※一応、WJ26号・第三百十訓を元にしたネタですが、ほとんどネタばれ要素はありません。
※第三百十訓に出ている人は一切出てきません。登場人物は土銀の二人だけです。
以上をお読みになり、大丈夫と思われた方のみお進み下さい。
↓
出番のない土方さんの嫉妬
非番の日にも副長室に籠って仕事をしている恋人の元を、銀時は訪れた。
「よっ。休みの日までよく仕事できるよなァ」
「るせっ。何しに来たんだよ。今日は構ってやれねェぞ」
「別にオメーに構ってほしくて来たわけじゃねェよ。…お茶菓子目当てだから」
「そうかよ」
土方はそれだけ言うと銀時に背を向けて仕事に戻った。
その後ろで銀時はゴロリと横になり、何をするわけでもなく、書類に向かう土方の後ろ姿をぼんやりと眺める。
休みの日に会う約束をしていたわけではない。何か用ができて来たわけでもない。
暇だったから何となく―それが銀時の本音であったし、土方もそんなところだろうと思っている。
けれど、そのような大した理由もなく自分の元を訪れてくれたことに土方は喜びを感じていた。
(丸一日仕事で潰れるのを覚悟していたが…何とか早く終わらせて銀時と飲みに行こう)
そんなことを考え、先程よりも気合を入れて仕事に取り掛かる。
(張り切っちゃって…。この分なら飲みに行く時間できそうか?)
後ろ姿からでも土方が頑張っているのが分かり、銀時は心の中で応援する。
その時ふと、何かを思い出したかのように土方の手が止まった。
「そういえばお前…大丈夫なのか?」
「…何が?」
「何がって…大物二人がお前を取り合ってるそうじゃねェか」
「はぁ?何のことォ?」
「とぼけんじゃねェ…今週号のジャンプで裏は取れてんだよ」
「ジャンプって…オメー、マガジン派だろ?」
「情報収集のためなら何だってすんだよ」
「いや…だからって、オメーが登場してない回のジャンプの内容知ってたらおかしいだろーが」
「おかしくても何でもいいんだよ。ていうか、お前だって今週は登場してないのに内容知ってんじゃねェか」
「銀さんは主人公だからね。主人公はこの世界の出来事を把握しておく義務があんのよ」
「ほー、そうかそうか…」
土方は筆を置き、横になったままの銀時の上に跨った。
「ちょっ…オメー、仕事で忙しいんじゃなかったのかよ」
「オメーより重要なことなんかないことに気付いた」
「そ、それはどうも。…でもその気持ちはちょっと重いなァ。土方が乗っかってんのも重いし…
とりあえずどいてくれる?」
「つれないこと言うなよ。せっかく会えたんだ…恋人らしいことしようぜ」
銀時に覆い被さり、土方は唇を重ねようとする。
急に土方を纏う空気が変わったことについていけず、銀時は抵抗する。
「お、おい…さっきと言ってることが違うぞ!待てって!オメー仕事なんだろ?こういうのは終わってから…」
「どうせヤるんだったら今からでもいいだろ?」
「ヤるってまさか最後までヤるつもりか!?おい、ここ屯所だから!」
「だから何だ…。別にここでヤんのは初めてじゃねェだろ?」
「そうだけど…何で、いきなり…ちょっ、マジでやめっ…」
銀時の抵抗で口付けを諦めた土方は、銀時の内腿をするりと撫でた。
「わ、分かったから一旦落ち着け!別にヤるのは構わねェから理由を言え、理由を!」
「理由?んなモン、ここにお前がいるからで充分だろーが」
「何だソレ?そこに山があるから的なアレか?っざけんな。そんな理由でヤられてたまるか!」
必死で抵抗するものの、下になっている銀時の方が分が悪い。
銀時が暴れている間にも、土方は銀時のベルトと帯を外していく。
「本当にさァ…何なんだよ。発情期か?」
「るせェ。…アイツら、俺のいないところで勝手に銀時の取り合いしやがって…」
独り言のように呟かれた土方の言葉に、銀時は目を丸くした。
急に銀時の抵抗が止んだことに拍子抜けして、土方も動きを止める。
「ぎんと…」
「…それって、もしかして…ヤキモチ?」
「なっ!」
「ぷっ…そうかそうか。自分の知らねェところで俺の話されたのがそんなに気にくわなかったのか…」
「ち、違っ…。俺はただ、オメーは俺のモンだってことを分からせようと…」
「はいはい。大丈夫。何処にも行かねェから…まずは仕事やれや」
「………」
「ほら、頑張って働け」
「っ!」
銀時は土方の頭を引き寄せて、軽く触れるだけのキスをする。
「早く仕事終えて飲みに行こうぜ。…奢ってくれたらその後、サービスするからよ」
「…絶対だな」
「ああ」
「…朝まで、帰さねェからな」
「いいよー」
「………」
完全に納得したというわけではなさそうだったが、土方は銀時の上から降りて仕事に戻った。
その背中を見て銀時は、イタズラを思いついたように微笑んでこう言った。
「土方ァー、愛してるよー」
「ばっ!テメー…覚えてろよ!絶対ェ、寝かせてやんねェからな!」
「はいはい」
その後土方は赤い顔のままで仕事をし続けた。
自分の背後で、もっと赤くなっている銀時にも気付かずに。
(あんな恥ずかしいこと、言うんじゃなかった…。飲んで忘れよう…)
今夜は記憶がなくなるまで飲んでやると銀時は意気込むのであった。
(10.06.04)
なんだかよく分からない話しになってしまってすみません^^; 本誌であまりにも土銀が揃わないので寂しかったんです。今週号は二人とも出なかったので
読者に隠れていちゃいちゃしてると解釈(笑)。土方さんはイライラすると銀さんを犯したくなります(笑)。銀さんのナカで癒されたいんですよ、きっと^^
銀さんも別にそこまで嫌じゃないという…結局ラブラブなんですよ、この二人。 ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
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