後編
「あの…本当にゴメンね。」
ベッドの上で正座し、銀時は改めて土方に謝罪する。
「ったく…俺が浮気なんてできるわけねェじゃねーか…」
「うん。そんなことする人じゃないって思ってたんだけど…俺の頭ン中にいる小っさい土方くんが、
新八のこと好きだとか言い出すから…」
「は?テメーの妄想を俺のせいにすんな。」
「悪いのは頭の中にいる小悪魔土方くんであって、お前じゃないよ。」
「…だから、その小さい俺ってのは、テメーの妄想の中の俺だろーが!」
「違うよ〜。小さい土方くんはね、寂しい夜とかに何処からともなく現れて、エロい格好で俺のことを
楽しませてくれる妖精さん的な存在なんだよ。それなのに、昨日は俺を苦しませるようなことばっか
言うんだぜ?全く…困ったもんだよなァ?」
「………」
呆れてものも言えないとはこのことかと土方は思った。
「そんなのは全部テメーの匙加減一つじゃねーか…。困ったのはテメーの頭の方だ。」
「分かってないなァ。小さい土方くんも本家に負けず劣らずツンデレだからね。本家より若干デレが
強いけど、そう簡単に俺の言うこと聞いてくれないわけよ。そんな土方くん(ミニ)を、どうやって
俺好みにするかってところに醍醐味があるわけよ。」
うんうんと頷きながら得意気に話す銀時を、土方は冷ややかな態度で見ていた。
「あれっ…どしたの?黙っちゃって。…もしかして、ミニ方くんにヤキモチ?心配しなくていいよ〜。
俺は大っきい土方くんの方が好きだから。」
「いや…今後はずっと、小さい俺とやらに相手してもらえよ…」
「何言ってんの?ミニ方くんは触れないんだよ?それなのに妬いちゃって可愛いなァ、もうっ。」
「ていうか、キモイから俺にも触んな。」
「またまたァ〜…エロい貌して誘ってくれたくせにぃ〜……あ、あれっ?」
銀時から距離を取り、ベッドの端へ移動した土方の瞳には、ここへ来る前の様な艶が見られなかった。
「えっ、何で?さっきまでのエロ方くんは何処へ?」
「テメーのおかげで治まった。…ありがとな。」
土方はベッドから下りて出口に向かう。
銀時も急いでベッドから下り、土方に後ろから抱き付いた。
「待ってよ!」
「触んなっつっただろ…離せ。」
「離したら逃げるでしょ!?」
「誰が逃げるか!…用がなくなったから帰るんだよ。」
「まだ何もしてない!」
「だからその気がなくなったんだ…テメーのおかげでな。」
「俺はバッチリその気だから!これっぽっちも治まってないから!むしろ高まってるから!!」
「…ミニ方とよろしくやれや。」
「無理無理無理無理無理〜!!」
「離、せっ!!」
土方は渾身の力を振り絞り、銀時にしがみ付かれたまま、一歩、また一歩と出口へ近付いていく。
「あっ、だめ!」
「痛ッ!」
土方の右手がドアノブに掛かる寸前、銀時は手首を掴んで扉上部へ押し付けた。
その際、勢い余って前のめりになった銀時に押され、土方は額を扉に打ち付けてしまったのだ。
「てんめ…」
「ごめんごめん。」
「絶対ェ帰ってやる!」
「ちょっ…謝ってるでしょ!?」
「おい!それが謝ってるヤツの態度か!」
銀時はこれ幸いと、土方の身体を扉に押し付けていた。
二人の身体がぴたりと密着する。
「てめっ…この状態でよくも…」
「気分が高まってるって言ったでしょ〜。」
腰の辺りに硬くなったモノを押し当てられ、土方は銀時から逃れようともがく。
けれど、扉と銀時に挟まれた状態では抜け出すことが難しく、それどころか土方の動きに合わせて、
腰に当たったモノが更なる成長を遂げてきた。
「こ、の…変態!」
「土方くんがお尻フリフリして刺激するからでしょ〜。」
「ンなこと、してねェ…離せ!」
「あ〜…、もう無理。我慢できない!」
「はぁ?…なっ!やめろっ!」
銀時は土方に密着したままで、器用に土方の着物の裾をたくし上げる。
「土方くん、出張から帰って漸く会えたんだよ?それなのに昨日は何もできなかったし…」
「それはテメーが…」
「うん…。本当にごめんね。」
「…分かれば、いいんだよ。」
「ありがと。では…」
「ここでか!?」
怒気が下がったのを感じ取った銀時は、少しだけ身体を後ろに引いて土方の圧迫を解き、
土方の下着の中へ後ろから手を入れた。
銀時の手が土方の割れ目を辿り、入り口に触れる。
「あっ!」
「土方だって久しぶりでしょ?それとも、小っさい銀さんにお世話になってた?」
「ンなもん…いねぇっ!」
「だよね〜。お前、自分でココ弄ったことないだろ?」
「やる、わけなっ…!」
「ヌくだけなら前でいいもんね〜。でも、そうやって暫く後ろ使わないとさァ…」
「あぁっ!」
銀時の指が土方の中へ侵入した。
その瞬間、土方の脚がガクガクと震え出す。
「てめっ…なに、し…」
「普通に入れただけだって。…久しぶりだと、感度上がるでしょ?」
「あ、あ、あ…」
銀時の指が土方の内部を行き来するたび、土方の脚から力が抜けていき、
扉に貼り付いていた腕もずるずると下がっていく。
「あらら…まだ一番イイトコ触ってないよ?」
「ハァ…るせェ…」
「…立ちバックは又の機会にするか。」
「あ?…っ!」
銀時は指を抜くと、立っていられなくなった土方を肩に担いでベッドへ戻っていった。
それから恋人達は二日遅れの甘いバレンタインを過ごすのだった。
(11.02.13)
えっと…すみません。管理人の脳内に住む小さい銀土はこの後ずっといちゃいちゃしておりますが、話としてはここで何となくまとまってしまったので
終わってしまいます^^; 冒頭の銀さんは、土方さんの機嫌が直って調子に乗ってました。懲りないところが銀さんの長所だと思います。土方さんは前日、
ヤるつもりでいたのに銀さんがあんな状況で気分が萎え、誤解が解けて再びヤる気が出たので誘いました*^^* 来月、これの続きのホワイトデー小説を
書けたらいいな、と思っています。その時はもっとエロエロさせたい! ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
追記:続きのホワイトデー話書きました。→★
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