後編
子どもたちが去った万事屋では土方が夕飯の後片付けをして、銀時が風呂の支度をしていた。
後片付けを終えた土方は、銀時のいる脱衣所に向かった。
「銀時…終わったぞ」
「…風呂も準備できたから入れば」
「なあ銀時…そんなに怒るなよ」
「…るせェ」
土方は銀時を抱き寄せて耳元で「悪かった」ともう一度謝った。
「ふあっ!!」
抱き締められた瞬間、銀時は全身に電流が走るような鋭い快感を覚えた。
久しく触れられていなかった身体は、銀時にとっても信じられないほど敏感に土方を求めているようだ。
「お、おい…どうした!?」
「あ…ぁ…」
急に叫んだ銀時に、土方は額に手を当てて熱を測ったり、首筋に触れて脈を確かめたり、背中をさすったり…
銀時を心配しての行為であると頭では分かっているはずなのに、身体は全てを快感と認知し、立っているのがやっとだった。
「ぎ、銀時?」
「もっ、触んなっ!」
土方の手を振り払うと、銀時はその場に蹲った。
自分自身を抱き締めるようにしてハァハァと荒い呼吸を繰り返す銀時に、土方は寄り添うようにして隣にしゃがむ。
土方の手が銀時の肩に触れると、銀時の身体がビクンっと跳ねた。
「お前…どっか、具合悪いのか?」
「うっせェ…。触んなって…言っただろ…」
「んなワケにいかねェだろ。ちょっと見せてみろって…ん?なんだ?腹でも痛ェのか?」
「ちょっ…やめっ…あっ!」
「お、まえ…勃っ!」
「みっ見るなァァ!!」
蹲ってる銀時の身体をやや強引に開かせると、服の上からでも分かるほどパンパンに張り詰めた下半身が目に飛び込んできた。
銀時は真っ赤になって土方の手から抜け出し、再び蹲ると今にも泣きそうな声で話し出す。
「サイアクだ…。オメーが全然、連絡よこさねェからっ…。俺…オメーじゃねェと、ダメ、なのにっ…オメーが…」
「銀時…本当に悪かった。寂しい思いさせちまって。…今日は、お前が欲しいだけやるからな」
「もっ、今までの分、全部…よこせっ」
「ああ…。実は俺も…お前に触りたくて仕方なかった」
「んっ!…んうぅっ!!」
口付けられた直後、銀時のモノは服の中で弾けた。
「くそっ…服、汚れちまったじゃねェか…」
「すげェな…キスだけでイケんのかよ」
「だから、それはテメーが…」
「そうだったな…。俺が暫く触ってやれなかったのが悪ィんだよな」
「そ、そうだっ」
「よし…じゃあちゃんと触ってやっからな」
土方は銀時の帯を解くと一枚一枚丁寧に脱がせていく。
それすらももどかしくて、銀時は途中から自分で脱ぎ、土方の着流しも脱がせた。
「はっ、あ…ぁ…」
裸で抱き合っているだけで銀時の呼吸は乱れていく。
土方は銀時の背中に回していた腕を下ろし、そっと後孔に触れた。
「ひあぁっ!!」
軽く後孔に触れただけだったが、銀時は全身を強張らせて悲鳴じみた嬌声を上げた。
「だっ、大丈夫か?」
「大丈夫じゃ……んっ…ねェよ!なんだよ、これっ…」
「…んなに気持ちイイのか?」
「はうっ!!…いいって、レベルじゃねェよ。もっ、やめろっ!」
「…やめられるワケねェだろ。俺だって、我慢してたんだ…」
「やっ!やめっ…いれんな、あうぅっ!!」
土方の指が一本挿入されただけで銀時は背を仰け反らせ、一物からは雫が零れ出した。
銀時は胡坐をかいて座る土方に抱き付き、喘ぐことしかできなくなる。
「ひあっ!…あうっ!あぁっ!…もっ、だめっ!また…」
「いいぜ…イケよ」
「あっ、あっ…やっ…っあああ!!」
「イッたな?じゃあ、指増やすぜ」
「えっ?待っ、あっ…ひああっ!!」
達した直後にナカの指を二本に増やされ、前立腺を刺激されると再び銀時のモノが勃ち上がる。
銀時の乱れる姿に、土方も我慢の限界だった。
「銀時…もう、入れていいか?」
「なんでも、いいからっ…早くっ……あああっ!!」
「くぅっ…すげェな…」
「あっ…はあっ!ああっ!ああっ!」
土方のモノが挿入された途端に達した銀時だったが、それでも足りないのか土方にしがみついたまま腰を揺すりだす。
それに合わせて土方も腰を突き入れると、二人を強烈な快楽が襲った。
「くっ、はぁっ…ぎ、ぎんとき…もうっ!」
「い、いいよっ!出して!ナカに、いっぱい…出してぇ!」
「うぅっ…くっ!!」
「はぁ…あっ、あっ、あっ…ああぁ…」
土方の精を恍惚の表情で銀時は受け入れた。
だが一度放った程度で治まるはずもなく、土方は再び腰を動かした。
* * * * *
脱衣所で濃厚な交わりをした二人は、そのまま浴室で身体を清めた。
現在は、和室に敷いた一組の布団の中に二人で抱き合うようにして入っている。
「土方、あのさァ…今年の目標、決めてるか?」
「目標?んなモン考える余裕もなかったな…」
「じゃあさ…もっと仕事を頑張る、とかにしねェ?」
「テメー…俺に会えなくて泣いてたくせに、もっと仕事しろっつーのかよ」
「泣いてねェよ!…つーか、そういうことじゃなくてさ…」
「どういうことだよ」
「もっと…仕事、頑張って…早く終わらせて、会いにくれば、いいじゃん…」
「銀時…。そうだな。そうする…」
「…絶対だぞ!もうこんな…カラダ、おかしくなるまで放置とか…ナシだからな」
「ああ…任せろ。今年はもっと仕事頑張って、もっともっとお前に触ってやるからな」
「…おう」
「じゃあ…」
「「今年もよろしく」」
布団の中で口付けを交わした二人は、再び睦み合うのだった。
(09.12.23)
というわけで、土方さんの2010年の抱負は「仕事を頑張る」に決定しました(笑)。銀さんに会うため頑張って働くことでしょう。…というか、年末にアップする作品じゃないですね^^;
ここまでお読み下さりありがとうございました。メリークリスマス!そして、よいお年を。
それから、クリスマス話があまりにも酷かったので、もう少しちゃんとしたクリスマス話も書きました。銀土にも土銀にもなっていない清い関係(?)の二人の話です。よろしければどうぞ→★