俺と土方がそういう関係になってから一夜明けた今日、俺たちは新しくできた喫茶店の期間限定パフェを食べに来ていた。
ちなみに「そういう関係」っつっても恋人同士じゃないから。セフレだからセフレ。
パフェデートから路地裏まで
そう、俺たちは爛れた大人の関係ってやつなんだ。なのに何で真昼間からデートっぽいことをしてるかって?そんなの俺が知りてェよ。
そもそもセフレに拘ってるのはコイツの方なんだ。俺は別に恋人でも構わねェんだよ?それなのにコイツはよー…
俺のこと好きだって言ったくせに恋人になる気はねェとぬかしやがった!そのくせアッチの具合は良かったもんだから
今後も身体の関係は続けていきたいらしい。まあ、いい歳した野郎同士でいちゃいちゃラブラブもねェからセフレでもいいんだけどよー。
…コイツからセフレとか言っといて他のヤツとはヤるなとか、今日みたいに仕事休みの日にデートしようとか…意味不明だよな?
だったら恋人でよくね?
そんなこんなで今俺の前には秋季限定マロンパフェとモンブランとさつまいものタルトが並んでる。
向かいに座るヤツはコーヒーをあろうことかブラックで飲んでやがる。よくあんな苦いもんが飲めるよな…そう言ったら
お前こそよくもそんなに甘いモンが食えるなって言われた。…味覚が合わないのは今更だな。
あー美味いな…やっぱ高ェパフェは違うな。栗がめっちゃ入ってんだよ。生クリームの中まで小さく刻んだ栗が入ってんの。
マジでこれ、奢ってもらっちゃっていいのかね?…払えって言われても金ねェけど。
まあ何だかヤツも機嫌いいみたいだし、奢ってくれるっつーなら遠慮なく奢られるか。
* * * * *
甘味を満喫して(つっても俺だけな)店を出た俺たちは、互いの家に帰るわけでもなくその辺をブラブラ歩いた。
相変わらず土方は口数が少なく、基本的に俺が色々話して、アイツは「ああ」とか「そうだな」とか言うだけだ。
でも、やたら笑顔だし、俺がちょっとでも黙ると「疲れたか?」とか聞いてくるし、自分は車道側を歩くし
ちょっとでも段差があると俺の手とか腰とかをさりげなく引いて…俺はか弱いお嬢様じゃねェっつーの!お前ェにだって勝ったことあんだよ?
…そりゃぁ、昨夜のアレコレで腰とかケツとかに違和感が残ってて、たまにフラついちまうこともあるけどよー。
コイツって素でこういうことができるヤツだったのか?だとしたら前にゴリラが「真選組一のモテ男」とか言ってたのも分かるな。
ツラはいいし、髪の毛サラッサラだし、口数少ないのもクールっぽく見えんだろ?そんでもって煙草を吸う仕草がカッコイイとか
着流しの時の肌蹴た感じがセクシーとか思われんだろ?そして何といっても鬼の副長だもんな。
鬼なんて呼ばれてるヤツがちょっと優しくしたら、めちゃくちゃ優しく感じるじゃん。ギャップルールってやつだよ!
ハァ…なんでそんなヤツが俺なんかに惚れちゃったんだろうな。昨日は腹が立って色々言っちまったけど
考えてみればアイツの言うことは正しいよな。きっとコイツに抱かれたい女なんて、そこらじゅうにいるんじゃねェ?
なのに俺としかヤらないなんて言っちまってよー…後悔してんじゃないのかね。
うおっ!なんだ急に!土方が俺の手首を掴んで走り出した。いたたた…ちょっ、強く掴みすぎだって!何コイツ慌ててんだ?
指名手配犯でも見つけたか?…いや、だったら俺を置いていくよな。
「痛っ!いきなり何しやがる!」
「…るせェ」
俺が連れて来られたのはどこにでもありそうな路地裏。三方を塀に囲まれて袋小路になっている。
つまり俺たちが入ってきたところからしか入れないってことだ。すぐそこは比較的交通量の多い通りだが
この先は行き止まりでゴミ置き場くらいしかないので、普段は誰も立ち入らないのだろう。だが連れて来られた理由が分からん。
何だ?人に聞かれちゃマズい話でもするつもりか?何の説明もなしにギリギリと手首を締め付けるアイツに焦れて俺が訊ねた。
「おい、一体何のつもりだよ。つーか、痛ェんだけど」
「あ、ああ…悪ィ」
ギロリと睨んでやったら、土方は意外にもあっさり力を緩めた…離してはくれなかったけど。
「なあ、どうしたんだよ急に」
「…オメーが悪い」
「えっ!な、なにが?」
漸く手首を離してくれたと思ったら、ガバッと抱き付かれた。ナニ?意味分かんない!俺が悪いっつった?何が?
そして何で抱きつく?…あ、あれっ?もしかしてコイツ…
「土方…お前、勃っ…」
「だからオメーが悪いっつってんだろ!」
「はぁ?」
「腰、辛そうにしてっから、昨日は初めてなのにヤりすぎたって反省してたのによ…」
「あ、うん。ちょっと辛いな…」
「なのにコッチを見つめながら熱い溜息吐くとかよ…」
「え、いや、それは…」
「誘ってんのかテメー」
「えっ?ち、違っ…」
「ていうか、もう我慢できねーから責任とれや」
「責任って…ちょっ、んんっ!」
ガシッと頭を左右から固定されて強引に唇を塞がれる。ヤバい…何がって、コイツのキスはめちゃめちゃ気持ちいいんだ。
アイツの硬い股間を俺のモノに押し付けられながら、チュクチュク舌吸われると腰が砕けそうになる。
「よし…いい感じになってきたな」
「あっ、待っ…んうっ!」
俺の股間の反応を服の上から確かめると土方は俺のズボンをずり下げて、こともあろうか息子を取り出しやがったんだ!
マジで!?マジでここでヤんのか!?オメー警官だろ?こんなとこ見つかったら…抵抗しようにも、またキスされちまって力が入らねー。
しかも俺の息子を扱きだした!や、やばっ…マジで、立ってらんねー…。
「んっ…んふぅ…んー」
「おい、大丈夫か?」
「も、無理…立ってらんねー」
「スゲーな。ホントお前はエロくて敏感で最高だぜ…」
「ちょっ、もう…やめろって…」
「ここまできて無理に決まってんだろ。お前だってよ…」
「ああっ!」
グリッと土方の指先が、俺の息子の先端を抉る。その拍子に先走りが溢れ出した。
「…んなデケー声出すんじゃねェ。気付かれんだろーが」
だったらこんな所でヤらないでほしい…とは思うのだが、それに反して俺の身体は信じらんねーくらい敏感に反応しちまう。
俺は壁に背中を預けて左手で土方の着物を掴み、右手で自分の口を覆った。こうでもしねーと、立ってらんねーし、声も勝手に出ちまう。
「ふっ…んんっ…っ!」
「そうだ…そうやって静かにしてろよ?ヨくしてやっから…」
「んーんー!」
首を横に振って抵抗したが、土方はそんなこと聞いちゃいねー。グチュグチュと俺のモノを扱きながら
耳朶を甘噛みしたり首筋に舌を這わせたり…俺はまともに呼吸することもできなくなって、快感と酸欠で頭が真っ白になっていた。
「んふっ…んんっ!んんんっ!!…はぁ、はぁ、はぁ」
遂に俺は外でイッちまった。土方の掌は俺の出したモノでベトベトになってる。
すると土方が空いている手で俺のズボンを完全に下ろし、膝の裏辺りに手を入れて片足だけ抜き、そのまま持ち上げた。
ヌルリともう片方の手が俺のケツの割れ目を撫で、さっき俺が出したモノを塗られているのが分かった。まさか、そんな…
「おおおお前、ここでヤるつもりか!?」
「当たり前ェだろ…声、出すんじゃねーぞ?」
「む、無理だって!さっきだって全然…ああっ!」
何の予告もなく土方の指がナカに入り込んできた。マズい…俺のナカはまだ昨日の感触を覚えてる。
ただ入ってきただけだっつーのに、あの刺激がほしくて疼いちまう。
「…んなに、キュウキュウ締め付けんなって。ちゃんとイイとこ触ってやっからよ」
「はっ、くっ…ああっ!」
「だから声出すなって…」
「…んっ!んんっ!!んんっ!!」
前立腺を捏ねられると声を抑えることなんかできねー……もっと前から抑えられてねーけどよ。
背中を壁に、脚を土方に支えてもらって、俺は両手で口を覆った。壁と土方に挟まれてなきゃ、その場に崩れ落ちるところだ。
でも、もうめちゃめちゃ気持よくて今更止められなかった。土方の指が二本になっても難なく飲み込めた。もっと、もっと刺激がほしい…。
「もう、指だけじゃ足りなそうだな?もっと欲しいか?」
「んっ!んっ!」
返事の代わりにコクコクと頷いた。土方は俺から指を抜いて脚を抱え直すと、自分の前を広げて一物の先端を俺の穴に宛がった。
「んうっ、んんっ、んんんっ!!」
ズブズブと俺のナカに土方のモノが埋め込まれていく感触がたまらない。ヤバい…ちょっとでも動かれたらイッちまいそうだ…。
それに背中で支えてんのも限界…。俺は土方の首に抱きついた。
「あっ、あっ…ひじか…」
「…ったく、しょーがねーな…」
「ふぅんっ!んくっ!」
土方に抱きついていないと崩れ落ちるが、口を塞いでいないと声が出る…そんな俺の口を土方が自分の口で塞いでくれた。
これで崩れ落ちる心配も声が漏れる心配もなくなった。
「んふっ、んんっ、んうっっ!!」
「…っんな、締めんなっ!」
「んんんっ!…んうっ!」
「チッ…一回イクぞ」
「んんーっ!!」
俺はもう、気持ちよすぎてワケ分かんなくなってた。土方のモノに突かれているナカも、クチュクチュ絡まってる舌も気持ちイイ。
俺は無意識で土方のモノを締め付けていたようだ。土方の律動が早くなった。もうすぐイクんだな。
「んくっ…ふぅっ!んんぅっ!!」
「うっ…はぁっ!」
「んっ、んっ、んっ……っんんんー!!!」
「うっく…」
夢中で腰を振って土方の突き上げに応えていると、ナカのモノが更に膨らんで一気に弾けた。俺もいつの間にかイッていたらしい。
…どうしよう、もう一回ヤりたい。…そんなことを思っていると、すぐに土方が復活して律動が再開された。
結局その日俺たちは外で三回もいたしてしまった…多分。途中から記憶がないから詳しいことは分かんねー。
ただ、目覚めたら万事屋でいつもの煎餅布団の上に寝ていた。新八の話によると、酔い潰れた(と土方が言っていたらしい)俺を
土方がここまで連れて来てくれたそうだ。「まったく、昨日も帰ってこないし今日もこんな遅くに酔い潰れて…
まさか、ずっと土方さんと一緒だったんですか?」と聞く新八に「まあな」と答えてやったら驚いた顔をされた。
そりゃそうだろ。俺だってびっくりだ。ちょっと前まで会えば罵り合いの斬り合いしかしなかったヤツと…。
でも、意外とこの関係も悪くないなと、そんなことを思いながら俺は再び意識を手放した。
(09.09.29)
長編完結編の翌日のパフェデートでした!…パフェデートのつもりがいつの間にか路地裏エロに…。おかしいな。どこで間違ったんだろ?
まあ、この二人は一応セフレなんで、こんな話もいいんじゃないかと思います…多分(^^; ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
追記:続き書きました。よろしければどうぞ→★
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