「上」を賭けて勝負!

 

「勝負だ土方」

「上等だコラ」

「「先にイった方が下だからな!」」

言いながら二人は自身の着物を脱いでいく。お互い一糸纏わぬ姿になったところで、布団の上に向かい合って座った。膝を立て、脚を開き、自分の右脚を相手の左脚に絡める―股間を突き合わせるような形で座り、不敵な笑みを浮かべて見つめ合っている。

この二人―坂田銀時と土方十四郎―はいわゆる恋人同士という関係である。どこをどうしてこの二人が交際に至ったかは別の機会に話すとして、今は二人きりで甘い夜を過ごそうとしているところである。甘い時間の前にこうした勝負があるのは珍しいことではない。どちらが上になるか…その場の雰囲気や話し合いで決まることもあれば、勝負で決めることもある。その勝負というのが時にじゃんけんであったり、腕相撲であったり、時には斬り合いなどという物騒なものになったりもする。

そして今回は「どちらが早く相手をイかせるか」で決めるようである。

銀時が土方の、土方が銀時の一物に手を伸ばし、更に身体を近付ける。

「銀さんのテクでメロメロにしてやっからな」

「はっ!それはこっちの台詞だ」

「じゃあ始めるか」

「ああ」

チュッと軽い口付けを交わして二人は互いのモノを愛撫し始める。銀時は右手で上下に扱きながら左手の指で先端の割れ目をつっとなぞる。

「くっ…ふっ…」

「おやー土方くん、ずいぶん良さそうですねー」

「…っざけんな」

土方も負けじと銀時のモノを上下に扱き、親指と人差し指で円を作るとそれで括れの部分をくるりと刺激する。

「うっ…くっ…」

「なんだ銀時…てめーも良さそうじゃねェか」

「…っるせェ」

二人分の荒い息遣いとシュッシュッと一物を擦る音が室内に木霊する。

「…じかた、て、めーの、もう…カチカチだ、ぞ…」

「…めーだって、いき…上がってんじゃ、ねェ、か…」

「お、れは…まだ、よゆーだって…」

「あ?これでも、か…」

「あっ!」

土方が銀時の先端に指先を捻じ込むと銀時の身体がふるりと震え、先端からは先走りの液が零れた。

「あっ…くうっ…」

「銀時ィ、降参すっか?」

「ま、だまだ!」

「うぁっ!」

銀時が裏筋をツッと撫でながら土方の先端に指先を捻じ込むと、こちらからも液が漏れる。互いの先走りを潤滑剤にして、クチュクチュと扱く速度を上げていく。

「…んとき、くっ!…て、めー…もっ、びちょびちょだ、ぜ…」

「そ、れは…こっち、の…あっ!…せり、ふだ…」

「さっさ、と…降参し、ろって…はぁ!」

「…めーこそ、限…界なんじゃ、うっ!ねェの…」

「…に言っ、てやがる。はっ!…おれは、まだやれ、る」

「だったら…うっ!これで、どうだ…」

「なっ…そこ、は、あぁ!」

片手を土方のモノから離し、土方の乳首を摘まむ。刺激によって一瞬土方の身体が後ろへ離れたが、銀時が背中を抱き寄せ元の位置に戻すと再び胸へ手を置く。土方のモノを激しく上下に擦りながら、もう一方の手で乳首を摘まんだり軽く引っ掻いたりすると、土方から制止の声が上がる。

「やっ…めっ!そこ、だめ!」

「じゃっ、降参する?」

「だっれが…するかっ、よ!」

そう言うと土方は銀時の首に顔をうずめると、ペロッと首筋を舐めた。下から上に舐め上げると、今度は鎖骨へ下りて行って舐めながら軽く歯を立てる。その間も銀時のモノを上下に扱き、先端に爪の先を捻じ込む。

「…じかたっ、舌…なんて、反則…はぁっ!」

「もう…限界、か?…うっく!」

「冗談言う、なよ…あぁっ!」

「じゃあ…続け、るぜ…あぅっ!」

互いのモノは既に限界を迎えていて、ただ相手に負けまいとする気力だけで達するのを耐えていた。

「ひ、かたっ!降、参…しろって…っ!うぁっ!」

「ぎん、きこそ…ムリ、してんじゃ…ねっ!あっ!」

「ムリ…じゃ、ね…うっ…あぁ!」

「…ら、早、く…イっ、け!あぁ!」

ビクビクと身体を震わせながら、互いの肩口に顎を乗せてハァハァと熱い吐息を零す。その間も相手のモノを扱く手を止めない。最初の頃より身体が密着したことで扱く際に互いの手が当たり、どちらからともなく二人のモノを一緒に握り、同時に扱くようになった。二人はラストスパートとばかりに激しく手を動かしていく。

「あっ、はっ…じかた、ひじかたっ!」

「…んときっ!ぎんとき、あぁ!はぁっ!」

「はぁ、はぁ…あっ、あっ…」

「んんっ…はっ、はっ…」

「「……くっ、あああ!!!」」

ほぼ同時に二人のモノから白濁液が飛び散った。激しい絶頂により二人は抱き合ったまま動くことができず、忙しない呼吸を繰り返していた。

 

*  *  *  *  *

 

「なあ…結局どっちが勝ったの?」

呼吸が整い、軽く体を拭った後で銀時が尋ねる。

「知るか!…つーか、俺ァもう疲れたから寝るぞ」

「ちょ、ちょっと待てよ!せっかく朝まで一緒なんだから、一回くらい合体しよーよ!」

「…俺は動かねェからな」

「じゃあ…俺が動くならヤってもいいの?」

「勝手にしろ」

「はーい」

(09.09.06)

photo by LOVE JUNKIE

何となく二代目拍手分の続きのようなものです。この後は銀土になります。よろしければどうぞ後編