後編
「あれっ?脱ぐの?」
布団の敷いてある和室に入ると土方はすぐに上着を脱ごうとした。
「…脱ぐとマズイことでもあんのか?」
「マズイっつーか、その…」
まさかカッコイイから着たままでいてほしいなど銀時から言えるわけもなく、口ごもってしまう。
だが土方には銀時の言いたいことが分かったようだ。
「そうか…オメー、こういうのが好きなのか…」
「べっ別に、好きってワケじゃ…。ただ、たまには、着たままヤんのもいいかなァって…」
「そうかそうか…トッシーもたまには役に立つもんだな」
「だから違ェって…。今日は早くヤりてェ気分だから、そのままヤればいいと…」
「分かった分かった…お望み通りこのままヤってやるよ」
「ぉぅ…」
頬を染めて俯く銀時を、土方はそっと布団に寝かせ、そのまま覆い被さり唇を合わせた。
「んっ…」
土方が薄く開いた唇の隙間から舌を差し込むと、銀時も積極的に舌を絡めてくる。
チュクチュクと水音をたてながら銀時の帯を解いていく。
「んっ、ふぅ…」
露わになった肌へ手を這わせると一瞬銀時の身体が強張り、口付けの合間に甘い息が漏れる。
土方は手を滑らせて胸の飾りをくるりとなぞった。
「んぅっ!」
「…どうした?いつもより敏感じゃねェか?」
「るせェ…あっ!」
片方は指でなぞったまま、もう片方の胸に舌を這わせる。
「あっ、あっ、あっ…」
「…本当にすげェな。もう完勃ちじゃねェか…」
「もっ…分かってんなら、触れっ」
「俺ァまだコッチと遊びてェんだ…欲しいなら自分で触れや」
「うっ…ぁ…」
銀時はゆっくりと自分の下肢に手を伸ばした。その様子に土方は驚いて身体を起こす。
「マジでどうした?今日はやけに素直じゃねェか…」
「…乳首終わったんなら触れよ」
「せっかくテメーで握ったんだ。テメーで擦ればいいだろ?」
「っざけん…」
身体を起こし土方に掴みかかろうとして、銀時は動きを止めた。
礼服姿の土方に正面から見つめられ、またしても心臓が大きく鼓動したのだ。
「なァ、銀時…テメーでヤってるとこ見せてくれよ」
「…くそっ」
悪態を吐きながらも銀時は自分のモノを握り上下に擦り始めた。
「んっ、くっ…」
「もっと足開いてよく見せろよ」
「うっ…あっ!」
土方の正面に座って大きく足を開き、激しく手を上下に動かすと先端から先走りが漏れてくる。
銀時はそれを竿全体に塗り広げるように扱いていく。
「はっ…あっ、あっ…」
「すげェな…ダラダラ零れてるじゃねェか。もうケツの穴まで濡れてんぞ?」
漏れた液は竿を伝い、袋を通り過ぎて後孔まで濡らしていた。
入り口が濡れていく刺激に銀時は我慢できなくなっていく。
「ひじかた…もうっ、入れて…」
「…テメーで準備できたら入れてやるよ」
「うぅ……んっ!」
一旦拒もうとはしたものの、今日の土方には逆らえず銀時は自分の指を後ろに挿入した。
「入れたらイイところ探してみろよ」
「うっ…ぁ…くっ…はぁっ!」
土方の言う通りにナカで指を曲げていくと快楽点に当たった。
「あぁっ…あっ!…あぁっ!」
「…気持ちいいか?」
「いいっ!もっと、ほしいっ!」
「指、増やせよ」
「うん…あぁっ!」
二本の指でナカを掻き回す銀時を目の当たりにして土方の喉がゴクリと鳴った。
「ひじかた、もう…」
「ほしいか?」
「うん。入れて…」
銀時は自分のナカから指を抜き、再び横になって腰を揺らし、土方を誘う。
土方はベルトを外し、ファスナーを下ろして猛った一物を取り出して銀時に覆い被さった。
「はっ…エロいヤツだな…」
「早く…お願い…」
「ああ、ちゃんと準備できたみてェだから入れてやるよ」
「はぁ…あぁ…」
銀時のナカが土方で満たされると、銀時は土方の背に腕を回した。
「銀時、もう我慢できねェから動くぞ」
「いいよっ…あぁっ、あぁっ…ああぁっ!!」
「お前…」
土方が動き始めると銀時はあっという間に精を放った。けれど土方は動きを止めない。
「待っ…ああっ!ああっ!」
「すげェ、締まる…」
イッたばかりの敏感な身体に容赦なく快感の波が襲ってくる。銀時の一物は瞬く間に回復した。
「やだっ!ああっ!…やあっ!」
前立腺を擦りながら最奥を突くと銀時の先端から再び雫が溢れ出てくる。
「やあっ!…もっ、また、イッちゃ…」
「いいぜ、イケよ」
「あぁっ!!」
土方は更に腰の動きを速くしていく。
「ああっ!ああっ!イクイクイクイク……っあああ!!」
「はっ、くっ!!」
銀時は土方の背にしがみつくようにして達し、土方も銀時のナカに吐精した。
「ねえ土方、もう一回…」
「上等だ」
繋がったまま暫くの間粗い呼吸を繰り返していた二人であったが、息が整うと銀時から再びお誘いがある。
こうしてこの日は濃密な夜を過ごすのであった。
* * * * *
「うぅぅっ…酷いナリ…」
翌朝、隣の温もりがなくなっていることに気付いて銀時が目覚めると、その「温もり」はソファで泣いていた。
どうやらトッシーが出てきたらしい。
「…またお前かよ」
「坂田氏も十四郎も酷いナリ!」
「んだよ…今回オメーはオタクのイベントに行くために出てきたんだろ?目的は達成してんじゃねェか」
「昨日携帯で撮った写真が全部消されてるナリ!」
「あー…そういえばアイツ消してたよーな…。でも俺は関係ねェぞ」
「坂田氏はこっちナリ!」
「あ゛っ…」
トッシーが取り出したのは昨夜着ていた燕尾服。
着衣のままコトに及んだため銀時の出したモノでぐちゃぐちゃになっていた。
「拙者の大事な衣装を…」
「あー、悪かったな」
「謝っても許してあげないでござる!今、坂田氏も十四郎も酷い男だと友達に話していたところナリ」
「友達ってまさか…」
「あっ!」
銀時はトッシーの携帯電話を取り上げて、先程トッシーが送信したらしいメールを開いてみた。
[拙者は何もしていないのに、坂田氏も十四郎も酷いナリ。
十四郎は拙者が昨日のイベントで撮った写真を全て消去してしまったし、
坂田氏は拙者の燕尾服仮面の衣装に白いものをいっぱいかけて汚したナリ。
朝起きたら思い出の写真が消され、衣装をドロドロにされた拙者の気持ち、分かってくれるナリか?]
「分かるかァァァ!!」
銀時は携帯電話をトッシーに投げつけた。
「痛いナリ!暴力反対!」
「うるせェ!テメーこそ、会ったこともねェヤツに恥ずかしいことバラされた俺の気持ちが分かるか!?」
「恥ずかしい?坂田氏はノリノリで腰を振ってたから楽しんでたはず…」
「黙れ!もう出てくんじゃねェェェ!!」
銀時に殴られて、トッシーは再び土方の意識の奥底へ沈んでいった。
(10.03.19)
おかしい…土銀の土方さんは酷い目に遭うのがいいのに(笑)。銀さんが土方さんにメロメロなんて有り得ない!土方さんの言うことを聞く銀さんなんて…そんな思いで書いてました^^;
ドSな銀さんに酷い仕打ちをされてもヘコたれないドMな土方さんみたいな関係が好きなのですが…何故だか逆の方向にいってますね。
まあ、その分トッシーが可哀相な目に遭ってくれたからいいか(笑)。この設定、何となくシリーズ化するかもしれません。 ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
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