おまけ(土方さんが万事屋に行く前)

 

「おや土方さん…もうすぐ夕メシの時間だってのにお出かけですかィ?」

「総悟か…。ああ、夕メシはいらねェよ」

「…どちらへ?」

「どこだっていいだろ…」

「そうはいきやせん。真選組の副長ともあろう人がワケの分からねーとこに行かれちゃ困りまさァ」

「ンな怪しげな場所へ行くわけじゃねーよ。携帯持ってるから、何かあったら呼び出せや」

「それにしたって、どのくらいで戻ってこれる距離にいるのか分からなきゃ呼び出せませんぜ?

事件現場の方が近いかもしれやせんし…」

「電話で場所を教えてくれれば、屯所と現場と近い方に行くから…」

「最初っから土方さんの居場所が分かってた方が手短に済みますぜ?緊急時の連絡は短い方がいいに決まってやす」

「お前はどうしてこういう時に限って頭が働くんだよ…」

「俺ァいつでも仕事第一でさァ」

「絶対ェ嘘だ…。でも、まあ、お前の言うことも一理あるな」

「でしょう?というわけで…どこへ行くんで?」

「…かぶき町だ」

「かぶき町?ほぉ〜、夜のかぶき町とはこれまた怪しげな場所へ行くんですねィ」

「テメー…分かってて言ってんだろ?」

「分かるって何がですかィ?俺ァエスパーじゃねェんで、土方さんの行動なんざ見当もつきやせん」

「ああ、そうかよ。とにかく行き先を教えたからいいだろ?俺は行くからな!」

「待ちなせェ…」

「あ?まだ何かあんのかよ…」

「かぶき町のどの辺に行くんですかィ?」

「あ!?」

「かぶき町ったって広いんで、もうちょっと具体的に言っていただかねーと…」

「………」

「おやっ、言えないような場所に行くんで?」

「そういうわけじゃ…ねェ」

「じゃあどこに行くんですかィ?」

「……ろずやだ」

「え?聞こえやせん。もっと大きな声で言ってくだせェ」

「…万事屋だって言ってんだよ!」

「ああ!銀時の旦那んトコに行くんですか…」

「そ、そうだ!」

「それなら最初っから『銀時のトコに行く』って言ってくれれば…」

「もう黙りやがれ!」

「はいはい…それじゃあ万事屋、じゃなかった…銀時の旦那によろしくー」

「っるせェ!」

 

(09.11.13)


万事屋へ行く前にこんなことがあったので、土方さんは完全に銀時呼びができなくなったのでした(笑)

それでは後編(18禁)へどうぞ!注意書きに飛びます