ここから先、15歳未満の方は閲覧禁止です。

15歳以上の方はスクロールしてお進みください。

 

 

 

 

 

     ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が被害者だと思っていたら相手も被害者だった

 

銀時に腕を掴まれたまま、土方は万事屋の玄関を入り、居間兼事務所として使われている部屋まで連れてこられた。

 

「痛ってェな!いい加減、手ェ放せ!」

「あ、ああ…悪ィ」

「……」

「……」

 

2人の間に気まずい沈黙が訪れる。

 

「おい…」

「あ!?な、何か用ですかコノヤロー!」

「用があんのはテメーだろ!馬鹿力で引っ張ってきやがって」

「え、あー、それは…そのー」

「なんだ!?用がねーなら帰るぞ」

「い、いや、ちょっと待てって!オメー何か俺に話すこと、あるんじゃねーの?」

「…い、いや、ねーな。テメーと話すことなんて、ひとつもねーよ」

「あ、そう…ふーん、そういうこと言うんだー」

「な、何だよ…何が言いてェんだよ!」

「べーつにー…そういやあ、一週間ぶりですねー土方くん」

「(や、やっぱりコイツ覚えてんのか!?)あ、ああ…そう、だったか?」

「(あれ?やっぱ、覚えてねーのか?)もしかして、もうボケてんの?マヨネーズのとりすぎじゃね?」

 

「マヨネーズは関係ねーだろ!つーか、一週間ぶりがどうしたってんだよ!!」

「えっ…それは、そのー(何コレ、俺から言うの?)」

「何だよ(やっぱり覚えてやがったのか…つーことは、アレか?謝罪するために連れてきたのか?)」

「いや、あの…えっと…か、仮に…そう!あくまで仮の話なんだが…」

「ああ!?(あの日のことを話すんじゃねーのか?)」

「酔った勢いで、その…アレだ、誰かと一夜を共にしちまったとして…」

「ああ…」

「まあ、その誰かっつーのも、酔ってたみたいで…その、なんというか、ちょっとした事故…みたいな?」

「…何が言いてェんだ?」

「だから、まあ、こういう場合、どっちが悪いっつーわけでもねーし…

ある意味、合意の上っつーことも言えるわけだが…」

「(俺は合意した覚えはねーぞ)…で?」

「いや、でも、やっぱ…どちらかといえば、ヤられた方が被害者っつーか、

負担が大きいっつーか…まあ、そう思わねェ?」

「…ああ、まあ、そうだな」

「だろ?こういう場合、ヤった方が謝罪っつーか…そこまで大袈裟なモンじゃなくても、

何か、メシ奢るとか、そんなんした方がよくね?」

「ああ、そうかもな(何だ、やっぱり謝罪なんじゃねーか)」

 

 

「……」

「……」

 

 

「だったら、さっさと謝ってパフェ奢れやコノヤロー!」

「…ああ!?何で、ヤられた俺がテメーに奢らなきゃらなねーんだ!!」

「ああ!?ふざけんじゃねー!ヤられたのは俺の方だろうがァ!

俺はなー、テメーが中に出したモンの始末であの後大変だったんだぞ!!」

「ああ!?な、中に出したのはテメーだろうがァァァァ!

テメーがぐーすか寝てる間に、俺が風呂場でどれだけ苦労したと思ってんだ!!」

 

「…えっ、あれっ?」

「…な、何だよ」

「お前、今言ったことホント?」

「う、嘘でてめーにヤられたとか言うか!…できれば嘘だと思いたかったわー!」

「…え…マジでか?」

「…そーいやァ、テメーの方こそ、何やら信じられんことを言ってたよーな…」

 

「……」

「……」

 

「えっ…じゃあ、ナニ?俺はてめーにヤられたが、てめーも俺にヤられたって、そういうこと?」

「…信じたくはねーが、そのようだな」

「えっ…だって…あの金は?」

「金?…ああー、アレは宿代だ」

「宿代にしちゃァ多かったじゃねーか」

「俺ァあの宿がいくらかなんざ知らねーから、足りなくないくれーに置いてきただけだ」

「あれっ、そうなの?てっきり、迷惑料込で置いていったのかと…」

「迷惑料って何だよ。だいたい、何があったか全く覚えてねーっつーの」

「それは俺もなんだけどよ…」

「……」

「……」

「…と、とにかく、お互い様だっつーことが分かったんだし、この件はコレで忘れようぜ」

「…お、おう(あれ?何で俺、ショック受けてんだ?)」

「んだよ、歯切れが悪ィな。まだ、パフェ奢れとか思ってやがんのか?」

「いや、そういうわけじゃ…ねえ、けど…」

「…まだ、何かあんのか?」

「(あー、何か分かっちまった)あのさァ…今日、ヒマ?」

「はあ?何だいきなり…ヒマじゃねーよ。最初から仕事中だって言ってんだろ?」

「あ、あーそうか。じゃあ…夜、とかは?」

「…残りの巡回が終われば、まあ…」

「だったら飲みに行かねェ?場所は…そうだな、一週間前の居酒屋で」

「…奢らねーぞ」

「ははっ、ワリカンでいいって」

「それなら…」

「じゃあ、また後でな。仕事の邪魔して悪かった」

「…お、おう」

 

こうして土方は一人万事屋を後にし仕事に戻ったのだが、全く集中できなかったという。

土方がそのワケに気付くのは、もう少し先のお話。

 

(09.07.26)


とりあえずこの話はここでおしまいです。この後、銀さんの積極的なアプローチによって、土方さんも自覚していくんでしょうね…。ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

追記:あの日、実際にホテルで行われていたことはこちら。18禁です

ブラウザを閉じてお戻りください