※年齢制限していませんがキス描写はありますので、苦手な方はご注意ください。
銀時と土方が恋人同士になって暫く経った頃、気を利かせた子ども達のおかげで二人は
万事屋で初めての夜を過ごすことになった。
譲り合いの二乗
二人は布団の上に向き合って正座している。
互いの緊張感から重苦しい空気が漂う中、意を決した土方が口を開く。
「あ、あの…お前は、どっちがいいんだ?」
「えっ、どっちって?」
「う、上と…下」
「あぁ!えっと…土方は、どっち?」
「おっ俺は……まずは、お前から言えよ」
「いいって。土方から言えよ」
「いや、お前から…」
「…じゃあ、せーので言おうぜ」
「お、おう」
「いくぞ?せーのっ!」
「「………」」
二人の間に気まずい沈黙が訪れる。
先に痺れを切らしたのは銀時だった。
「なんで…言わねェの?」
「お前だって…」
「おっ俺は、その……実を言うと、どっちでもいいから、お前に合わせようと…」
「…実は、俺もだ」
「あっ、そーなの?じゃあ…順番にする?」
「そうだな。それがいい」
「………」
「………」
夜の役割が決まったところで二人は再び沈黙に包まれる。
今度は土方から切り出した。
「あ、あのよ…今日は、どっちが上だ?」
「土方は…どっちが、いい?」
「…だから俺は、どっちでもいいって…」
「おっ、俺だって、どっちでも…」
「………」
「………」
「じゃ…ジャンケン、で決めるか?」
「そっそうだな」
「じゃーんけーん」
「「ぽんっ」」
土方はパーを出し、銀時はグーを出した。
「土方の、勝ちだね」
「ああ。…それで、俺はどっちなんだ?」
「えっ!かっ勝ったんだから、土方が選べば?」
「だから、どっちでも…」
「………」
「………」
先程から話し合いをしているようで、何一つ進展していない。
けれど彼らとて健全な成人である。恋人と一晩一緒にいて「何もしない」という選択肢はないのだ。
この無限に続く譲り合いの連鎖を何とか断ち切れないかと、二人は知恵を絞った。
その時、真選組の頭脳が閃いた。
「な、なァ…とりあえず、ヤってみねェか?」
「えっ?どっちがどっちで?」
「そうじゃなくて…上とか下とか関係ない、例えば…キスとか、身体触るとかよー…」
「あっ、それもそうだな…。入れる以外にも…色々あるよな。じゃあ、まずはキスから…」
「おう…」
二人は互いの肩に軽く手を乗せ、瞼を閉じた。
…そしてそのままの体勢で暫く止まっていた。どうやら互いに相手が動くと思っているらしい。
そのことに気付き、どちらからともなく目を開ける。
「銀時…あの、同時に、動かねェか?」
「そっそうだな。じゃあ、せーのっ!」
互いに相手の肩を引き寄せながら自分の身体も前進させ、漸く二人の唇が重なった。
二人は遠慮がちに歯の隙間から少しだけ舌を差し出し、舌先が相手の舌先に届いたところで止めた。
舌先が触れている状態で、わずかに左右へ滑らせる。
触れ合う唇と舌先からじんわりと温かくなるのを二人は感じていた。
それは快感と呼べるほど強いものではないが、確かに二人の身体を温めていく。
相手の肩に置いていた手が、肩を緩く掴んだ。
「ハァ…」
詰めていた息を吐き、再び舌先だけをそっと触れ合わせる。
また少し身体が熱くなり、また少し二人の手に力が篭った。
―コクッ
口内にたまった唾液を飲み込むと、何かが二人の背筋を這うような気がした。
土方は銀時の首に腕を絡め、銀時は土方の後頭部を押さえるようにして、相手の口内目掛けて舌を伸ばす。
「んっ…」
「ふっ…」
じわじわと広がっていた温かさが確かな「熱」となり、二人は身体が求めるままに互いの口内を堪能する。
「くっ…」
「んっ…」
向かい合って正座している二人は身体を引き寄せるのに足が邪魔で…
唇は重ねたまま足を崩し、それぞれ自分の右足で相手の左足を跨いだ。
足を絡め合い身体を密着させて、クチュクチュと水音を立てながら角度を付けて相手の唇を味わう。
「んんっ…」
「ふぅっ…」
銀時の舌が土方の歯列をなぞると土方の身体がピクリと震えた。
次に土方の舌が銀時の上顎を辿ると銀時の身体がピクリと震えた。
相手の舌が通過する度に身体は熱くなり、ゾクゾクと快感が背筋を這う。
既に身体は密着しているのに更に相手を感じたくて、相手の腰に足を回してギュッと引き寄せた。
「「!」」
ますます身体がくっついたことで互いに相手の身体の変化に気付き、思わず唇を離した。
(10.04.23)
さすがにこれ以上は…18禁です→★