注意書きは読んでいただけましたね?それではどうぞ。
後編
風呂から出た俺は、また洗面器に入れられて土方の部屋に戻ってきた。
つーかコイツ、洗面器に俺を入れんの気に入ってないか?部屋に戻ってきたのに、出してくれる気配ねェしよ…
けっ、こんくれェ自分で出られるっつーの…ん?動くなって何だよ?
あ?カシャって…勝手に携帯で撮ってんじゃねェよ!もう出るからな!
いつまでも洗面器なんかに入ってられっか!
「んだよギン…そこ気に入らなかったのか?」
「なうぅ(気にいるかボケ)!」
「そうか、風呂に入ったから水飲みてェんだな?」
「にゃ、にゅにゃ(そんなコト言ってねェよ!…飲みたいケド)」
「ほら飲めよ」
土方が皿に水を入れて持ってきてくれたので、ありがたく頂戴する。すると俺の頭を撫でてきた。
…んだよ、水飲みの邪魔すんなよな。
「ギン…お前の毛は色といい触り心地といい、アイツにそっくりだな」
「はにゃぁ(アイツってもしかして)」
「銀時のヤロウ、どこ行っちまったんだ?万事屋のガキ共も知らねェっつーしよ…」
「にゃはっ(やっぱり俺のコトか)」
「忙しい俺がわざわざ時間作って会いに行ってやったっつーのに…」
「なにゃぅ(やたらと恩着せがましい言い回しだな)」
「アイツに会えねェと、俺は、俺はっ…」
「にゃうにー(土方…)」
土方は俯いたまま動かない…。もしかして泣いてんのか?そんなに俺のことを想ってくれてたんだな。
心配かけてゴメン。不用意に立ちションなんかしたせいで…。
慰めてやろうと土方に近寄ると、両手でガッと掴まれて土方の目の高さまで上げられた。
あれっ?コイツ泣いてねェな…。泣いてないどころか、いつもより瞳孔開いてない?
…ていうか、俺この瞳、見たことあんだけど…えっ?マジで?嘘だろ?
「くそっ!銀時に会えねェ時に、こんなアイツそっくりの猫に懐かれるしよー」
「なうっ(懐いてねェよ)」
「マジでこのモコモコ感とか、目が半開きなトコとかもそっくりじゃねェか…。あー…ムラムラする」
「にゃがにゃっ(このケダモノが)!」
やっぱりか!俺を押し倒す時の瞳と一緒だったし!くっそー、ちょっとでもアイツに謝りたいと思った俺の
純粋な気持ちを返せ!つーか、いくら俺に会えなかったからって、猫に欲情するか?この変態が!
俺の突っ込みをヨソに、アイツは俺を畳に下ろし少し離れた所に壁を背にして座った。
胡坐を崩したような格好で脚を軽く組み、着物の裾を乱して…
…えっ、まままさか…いや、ででででも手元に置かれたあの箱は…
「にゃがにゅにゃにょっ(ナニおっぱじめようとしてんだよ)!」
「ギン…うるせェぞ」
アイツは手元にティッシュ箱を置いて、自慢の御子息を取り出しやがったんだ!マママママジでか!?
俺の目の前で抜くのか?抜くなら俺を外に出してからにしろよ!
確かに俺、今、猫だけど…って猫でもダメだろ!俺は定春の前でなんか抜かねェよ?
あー、何でピッチリ襖も障子も閉まってんだよ!これじゃあ逃げ出せねェじゃねーか…。
「にゃごろろにゃにゅ(俺を外に出してくれよ)!」
「静かにしろ。集中できねェだろーが」
「にゅにゃごにゃがー(集中させたくねーんだよ)!」
「…ちっ」
お?止めたのか?…ん?ドコ行くんだ?何だよ、こっち来んなよ……バサって、えっ?何も見えねェ!
何だ何だ!…あっ、タオルか。俺があまりにうるせェからタオル被せたんだな。
…そんなんするなら外に出してくれればいいのによ。まあ、いいや。これで見なくて済むし。このまま寝ちまうか。
* * * * *
はぁはぁと荒い息遣いとシュッシュと一物を擦る音がする。何か…気になる。見えねェと余計気になる。
どうしよう…ちらっと見てみっかな。ちょっとだけ……俺はタオルの隙間から顔を出した。
土方はさっき座ってた所に座って一物を扱いていた。目は一応開いているみたいだが、
俺のコトなんか見えてないだろう…そう思ったらもっとじっくり見てみたくなった。
猫が俺だなんて気付くワケねェし、そもそもコイツが勝手にヤってんだし…せっかくだから観察してみるのも
悪くねェよな。こんな機会、二度とねェかもしれねーし。
「ふっ…」
既にアイツのモノは完勃ちして真上を向いていた。
五本の指で円を作って上下に扱きながら、時々親指以外の四本で裏筋をツッと下から上に辿っている。
アイツ、裏筋好きだもんな。俺が舌でやってやるとスゲー膨らむんだよ。
あっ、我慢汁が出てきた!竿を握る手にも少し力が加わったみたいだ。ギュッギュって握りながら扱いてる。
「はぁっ…」
我慢汁が竿を伝い出すと、擦る音がヌチュヌチュと湿り気を帯びてくる。
土方は根元をにぎにぎしながら、もう片方の手の人差し指で鈴口をグチグチ弄ったり、
他の指をくびれに引っかけたりしている。
ゴクリ…俺はいつの間にか溜まっていた唾を飲み込んだ。
「っく…」
呼吸の合間に漏れる声がエロいな…。アイツ、いつもこんな貌して俺を抱いてんのか?
なんか、かなり…男前じゃね?いつもマヨマヨ言ってるアホっぽさがなくて、必死な表情も「頑張ってる」って
感じでいいよなぁ…。最中はほとんど目ェ閉じてっから知らなかったぜ。今度はちょっと目を開けてみるかな。
そんなことを考えているウチに土方の限界が近づいたみたいだ。
「はぁはぁ…くっ!」
右手で裏筋を刺激しながら全体を扱き、左手で鈴口と傘部分を刺激する…。先走りはダラダラ零れてるし、
一物はプルプル震えてる。もうちょっとだ…俺は呼吸も忘れて、目の前の光景に見入っていた。
「はっ!…ぎ、んときっ!」
俺の名前を呼びながら、ビクッと身体を震わせて土方は達した。両手で一物を握り背中を少し丸めたまま、
はぁはぁと忙しない呼吸を繰り返している。そういえば俺は土方のイク瞬間をちゃんと見たことがない。
俺とヤる時は口でイかせるかナカでイクかだが、咥えてる時はアイツの顔が見えねェし、
入れられると俺の方が気持よくなっちまうからな。
…今更ながら、見なきゃよかったと思い始めた。アイツの自己処理を見た罪悪感とかもあるが、
それ以上に俺の身体がヤバイ。アイツに抱いてほしくて仕方がねェ。早く、早く元の姿に戻りてェ!
スッキリした顔で布団を敷いて横になるアイツを後目に、俺は悶々として眠れぬ夜を過ごした。
(09.09.15)
猫銀が洗面器に入っていたら殺人的な可愛さだと思います!…小説では伝わりにくいですよね。というわけで猫銀小説第三弾、お楽しみいただけましたでしょうか?
変態なのは猫に欲情した土方さんでも、自己処理を観察してた銀さんでもなく私です。はい。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
追記:これの翌朝の話を書きました。よろしければどうぞ→★
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