後編
「トシ…ナニ、今の?」
「あ…うぅ…」
ヒクヒクと身体を痙攣させながら首を振る土方は、自分でも何が起こったか分かっていないようだ。
「トシも分からない?でもすっごく気持ちよさそうだったし、いいや」
「うぁ…」
未だまともに言葉を話せない土方の腰を抱えて、銀時は自身を一気に奥まで挿入した。
―いつの間にか挿入準備をしていたらしい。
「ひああっ!やああっ!!」
「うっわ…トシのナカ、今までで一番動いてる。すっごく気持ちいいよ」
全身が震えている土方はナカも痙攣したままで、銀時のモノをきゅるきゅると締め付ける。
だがそれ以上に土方は強い刺激を感じていた。
「ひああぁっ!!」
「すっげ…俺が動くたびにトシから出てくる」
銀時の律動に合わせて、土方の先端からピュッピュと透明な液体が飛び出ていた。
「ああぐっ!」
「ちょっ、そんなにしたら傷付いちゃうよ」
ガクガクと身体を震わせる土方に腕の拘束を気にしている余裕はなく、ベッドの縁に腕を打ち付けている。
銀時は繋がったまま手を伸ばし、土方の腕に纏わりついている着物とロープを外した。
「いやああっ!」
腕は自由になったものの、既に土方の身体は自由に動くような状態ではなかった。
ダラリと腕を伸ばし、銀時のされるがままになっている。
「ああっ!ああっ!…あうぅっ!」
「くっ…もう、ダメっ!」
蠢き続けるナカに銀時は堪らず精を吐き出した。
「ハァー…」
満足そうに息を吐いて、銀時は自身を抜いてゴムを外す。
「うっ、あぁ…くぅっ…」
銀時が抜け出ると、土方は横向きになり何かに耐えるように身体を丸める。
喘ぎなのか呻きなのか分からないような声を上げて震える土方に、銀時はそっと近付く。
「トシ…大丈夫?」
「あ…ぐっ…」
「ゴメン…やりすぎちゃった?」
「ぎ、ん………せ、て…」
「えっ、何?」
辛うじて自分を呼んでいるのだけは分かり、銀時は土方の口に耳を近付ける。
「…かせ、て…」
「トシ?」
「イ…せて…」
「えっ…あっ!」
途切れ途切れに「イカせて」と聞こえて銀時が土方の下半身を見ると、完勃ち状態のままであった。
「ごごごごめん、気付かなくて!」
銀時は土方を仰向けにして抱き締めるように覆い被さり、土方のモノを握った。
「ああぅっ!!」
先程から断続的に透明な液体は出ているものの、白濁液は出ていない。
「はっ…ひあっ…あぅ…」
叫び続けた土方の喉は涸れ、まともに声が出なくなってしまった。
「ひっ…はぅっ…」
「トシ、もうちょっとだからね。ちゃんと出してあげるから」
土方の頭を撫でながら銀時は一物を擦り上げる。
「はぁ、ひぁ…」
銀時は一物を擦る手を速くし、土方を追い立てていく。
「ひっ、ひゃっ…ひぅぅぅぅっ!!」
遂に一物から白濁液が飛び出て、土方はそのまま意識を失うように眠りについた。
* * * * *
「トシ…トーシ!」
「んっ…ぎ、ん?」
「もうココ出る時間だけど…起きれる?」
「んー…?」
土方はボンヤリとした視界に映る恋人の姿を見て、昨夜は情事の後そのまま眠ってしまったのだと思い出す。
現在土方はホテルの浴衣を着ている。昨夜、銀時が後始末をして着せたものだ。
「ぎん…俺の財布…」
「えっ?あっ…はい」
着替えよりも先に財布を要求された理由が分からなかったが、とりあえず土方に財布を手渡す。
すると渡したはずの財布が銀時の元に返ってきた。
「あ、あの…トシ?」
「延長…」
「はい?」
「まだ眠ィ…お前は、帰っていい、ぞ…」
そこまで言うと土方は再び意識を手放した。
* * * * *
「………」
土方が再び目覚めると枕元で銀時が本を読んでいた。
初めて見る知的な姿にドキリとしながら本の表紙に目を移すと…今しがたのトキメキを返せと叫びたくなった。
「テ、メー…ケホッ、ケホッ…」
「あっトシ、おはよー。水飲む?」
土方は銀時からボトルを奪い取り、全て流し込む。
そして、先程言えなかったことをもう一度言った。
「テメー、なんて本読んでやがる!」
「ああ、これ?晴太の店に売ってたんだー」
銀時の読んでいた本の表紙には『風俗嬢に聞く 男のイカせ方』と書いてあった。
わなわなと震える土方とは反対に、銀時は得意気に目を煌めかせる。
「トシ、なかなか起きそうにないから一旦家に帰って取ってきたんだ」
「だから何だってそんなモンを…」
「だってトシにもっと気持よくなってもらいたいんだもん。…あっ、昨日のはね、潮吹きっていうんだって」
「しお、ふき?」
「そう。水みたいなのがピューって出たでしょ?あれ、普通に精液出すより気持ちいいんだって。
…まあ、それはトシのこと見てたら分かるけどね」
「………」
女性の潮吹きなら聞いたことがあったが、男の自分にも起こり得ることだとは知らなかった。
一所懸命本に書いてある事柄を説明する銀時を、土方はポカンとした表情で見ている。
「それでね、潮吹きはイクのと違うから、イク時よりもいっぱい出せるみたい。
昨日のトシ、そうだったよね?ピュッピュっていっぱい出てさァ…あっ、でも、最後にちゃんと
イカせてあげられなくてゴメンね。今度は俺がイク前にイカせてあげるからねー」
「こっ今度ってなんだ!もう二度とあんなことしねェよ!」
「大丈夫だよー。この本全部読んで勉強するから」
「しなくていい!というか、するな!!」
「大丈夫、大丈夫。俺に任せて。…あっ、トシも読みたい?いっぱいあるから貸してあげる」
「はぁ?」
「じゃあ着替えたらウチに行こう」
「えっ、ちょっ…」
銀時は栞を挟んで本を閉じ、土方に着替えを渡す。
事態が飲み込めないままに土方は着替えさせられて、万事屋に連れて行かれた。
こうなったら、借りるという名目で危険な本を全て預かってやると意気込んだ土方であったが
大きな段ボール箱いっぱいに入った本を見て愕然とする。しかも、それだけでは済まなかったのだ。
「あっ、DVDもあるけどどうする?」
「はぁっ!?」
銀時はもう一つ同じくらいの大きさの段ボール箱を取り出した。
そこにはジャケットに男性しか写っていない大量のDVD。大人の玩具らしきものも見える。
「おまっ…なんつーモンに金使ってんだァァァ!」
「自分で買ったんじゃないよー。俺がトシと付き合ってること知ってるヤツらからもらったんだ。
ほとんど晴太の店で買ったヤツみたいで、売り上げが伸びたって喜ばれたよ」
「俺達のこと知ってるヤツって…誰だ?」
「えっと、トシも知ってるヤツだと……沖田くんとか?」
「総悟が!?」
「沖田くんは、俺が経験不足だからトシが満足してないんじゃないかって心配してるみたい」
「あの野郎…」
土方には沖田がそんな親切心から贈り物をしたとは思えなかった。
恐らく土方を辛い目に遭わせようとしているのだろう。
「それからジミーもくれたよ」
「山崎も!?」
「なんか怯えてて『副長には絶対、俺からだって言わないで下さい』とか言ってたけど
いいことなんだから言っていいよな?」
「………」
きっと沖田に脅されて買わされたのだろうと土方は頭を抱えた。
結局、土方は銀時から本を一冊借り(いらないと言ったのに遠慮するなと持たされた)屯所へ戻った。
戻ってすぐに山崎を呼び出し、借りた本で殴ったところ「違います!それは沖田隊長が…」とか何とか言っていたが
聞こえないふりをして殴り続けたのであった。
(10.04.10)
今回、潮吹きがメインなのでよく考えたら拘束しなくても良かったんですよね^^;まあ、無自覚Mな土方さんは縛られたことで普段より敏感になり、吹いちゃったってことで(笑)
エロが無駄に長い上にちょいハードだったので、少しでも和んでいただこうとメルヘンな背景に…余計な配慮すみません。久々に前中後編でガッツリエロ書けたので私は満足です!
読んで下さった皆様は…どうでしょう?次回はもっとハードに…はならず、ちょっとクールダウンする予定です^^ ここまでお読み下さりありがとうございます。
追記:続き書きました。→★
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