酔った勢いでホテルに行く2人

※この二人はデキてません

 

 

「今日も皆、お疲れさん!カンパーイ」

「「「カンパーイ」」」

 

今夜は近藤、土方、山崎、その他平隊士数名で居酒屋に来た。

酒の席では無礼講と真っ先にハメを外す近藤を「飲みすぎるなよ」と諌めながら、土方は静かに猪口を傾けていた。

 

「あー銀さん、いらっしゃい」

「よーオヤジさん、久しぶりー」

 

そこへ、独特の服装をした銀髪の万事屋が店の暖簾をくぐってやってきた。

 

「おー、銀時じゃないか!」

「旦那ァ。久しぶりですね」

「ゴリラと…ジミーくんだっけ?」

「山崎ですよっ!いい加減、覚えて下さいよ」

「あーはいはい。…で、そちらの副長さんは随分静かですねー。耳が遠いんでしたっけ?」

「…るせェ。失せろ」

「あ?なんでテメーに指示されなきゃなんねェんだよ」

「うっせェな…。じゃなきゃ遠く離れた席に座れってんだ。酒が不味くなる」

「ああ?オメーがそういうなら逆にめっちゃ近くに座ってやんよ…オヤジぃ!俺の席ココね!」

「てめっ!」

 

銀時は土方と肩が触れ合うほどにくっ付いて座った。

土方はチッと舌打ちひとつして隣の銀時を無視するように酒を呷り続けた。

 

「おいおい…急ピッチで飲み過ぎじゃね?酔って帰れなくなりますよー」

「ああ?テメーと一緒にすんじゃねェよ、クソ天パ」

「ああ?それはこっちのセリフだ!銀さんならそんくらい余裕よ?」

「上等だコラ。じゃあ飲んでみやがれ」

「望むところだ!」

 

近藤や山崎たちに全く構わず、二人は飲み比べを始めてしまう。

相変わらず変な意地の張り合いをする二人に周囲は「またか…」と止めることもしない。

 

 

一時間後。

 

「オヤジぃ!酒追加ァ!」

「銀さん…もうその辺でやめときなって。土方さんも、ほら…潰れちゃってるし…」

「あんだとぉ?俺はまだまだいけるぜ…。俺にも酒追加…」

「もうダメですって!」

「よし…じゃあ土方もう一軒行くか?」

「上等だコラ!」

「ちょっ…トシぃ!?」

 

肩を組んでフラフラになる身体を互いで支えながら、銀時と土方は居酒屋を出た。

残された隊士たちはその様子をポカンと眺め、近藤は「トシが、トシが、行っちゃったー」とグズグズ泣いていた。

 

 

*  *  *  *  *

 

 

かぶき町の歓楽街を肩を組んで歩く酔っ払い二人―万事屋銀ちゃんと真選組の鬼副長―は

ののしり合いながらフラフラと進んでいた。

 

「てめー、もう俺に支えてもらわないと歩けないんじゃねェの?銀さんは大丈夫だけど」

「いやー俺は大丈夫だ。支えてもらいてェのはそっちだろ?」

「ナニ言ってんの?銀さんまだまだ余裕だから…」

「あ?俺なんかまだまだまだ余裕だから…」

「じゃあ銀さんはまだまだまだまだ余裕…」

「俺はまだまだまだまだまだ…」

 

そんな小学生レベルの言い争いをしながら、二人はある建物の前でふと足を止めた。

そこは、所謂ラブホテル。

 

「ナニ?副長さん、もう歩けないから休んでいきたいの?」

「ああ?俺はテメーが止まったから止まっただけだ。休みたいのはテメーだろ?」

「いやいや…無理すんじゃねェよ。銀さん優しいから介抱してあげるよー…金もらえれば」

「こっちこそ酔っ払い対応も仕事のウチなんだよ。テメーがそんなにフラフラなら仕方ねーから介抱してやるよ」

「俺が介抱してやるっつってんだろ…」

「いや俺が介抱してやる…」

 

結局言い争いを続けたまま二人は建物の中に入っていった。

部屋に入ると銀時はボスンとベッドに突っ伏し、土方は備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲んだ。

 

「おい…水飲むか?」

「…飲む」

 

土方の問いかけに銀時がゆっくりと起き上がる。

土方が目の前に水のボトルを差し出しているのだが、焦点が定まっていない銀時はボトルを取ることができない。

 

「テメー…水、渡す気あんのか?」

「オメーがフラついてっから取れねェんだろうが…仕方ねーな」

「あ?ちょっ、テメーだけ飲んでんじゃねーよ!……んうっ!」

 

再びボトルに口を付けて水を流し込むと、土方は飲み込む前に銀時に口移しで水を飲ませた。

 

「おら…水、飲めたかよ。クソ天パ」

「ああ?足りねェよ…もっとよこせ」

「んんっ!」

 

立ち上がってグイと土方の襟ぐりを掴んで引き寄せると、今度は銀時から口付ける。

土方の舌をチュウチュウと吸い、チュポンっと音を立てて口を離した。

 

「てめっ、何しやがる…」

「水が足りねェからテメーのを吸ってやった」

「上等だ…今度はテメーのを吸ってやる」

「んんっ…」

 

銀時の頭を両手でガシッと掴み、土方から口付ける。チュウと吸って離すと再び銀時から土方に…

こうして何度も互いに唾液を交換しているうちに、だんだんと身体が火照ってきた。

 

「なんだ…副長さん勃ってんじゃねーの。溜まってんの?」

「オメーだって勃ってんじゃねーか。抜いてやろうか?」

「あん?俺が抜いてやるって言ってんだよ…」

「いや、俺が抜いて…」

 

いや俺が、いやいや俺が…そんな言い争いをしながら自ら服を脱ぎ、互いの猛る一物を握りしめた。

 

 

「はっ…うっ…くぅっ!」

「ど、した…万事屋。手…止まって、んぞ」

「お前、こそ…先走り、漏れてん、ぞっ」

「くっ…ふっ…よ、よゆう、だっ」

「お、れだっ、て!」

 

 

互いの一物の先端からは先走りの雫がダラダラと零れ、扱く度にヌチャヌチャと淫靡な音を立てていた。

そして、先に限界を迎えたのは銀時であった。

 

 

「あっ!もうっ…くっ、うっ…っ!」

「へへっ…イッたな」

「あー、くそっ!ウチにはガキがいるから最近抜いてなかったんだよ…」

 

銀時がパタリとベッドへ倒れると、土方は掌で受け止めたモノを指に塗して銀時の後孔を撫でた。

 

 

「ひっ!て、てめー、何してやがるっ!」

「あ?俺はまだイッてねーんだ…協力しやがれ」

「きょ、協力って…あっ!えっ?何ソコ…やっ!ああっ!」

「ココか…おー、もう回復してきやがった」

 

 

土方が指の腹で前立腺を押すと、萎んでいた銀時のモノが再び膨らんでくる。

土方は指を二本に増やすと前後に揺すったり前立腺を刺激したりした。

そうして入口が充分に解れたところで指を引き抜き自身をゆっくり挿入する。

 

 

「あっ…くっ…きっつ…」

「くっ…力、抜けって」

「んなこと…言っても、はぁ…加減が、わかんねェ…」

「ふっ…はぁ、はぁ…なんとか、入ったぞ…」

「マジでか…ちょっ、苦しっ!ああっ!」

「はっ、くっ…こ、れは…もたね、な」

「ああっ!待っ!…動く、なぁっ!」

「うっ…締まっ……はっ!!」

 

 

ビクビクと下腹部を痙攣させながら土方は銀時のナカに放った。

放心状態でベッドに突っ伏している土方に銀時が呼びかける。

 

「おい…今度はコッチが勃ったままなんですけどー」

「知るか…俺は疲れたから寝るぞ…」

「んな勝手なことが許されると思ってんのか?テメーもケツ貸せや!」

「ちょっ、待っ…んんっ!」

 

 

うつ伏せている土方の腰だけ持ち上げ、銀時は指を一気に挿入する。

その後、先程自分がされたのと同じように二本の指を使って後孔を解し、自身を挿入してナカで果てた。

 

 

 

酔った勢いで繋がり合った二人は、後処理もせずに眠ってしまった。

そして翌朝、この夜のことをスッカリ忘れた二人は、身体に残る痕跡に衝撃を受けることとなるのだ。

 

(09.09.26)

 


この翌日の話が「酔って一夜を共にしてしまった2人」です。酔って一夜を…は一人称で話が進んでいたので、今回は三人称にして「あの時なにがあったのか」を書いてみました。

日頃からつまらないことで張り合っている二人は、泥酔しても張り合ってるといいな。 ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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