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ぎんとトシとふたりの日」の続きです。

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「じゃあまたねー」
「おう」

一週間ぶりに会った銀時と土方は、朝から濃厚な交わりをし、夕刻までホテルで過ごした。
ホテルを出て、フラつく土方を屯所まで送り届けた銀時は、その足で馴染みの居酒屋に向かった。

「よー、銀さん久しぶり」
「あっ…」

カウンター席にはマダオこと長谷川泰三の姿があった。



ぎんとトシとマダオと晴太



「長谷川さん…いいのかよ無職が居酒屋なんかに来て」
「とりあえず日雇いのバイトで食い繋いでんの。…あっ、場所は教えないから。
銀さんに来られるとまたロクでもないことに…」
「失敗を他人のせいにしてちゃ、永遠に成長できないぜ」
「よく言うよ。銀さんも同じようなもんだろ?」
「俺は万事屋の社長ですぅ。無職じゃありませんー」
「俺だってバイトしてますぅ。無職じゃありませんー」

銀時が長谷川の隣に座ると店主が酒と肴を出す。この店に来た時に最初に頼むものは決まっているのだ。

「そういえば銀さん、恋人ができたんだって?新八くんに聞いたよー」
「ああ、トシっていうんだ」
「トシちゃんか…どんなコ?可愛い?」
「可愛いよー。仕事してる時はカッコイイんだけど、セッ…」

銀時は「セックス」と言おうとして慌てて口を噤む。
以前土方から「人前でセックスの話はするな」と言われたのを思い出したのだ。

「せ?せって何だよ?」
「セじゃなくて…えーっと、えーっと……あっ!宿にいる時は超可愛い!」
「ぶふぅーっ!」

銀時の爆弾発言(本人は無自覚)に長谷川は飲みかけの酒を噴き出す。

「きったねェな…」
「悪ィ、悪ィ。でもいきなり宿なんて言うから…でも、まあ、仲がいいみたいで良かった」
「まあね。今日も宿の帰りなんだー」
「あっ、そ、そうなんだ」

長谷川は若干顔を赤くした。銀時はそれに気付かず、空(くう)を見つめて恋人との逢瀬を思い出し
実に幸せそうである。

「本当は明日の朝まで一緒にいたかったんだけど、トシが明日は早いんだって。
だからさっきトシを送ってきたんだ」
「へー、トシちゃんは忙しいんだね。仕事?」
「ああ」
「何の仕事してるの?」
「役人」
「へぇー、じゃあ逆玉ってワケか?やるなァ銀さん」
「そんなんじゃねェよ。別に金目当てで付き合ってるワケじゃねェから。だいたい、逆玉はそっちだろ?」
「はははっ…別居中だけどね」
「早く定職見付けて、奥さん迎えに行けよな」
「そうだな…。いい加減、こういうのばっかじゃ侘しいよな」

長谷川はそう言って一枚のDVDを取り出した。

「また新しいDVD買ったのかよ…。そんなの買う金あったらもっと別のことに使えよ」
「そうは言うけどさァ…銀さんみたいに可愛い恋人のいない俺は、一人淋しい夜をコイツと過ごすしかねェんだ よ」
「他にもやるこたァいくらでもあるだろ」
「でもねェ…あっ、銀さんも見る?恋人がいたってコッチは別だろ?」
「えー…長谷川さんから借りるヤツはいつもよく分かんねェんだよなァ」

長谷川が持っているのは所謂アダルトビデオなのだが、銀時はただのDVDだと思っている。
今までも何度かこうして借りたことがあるのだが、土方と付き合うまでほとんど性の知識がなかった銀時は
DVDの内容が理解できず、いつも「あまり面白くなかった」と返していた。
ちなみにパッケージに「十八歳未満の方は視聴できません」と書いてあるので新八や神楽がいない時に一人で見て いた。

「今回はマジおすすめだって!ナースだよ、ナース!銀さん、好きだろ?」
「ナースってことは…病院の話?」
「そう。新人ナースが先輩や医者に苛められながらも健気に頑張るって設定だよ」
「ふぅん…」
「ナースの娘が結構イケてるんだよ。ねっ、興味あるだろ?というわけで、はい。返すのはいつでもいいから」
「…分かった。まあ、暇な時に見てみるよ」

銀時はDVDを借り、パッケージを見てみた。

(また聞いたこともねェタイトルだな…。こういうマイナーなやつじゃなくて、人気映画のDVDとか
貸してくれりゃあいいのに…。それにいつも十八歳以上しか見ちゃいけねェやつだから新八達と見れないしよ… 。
そもそも、何で病院の話なのに裸の写真ばっかなんだ?…あれっ?これってもしかして…)



*  *  *  *  *



数日後。銀時は土方を万事屋に招待した。付き合ってから初めて家に呼ばれた土方は
正式に家族に紹介されるのだろうかと、期待と不安でドキドキしながら呼び鈴を押した。
だが、その日万事屋にいたのは銀時一人であった。

「いらっしゃい」
「ああ…ガキ共は?」
「今日はお妙が休みだから志村家に行ってる」
「そうなのか…じゃあコレ、明日にでも食ってくれ」

土方は銀時に白い箱を渡した。

「えっ、何コレ…ケーキ?」
「ああ。家に呼んでもらって手ぶらじゃなんだと思って…」
「気を遣わせちまったみてェで悪かったな。次からは手ぶらでいいからな」
「ああ」

土方をソファに座らせ、銀時はケーキの箱を冷蔵庫に仕舞った。

「今日ウチに来てもらったのは、トシと見たいDVDがあったからなんだ」
「DVD?」
「そう。長谷川さんに借りたんだけどね…コレ」

銀時は先日長谷川から借りたDVDを土方に見せた。その瞬間、土方の顔が引き攣る。

「DVDって…AVじゃねェか」
「えっ?これってDVDじゃねェの?同じに見えるけど…」
「ぎん…もしかしてAV知らねェのか?」
「初めて聞いた」
「そうか。AVっつーのはアダルトビデオの略で…まあ、ジャンルのひとつだ」
「アクションとかコメディーみたいな感じ?」
「まあ、そんなところだ」
「ふぅん…あっ、アダルトだから十八歳未満は見られねェのか?」
「そうだ」
「なるほどー」

銀時は感心したように繁々とDVDを見つめた。

「俺さァ…この写真見て、セックスの話かと思ってたんだけど…」
「…そうだぞ」
「あっ、やっぱりこの写真ってセックスしてるとこなんだ」
「というか、AVっつーのはそういうことがメインだぞ」
「そうなの!?そんなジャンルがあったのかァ…」
「だから一緒に見なくてもいいだろ」
「えっ何で?一緒に見て、分かんないトコあったら教えてよー」
「これは一人でヌく時に見るもんだし、勉強になるようなモンじゃねェから」
「ヌくって…自慰のことだよな?」
「ああ」
「ヌくのってコレ見ながらするものなのか?」
「そういう決まりはねェよ。ただ…AVは見てエロい気分になってヌくために作られてんだ」
「へェー…。俺はトシのこと考えるとエロい気分になるよ」
「そうかよ」
「トシはAV見てヌいてるの?」
「なっ!?」
「ねぇねぇ」

この手のことに疎い銀時は、時折こうして土方を辱める。
銀時にその気はないと分かっていても、やはり恥ずかしいと思う感情は止められない。

「ねぇトシってば!聞いてる?トシはAV見てヌくの?」
「…見ねェ」
「じゃあどうするの?…あっ、言うのが嫌ならここでヤってみせて…」
「ヤらねェ!」

更に恥ずかしいことをさせられては堪らないと、土方は渋々話すことに決める。

「俺は…ぎんのこと、考えて……ヌいてる」
「本当に!?わーい嬉しいな」

銀時は土方をきつく抱き締めた。


「あー…トシとセックスしたいな」
「…すればいいだろ」
「じゃあ早くDVD見てセックスしようね」
「…もう見なくてもいいだろ」
「ダメ。せっかく長谷川さんが貸してくれたんだから見なきゃ可哀相だろ」
「だったらオメーひとりで見れば…」
「だから分かんないトコあったら教えてもらいたいんだって。ほら、始まるよー」

土方が止めるのも聞かず、銀時はDVDをデッキにセットした。


(10.03.20)


というわけで今回はAVでお勉強です。続きは18禁になります