほらァと、銀時は新八と神楽を促す。
ハァと溜息を吐いてから新八が口を開いた。
「じゃあ言わせてもらいますけど…そんなコト、僕らに聞かないで下さい」
「そうネ。どっちが突っ込まれるとかどうでもいいアル」
「つれないこと言うなよー。お前ら、今まで色々と協力してくれたじゃん」
「今まで協力したからこそ、今回の件は銀さん一人で何とかして下さい」
「いつまでも私達に頼っていてはダメヨ」
「銀さんだって色々頑張ってみたのよ?でもダメだったからオメーらに…」
「「子どもに聞くな!」」
二人は銀時の言葉を遮るように言い放つ。
それでも銀時は引き下がらなかった。
「なァ、頼むよ。オメーらしか頼れるヤツはいないんだって。なっ?お願いっ!このとーり!」
「「………」」
必死に頼む銀時に、二人も少しなら相談に乗ってあげようという気になる。
「…分かりました。そこまで言うなら一緒に考えましょう」
「本当か!?いや〜、ありがとよ。…で、今まで俺達がどんな方法でヤってきたかっつーと…」
「あっ、それは言わなくていいです」
「言わなくていいというか、聞きたくないネ」
「何だよー。それじゃあ相談にならないじゃねーか」
銀時は不満を漏らすが、子ども達にとってみたら銀時と土方のあれこれなど詳しくは知りたくなかった。
「とにかく、どうやったら銀さんのお願いを土方さんに聞き入れてもらえるのか、考えればいいんですよね?」
「まあ、そうだけどよ…」
「マミーが言ってたヨ…夫婦といえど所詮は他人同士。譲り合う心が大切だって」
「二人は夫婦じゃないけど、譲り合いか…神楽ちゃんの言う通りですよ。
自分の主張ばかりしていてもダメなんですよ」
「…じゃあ俺が折れればいいっつーのか?それが無理だからこうやって相談してんじゃねーか」
「全面的には譲らないにしても、折衷案を考えるとか…」
「お互いに半分我慢すればいいアル」
「半分?……先っちょだけ入れるとか?でも先っちょだけ入れたら全部入れたく…」
「具体的なことは僕らじゃ分かりませんけど、お互いの主張を繰り返すだけじゃ平行線のままですよ」
「それもそうだな…。ちょっと考えてみるわ」
(10.02.02)
中途半端ですが、この後また18禁になるのでココで一旦切ります。続きはこちら→★