土魂 第四訓(銀土版):重要なのはアレより愛


「なっ、何だ!?地震か!?」
「…ぎん、とき?」
「えっ?…ひじかた?」
「「お前、どっちのヤツだ?」」

揺れを感じた銀時が布団から起き上がると、隣の布団には見慣れた恋人の姿。
けれど見ただけでは本当に自分の恋人かどうか分からない。…それは土方も同じようだ。

「えっと、俺は攻めの銀さんだけど…そっちは?」
「銀時…戻って来れたんだな!」
「じゃあ…俺の土方くん?」
「あ、ああ」
「良かったァァ!会いたかったよー、土方くん!」
「お、俺もだ…」

銀時は土方に飛びついて抱き締め、土方も銀時の背に腕を回す。
だが銀時はすぐに身体を離した。

「今、何時!?」
「はぁ?」

折角の再会を味わうことなく離れていく銀時に土方は僅かに顔を顰めるが
銀時はそれに気付かず慌てて時刻を確認する。

「セーフ!!」
「…何が?」
「土方くん、お誕生日おめでとう!」
「あっ…」

時刻は零時五分前。銀時はギリギリ五月五日中に元の世界へ戻れたのだった。
銀時は再び笑顔で土方を抱き締める。

「あの…メシ、美味かった。ありがとう」
「感謝するのは俺の方だよ。…生まれてきてくれてありがとう」
「ど、どういたしまして…」
「それと、土方くん同士の絡みは最高にエロかったです。ありがとう」
「みっ、見てたのか?…もしかして、またテレビか?」
「そっ。土方(攻め)の手であれだけ感じるってことは、自分でする時もあんな風に乱れちゃうんでしょ?」
「なっ!」

土方の顔がカッと染まった。

「かーわーいーいー!…あー、土方くんが一人でするとこ、見たいなァ」
「絶対ェにイヤだ!」
「今日は誕生日だから嫌がることはしないよー。…あっ、疲れてるから早く寝たいよね?
じゃあ、一緒の布団で寝よう」
「あっ…」

銀時は先程まで自分が寝ていた布団から、いそいそと枕を持って土方の布団に置いた。

「さあさあ、早くおいで」
「あ、ああ…」

銀時に促され、土方も同じ布団に入る。
すると腰の下に銀時の腕が回りこんできた。

「土方くんの誕生日に会えて、本当に良かった。…おやすみ」
「あ、あの、銀時…」
「ん?」
「その、えっと…」
「どうしたの?誕生日なんだから、我侭言っていいんだよ」
「もう、六日になったから…」
「いいって。朝起きるまでは誕生日」
「でも、その…俺は、ご馳走作ってもらったから、もう…」
「あれくらい気にしなくていいって。ほら、遠慮なく言っていいよ」
「だから、あの…俺は、充分もらったから、今度は、お前の番…」
「土方くん?銀さんにそんな気を遣うことないんだよ」
「でも、その…」

何か言いたそうなのは明らかだが、土方はなかなかそれを口に出さない。
銀時は体ごと土方の方を向き、両腕で抱き締めた。

「大丈夫だから、言ってごらん?」
「そ、その…おっお前が、ヤりたいなら…」
「…もしかして、土方くんもヤりたい?」
「………」

恥ずかしさのあまり土方は頭のてっぺんまで布団を被ってしまう。
銀時はくすりと笑って自分も布団の中に潜り込んだ。

布団の中で銀時は土方を後ろから抱き締め、耳元に息を吹きかけながら話す。

「ねェ…どうしてシたくなったの?」
「…最近、お前と会ってなかったし…」
「今日休むために仕事頑張ってたもんね。…でもさっきヤったばっかじゃん」
「あれは…お前じゃねーし…」
「でも同じ土方なんだからイイ所分かってるでしょ?それに…」
「…それに?」
「ちょっと…ちょっとだけど、土方のって俺のよりデカいじゃん。…ほんのちょっとだけど」
「大して変わらねェよ」
「そりゃあ、ちょっとの差だけど、でもさァ…」
「だいたい…俺は大きさがどうとかじゃなくて、お前のが、ぃぃ…」
「土方…」

銀時は嬉しくなって土方を抱き締める腕に力をこめた。


(10.05.05)


お待たせしました!次は銀土エロです