片想いの銀さんが告白するまで〜終〜

 

 

土方の言う「あのホテル」とは薬を盛られた土方が銀時と一週間過ごしたホテルであった。

今夜遂に土方と結ばれる!しかも限界の限界まで我慢して苦しんだあのホテルで…。

逸る気持ちを抑えきれず、銀時は約束の一時間前に着いてしまった。外で突っ立ってても仕方ないので、

銀時はロビーで待つことにした。ホテルのロビーに入ると…

 

「げっ!」

「わぁっ!」

 

煙草を吸いながらソファに腰掛ける土方を見付けた。

銀時と目が合うと土方はバツの悪そうな顔をしたが、銀時は構わずニコニコと近付いていく。

 

「ててててめー、九時って言ったじゃねェか!」

「えー、土方だってもう来てんじゃん…いつからいたの?」

「し、知るかっ!とと時計が壊れてたんだよっ!」

「そっか、そっか…じゃあ、行こ?」

「あ、ああ…」

 

銀時がフロントへ向かおうとすると、土方はエレベーターに向かって行く。

 

「もしかして、チェックイン手続き済み?」

「たまたま、早く着いた、からっ」

「へへっ…そっかぁ」

 

 

チンっと鳴ってエレベーターが目的の階に着く。銀時は土方の後を付いてホテルの廊下を進んでいく。

 

 

「こ、この部屋は…」

 

部屋番号を見た銀時は目を見開く。土方はそれをサクッと無視して部屋の鍵を開けると中に入っていく。

銀時も慌てて後に続いた。

大きめのダブルベッドに一人掛けのソファが二つと間に丸いテーブル。

この部屋は二人が一週間過ごした部屋だった。

 

「今日の今日で…よく空いてたな」

「まあ、たまたま…」

 

実はこの部屋を取るために土方は公権力を使ったのだが、そんなことを銀時に教えてやるつもりはなかった。

 

「じゃあ早速…」

「うおっ!」

 

銀時はベッドに土方を押し倒した。

 

「ちょっと待て!先に風呂…」

「ナニ、風呂場がいいの?銀さんとしては初めてはベッドでって思ってるんだけど…」

「違うっ!風呂に入らせろっつってんだよ!」

「ムリ!もう限界っ!」

「待っ…んんっ!」

 

土方の制止も聞かず銀時は唇を重ねた。暫くは銀時の胸を押したり髪を引っ張ったりして抵抗していたが、

それでも口付けをやめない銀時に諦めて力を抜き、身を任せた。

 

 

「んっ…ふぅっ……はぁ…んんっ」

 

 

クチュクチュと互いの舌を絡め合い、歯列をなぞり、上顎を刺激する。

少し唇を離しては角度を変えてまた口付ける。その間に互いの帯を解き、着流しを脱がしていく…

銀時が下に着ている洋服は、口付けたまま脱がすことができなかったので自分で脱いだ。

下着も脱ぎ、生まれたままの姿になった二人は再び抱き合って口付ける。

そして銀時が土方の顔をすまなそうに覗き込みながら言った。

 

「ご、ごめん…もう、入れていい?」

「…仕方ねーな」

 

もともと限界をとうに超えている銀時に、手順を踏んでいる余裕はなかった。

銀時は来る前に買っておいた潤滑油を掌に出すと、指に絡めて土方の後孔に挿入した。

 

 

「っ…」

「い、痛い?」

「いや…平気だ」

「じゃあ…動かすよ」

「…っ!ああっ!ああっ!」

 

 

早く繋がりたい一心で前立腺を捏ねる。土方の身体が痙攣し、一物からはダラダラと雫が垂れる。

それを見るたびに銀時は下半身がズクリと重くなるのを感じた。

 

 

「指、増やすよ…」

「待っ…ああっ!やっ…ああっ!」

「っ!ご、ごめんっ!もう限界!!」

「えっ、なに…待っ!!やめっ…ひあああっ!!!」

 

 

指を二本挿入し、数回前立腺を刺激したところで、銀時の理性が途切れた。

乱暴に指を引き抜くと、一気に自身を土方のナカに挿入した。

土方はいきなりの衝撃で悲鳴に似た叫び声を上げたが、潤滑油のおかげで傷付くことはなかったようだ。

自身を根元まで挿入した銀時は、土方の腰を抱えたままプルプルと震えている。

 

 

「もっ、もうムリ!一回イカせてっ!」

「えっ…ちょっと、待っ…ああっ!」

「くぅっ…はっ……すげぇ…」

「やあっ!ああっ!」

 

 

己の快楽のためだけに激しい律動を開始した銀時に、土方は翻弄される。

だが、我慢に我慢を重ねてきた銀時の限界はすぐに訪れた。

 

 

「はっ…うっく…も、ダメだ…」

「あっ?えっ…うあっ!」

「くっ…はっ……はぁー」

 

 

土方のナカに放出し、銀時は満足気に息を吐いた。

吐精したにも関わらず、自身のナカで存在を主張し続けるモノに土方が悪態を吐く。

 

 

「オメー…なんでイッたのに萎えねェんだよ…」

「そりゃあね、銀さんの我慢は一回くらいじゃ解消されねェよ」

「そうかよ…」

「そうそう。つーか、今夜は寝かさないからな?」

「はぁっ!?オメーどんだけヤるつもりだよ」

「とりあえず朝まで?じゃあ、二回戦いこうか?今度はちゃんとイカせてあげるからねっ」

「ま、待て!朝までって…ああんっ!」

「はっ…土方…大好きっ!」

「あっ、ああっ!あんんっ!!」

 

 

宣言通り土方は朝まで寝かせてもらえず、その日は仕事を休んだ。

 

 

 

こうして二人のお付き合いは順調に(?)スタートしたのだった。

 

(09.09.25) 


お疲れ様でした!この二人も漸く初エッチを迎えることができました。ただただお薬エッチが書きたくて始めた連載でしたが、書き始めてみると銀さんが限界にチャレンジする話に…

途中「ガバッといっちゃえ!」という銀さんへのエールもいただきましたが、両想いになるまでとっておきました。まあ、最初から両想いだったんだと思いますけどね。

それから、ホテルの中の描写をしていなかったことに気付き、慌てて最後に入れました(^^; ダブルルームなので、銀さんは薬の抜けた土方さんと二晩(六・七日目の夜)同じベッドで

寝たことになります。それでも手を出さなかった…悟りの境地ですか(笑)?ここまで辛抱強く見守って下さった皆様に感謝です!ありがとうございました!

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