後編
銀時は土方の布団を剥いで、唇を重ねた。舌先で土方の唇をペロリと舐めると、閉じていた唇が僅かに開く。その隙間から舌を差し入れ、土方の舌と絡め、口内を愛撫し、歯列をなぞる…その度に土方からは甘い吐息が漏れる。 「んっ…ふぅ……んうっ……はぁー」 「……」 「…ぎんとき?どうした?」 「い、いや別に…」 快感に潤んだ瞳は焦点が定まっておらず、唇は薄く開かれたまま銀時の唾液で濡れていて、頬は桜色に染まり…唇を離した時の土方の表情があまりに妖艶で銀時は一瞬動きが止まる。不審に思った土方の声によって銀時は我に返り、愛撫を再開する。 肩口に顔を埋め、先程土方がしたように首筋を下から舐め上げ、鎖骨を甘噛みする。 「はんっ…くぅ…」 「おめーもココ弱いのな」 「…るせェ」 「まあまあ…大人しく感じててよ」 「んっ!」 銀時の手が胸元に来ると土方の息が一瞬止まる。 「なあ…ココ触ってほしい?」 「…勝手にしろ」 「じゃあ触ってあげなーい」 「―っ!」 土方の胸筋の膨らみにそって手を這わせるが、肝心なところには触れようとしない。胸の中心ギリギリのところに指が当たると土方はヒュっと息を飲む。銀時は喉の奥でクックと笑うと今度は同じ場所に舌を這わせていく。 「―っ、ぎ、ぎんときっ!」 「んーどうした?」 「…も、そこっ、やめっ…」 「…触ってほしい?」 「べ、つに…」 「あっそ」 素直に求められないことなど分かっていて銀時は尋ねる。そして土方からのオネダリがないことに拗ねたふりをして別のところへ舌を運ぶ。胸と胸の間を通って下へ…臍の周りをクルリと舐めてまた上へ。すると土方の下肢が再び頭を擡げてきた。 「ふーん…こんなんでもイイんだ」 「なっ…やめっ…」 銀時は土方の脚を左右に大きく開いて勃ち上がりかけた一物を見つめると、土方の頬がカッと赤くなる。その姿にニヤリといやらしい笑みを浮かべながら、銀時は持ち上げていた右のふくらはぎにチュッと吸い付く。舌を使い、時折軽く歯を立てて足首から膝までを丹念に愛撫する。その度に土方のモノはピクリと反応する。 「すげェな…こんだけでも勃つんだな」 「はっ…あ…」 「なんかヨさそうだから…このままでいいか」 「あっ…や…」 土方の返事を無視して銀時は脚への愛撫を続ける。太股を撫でながら足の裏を舐め、足の指を一本一本丁寧にしゃぶっていくと、土方の背中がゾクリと震えた。 「はっ…も、やめ…」 「そんなこと言ってェ…お前のココ、よだれ垂らしてんぞ?」 「ひ、んっ」 ピンっと土方の一物の先端を弾くと小さな悲鳴が聞こえた。土方の一物は完全に勃ち上がり、だらだらと零れた液が幹を伝って後ろの蕾を濡らしていく。その刺激にすら感じるのか、土方の先走りで濡れた後孔はヒクヒクと開閉を繰り返していた。 「おー、後ろヒクついてんぞ?ナニ、もう欲しくなっちゃった?」 「…るせっ」 「あんまり頑固だと辛ェのはテメーだぞ?」 「ふんっ…」 「あーそう。ドMの土方くんは辛い方がいいワケね…」 「誰がドMだっ…」 「じゃあシてほしいこと言えばー?銀さん優しいから言ってくれれば全部シてあげるよー」 「―っ!」 話しながらも銀時は後ろの入口をクルクルとなぞり、土方の先走りを塗り広げていく。刺激を求めて土方の腰が無意識に揺らめくが、それでも銀時の手は肝心な所に触れない。 「た、のむ…!もっ…さわ、て…」 「んー、どこを?」 「どこ、て…」 ここまで焦らされると、土方はイけさえすればどこを触ってくれてもいいと思っていた。だがそれでは銀時が許してくれない。土方は朦朧とする意識の中、懸命に銀時が望む応えを考える。 「いれ、て…ぎん、ときの…ちょう、だい…」 「俺の…ココにぶち込んでほしいの?」 「はぁっ!」 ココ、と言いながら入口の皺を強めに擦ると土方が快感に喘ぐ。喘ぎながらも土方は、コクコクと必死になって頷く。銀時は満足気に微笑むと土方の頭を撫でる。 「じゃあ銀さんの、土方のお口で大きくしてくれる?」 「んっ」 土方はゆっくりと身体を起こし、胡坐をかいて座った銀時の元に行くと、銀時が「ちょっと待って」と制止する。 「俺、横になるからさ…土方はお尻こっちに向けて跨ってよ」 「えっ…」 「早く入れてほしいんだろ?」 「それは…そう、だけど…」 「だったら、お前が俺のをシてくれる間に、俺がコッチを解しとけばいいんじゃね?」 そう言って銀時はスルッと土方の尻を撫でた。ヒッと短い悲鳴を上げて土方は渋々従う。横になった銀時に跨り、尻が銀時の目の前に来るようにする。 「おー!いい眺め」 「くそっ…」 「…文句言うなら、入れてやんねェぞ」 「あっ…やっ!」 「ははっ…じゃあ銀さんの咥えてねー」 「んっ…」 既に半ばまで勃ち上がっていた銀時のモノをパクリと咥え、唾液を塗してジュルジュルと啜っていく。 「はっ…きもちーよ、土方…」 「ん…んんっ!」 銀時が自分の唾液で濡らした指を一本挿入すると、土方からくぐもった喘ぎ声が聞こえる。尚も奥へ指を挿入し、土方の性感帯を探していく。 「この体勢と、分かり辛ェな…ココか?」 「んんっ…あっ!」 「おっ、ココか!」 「はっ!あっ!ああっ!」 「おいおい…おめーばっか感じてねェで、俺のもちゃんとシろよな」 「あっ…んくっ!ふっ…んっ…あぁ!」 再び銀時のモノを口に含み動こうとするが、すかさず銀時が指を増やしたため、またもや土方は動けなくなる。焦らされていた分、いつもより感度が上がり、土方は銀時のモノを握り締めたままフルフルと震えていた。 「はぁっ!あぁ!…あぁっ!」 「土方ァ…俺のもヤって」 「あぁっ!む、ムリっ!も…イク!」 「ったく…イクなら銀さんでイってね」 後孔から指を外し、土方の体勢はそのままにズルリと自分の身体を抜くと、後ろから一気に土方を貫いた。 「あああっ!!!」 「…入れただけでイったよ。焦らしプレイすげェな。…そんなにヨかった?」 「っるせェ…」 「はいはい。銀さんはイってないからもう暫く付き合ってねー」 「あっ、ちょっ…もう、少し…待て…」 「ムリでーす。銀さんもう待てませーん」 「はうっ!やぁっ!待っ…あぁっ!!」 達した余韻が冷めやらぬうちに銀時は律動を開始する。快感で力が抜けて、腰が落ちそうになる土方を支えながら、グッグッと前立腺目掛けて突いていく。 「うぁっ!…ああっ!やっ…ダメっ!!」 「やっべ…いつもより締まる…くっ」 「ああっ!はぁっ!!」 「くっ…ひじかた、ちょっとコッチきて…」 銀時は土方の腹に腕を回すと、繋がったまま土方を抱き起こした。足を崩して座った銀時の上に土方が座る、いわゆる背面座位の格好になった。 「はぅっ…ふ、ふかいィ!」 「うっわ…根元までズッポリ入っちまった」 土方の重みで普段より深く銀時のモノが納まる。銀時は土方ごと腰を揺らした。 「はぁ!あぅっ!ああっ!!」 「くっ…はっ!も、もたねェ…」 「はぅあっ!!」 自身の限界を感じ、銀時は土方の前に手を伸ばすと腰を揺らしながら激しく扱き出す。前と後ろから同時に強い刺激を受けた土方は、今にも弾けそうに全身が強張る。 「ああっ!あっ、あっ、あっ…はぁっ!!」 「うっ…くっ……も、ダメだっ!」 「あぅっ!んあっ……あああっ!!」 「あっ…くっ…んんっ!!」 土方が達した直後に銀時も達し、二人はハアハアと肩で息をしながらドサリと布団に倒れこんだ。 (09.09.06) photo by LOVE JUNKIE 本来の意味でのやおい(ヤマなしオチなしイミなし)小説ですね。いきなり始まっていきなり終わるという…そもそもココは何処なんでしょう(笑)?こんな話をここまでお読みいただき、ありがとうございました。 ブラウザを閉じてお戻り下さい |