単独でも読めますが、「土方さんから告白されたい銀さん」の続きとなります。
よろしければそちらをお読みになってからどうぞ↓

  

俺の告白(予定外だったんだけどな!)から一ヶ月、俺と土方は順調なお付き合いを続けていた。

アイツは忙しい仕事の合間を縫ってちょくちょく会いにきてくれるし、その度に甘味処へ連れてってくれたり、

土産に菓子を買ってくれたりする。アイツは本当に俺のこと好きすぎだと思う。…惚気じゃねーって!

だって毎回俺の好きな物買ってくれんだぜ?

ここまでされちゃァ、誰だって自分にすっげー惚れてるんだって分かんだろ?…えっ、餌付け?んなワケねーって。

別に俺ァ糖分ほしさにアイツと付き合ってるワケじゃねーからな。アイツにはいい所がいっぱい…って何言わせんだよ!

 

あー、何の話だったっけ?…そうそう、俺たちが付き合って一ヶ月経ったって話だよ!

俺はさー、そろそろいいと思ってんだよねー。ん?何がって…ナニが。俺たちもいい大人だし、何度もデートしてるし、

それにキスまでなら結構してる。かなりディープなやつもしてるっつーのに、アイツは押し倒してくる気配も見せねェ。

まさかとは思うが…アイツ、受け希望?いや、そんなことはねーよな。

まあ、俺だって絶対に受けがいいってワケじゃねーけど、アイツをあんあん言わせたいとは思わねーし、

それよりはアイツに触ってもらいてェって思う。

 

そんなわけで、俺はアイツの誘いを待ってるんだが…キスから先に進まねェんだよな。

ハッキリ言って、俺はかなり限界なんだよ。二人で会ってキスするだけじゃ満足できなくなってる。

つーかキスだけで、俺の息子は自己主張し始めるようになっちまってる。いつも謙虚な息子サンが、だぜ?

アイツだって気付いてるはずなんだよ。何てったって俺とアイツの身長は全く同じだ。

抱き合ってキスすれば、股間が膨らむのだって分かんだろ?そしたら遠慮なんかいらねーだろ?なのにアイツは……。

 

もしかして、男同士でどうすんのか知らねーのか?…あー、それはあり得るな。アイツ、そっち方面には疎そうだもんな。

さすがに童貞ってコトはないだろうが、男相手は未経験かも。あっ、言っとくけど俺だって男相手は初めてだかんな。

でもアイツと付き合うようになってから、色々調べて基本的なことは分かった。

自分でも…ちょっと、その…ヤってみたりした。…し、仕方ねーだろ!アイツとの初めてで失敗したくねーんだ!

アイツのモノがどれくらいかは知んないけどよー、とりあえず俺の指二本くらいは入んねェとマズいだろ?

それにしても…前立腺って本当に気持ちイイんだな。うん、あれは、ヤバイ。

 

…そうじゃなくて!どうやったらアイツに誘ってもらえるかっつー話だよ。えっ?お前から押し倒せ?

…いや、最初っからそれは、ちょっと…なあ?でも、もしアイツが男同士のヤり方知らなかったら…。

あー!どうすればいいんだよ!

 

 

 

万事屋3人で銀さんの初エッチに向けて色々計画

 

 

 

「…つーわけで、俺と土方が結ばれるためには、どーすればいいか意見を募集する」

「銀さん…」

「おっ、新八、早速いい案が思いついたか?」

「いや、そうじゃなくて…」

「何だよー。…じゃあ、神楽!何かないか?」

「銀ちゃんがマヨを押し倒せばいいアル」

「だから、それはダメなんだって」

「そうじゃないだろ!!珍しく真剣な顔で『話がある』って言うから何かと思えば…そんな話、僕らにしないでくださいよ!」

 

 

ここは万事屋の事務所兼居間。何とかして土方との関係を進めたい銀時は、新八と神楽に助けを求めた。

真顔で「大事な話がある」と二人を居間に呼び寄せ、「俺と土方が付き合って一ヶ月になるが、エッチはまだなんだ」と

言って先程の会話につながる。

恋人との、しかも身体の関係の相談を子どもにするとは…新八の突っ込みも当然のことである。

 

 

「何だよ!俺が困ってんだから、相談に乗ってくれたっていいだろ?」

「相談ったって…僕らじゃ力になれませんよ」

「そうネ。こんな童貞に相談するだけ時間の無駄ヨ」

「童貞いうなァ!!…と、とにかく!そういうコトは、年上の人とかに相談した方がいいんじゃないですか?」

「んなツレないこと言うなよ、ぱっつぁん」

「銀ちゃんが困ってるんだから助けてあげなきゃ可哀相ネ」

「それはそうだけど…」

「もういいアル!銀ちゃん、ワタシが助けてあげるヨ!」

「ありがとな、神楽」

「ああ、もう!分かりましたよ!僕も一緒に考えますよ!」

 

神楽に任せておいてはとんでもないことになる…新八はそう思って、仕方なく銀時の相談に乗ることにした。

 

 

「マヨに酒飲ませて、ぐでんぐでんになったところを襲うのはどうアルか?」

「だから俺が襲うんじゃ意味ねーんだって!だいたい…そんなになるまで飲ませたら勃たなく…」

「ぎ、銀さん!そういう直接的な言い回しはやめてください!」

「あー、分かった分かった。…新八、オメーはどう思う?」

「その…銀さんから誘えばいいんじゃないですか?」

「まあ、それは最後の手段だよな」

「マヨネーズの中に酒を混ぜておいて、ぐでんぐでんになったところを襲うのはどうアルか?」

「それじゃ、さっきと一緒だろ?酒以外でなんかないのかよ…」

「じゃあ媚薬を…」

「神楽ちゃん、ダメ!それ以上言ったらダメだよ!」

「そうだよなー。さすがに最初っから薬使うっつーのはなー」

「そういう問題じゃないでしょ!」

「文句ばっか言ってないで、お前も意見出すアル」

「意見ったって…」

 

そもそも未経験の自分に意見を求めないでほしい…一緒に考えると言ってしまった手前、そんなことは言えなかった。

それに、内容がどうであれ、銀時が困っているのは確かなので力になってやりたいとも思っていた。

 

 

「じゃあ…土方さんに泊まりに来てもらうっていうのはどうですか?」

「泊まり?ココにか?」

「そうです」

「いくらなんでもお前らがいる所でヤる気には…」

「何言ってるネ。二人が隙あらばチューしようとしてるのも知ってるヨ」

「なっ!…見てねーと思ったのに…」

「全然隠せてないアル。だから気にしないで合体すればいいネ」

「だから神楽ちゃん!そういうこと言っちゃダメだって!

それに、土方さんが泊まりに来るんだったら、僕らはここに居ませんよ」

「オメーはともかく…神楽はどうすんだよ」

「そうネ!バカップルのために家追い出されるなんていやヨ!」

「バカップルって…」

「そうじゃなくて、神楽ちゃんも一緒にウチに来るんだよ」

「新八の家にカ?」

「うん。僕の家、使ってない部屋もあるし、神楽ちゃんが来るって言ったら姉上も喜んでくれると思うんだ。

…もしかしたら仕事休んでくれるかも」

「アネゴと一緒にお泊りアルか?それなら楽しそうネ!」

「そうか…その手があったな」

「決まりネ!いつにするアルか?早くアネゴのトコに行きたいアル!」

「土方さんの予定を聞いてみないと分からないでしょ?…まあ、神楽ちゃんが遊びに来るのはいつでも大丈夫だと思うよ」

「そういえば…明日はアイツ非番だって言ってたな。今夜、飲みに行く約束してるし」

「じゃあ、早速今夜実行ネ!」

「僕、神楽ちゃんが行くって姉上に電話しておきますね」

「おう、よろしくー」

 

 

 

いつの間にか、新八も乗り気になって初エッチ計画に参加していた。

新八は「上手くいくといいですね」と言って普段より早めの時刻に神楽と二人で帰っていった。

 

 

 (09.08.30)

photo by 素材屋angelo


 土銀初エッチ編です。ちょっと長めですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。次は土方さん視点で話が進んでいきます中編