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参
ホテル生活二日目
「う…ここは…」
「おっ、やっと起きたな」
「万事屋っ!……何も思い出せん。頭を打っているようだ」
「いや…打ってないから!監禁編っぽくしようとしてもダメだからね」
「チッ…」
俺の顔見た途端に真っ赤になったんだ。昨日のこと覚えてるっつーのは聞かなくても分かるな。
これから二人で朝メシ食いながら薬の話なんかをしようか…でも、その前にコイツ風呂入りてェかな。
一応あの後で身体拭いてやったけど、制服のままだし着替えもしたいよな。
「朝メシ食うか?その前に風呂入る?」
「…ふろ」
「だよなぁ…じゃっ、これ着替えな」
「これ…どうして…」
「ああ、昨日ジミーが持ってきてくれた。食いモンもな」
「山崎が?何でここを…」
「俺が沖田くんに連絡したの…あっ、携帯借りたぜ」
「あっ、ああ…それは、別に…。じゃあ、俺がココにいるっつーのは皆知ってんのか?」
「皆っつーワケでもねェみたいよ。…とりあえず風呂入ってこいよ。今後のことは朝メシ食いながら
ゆっくり説明するからよ」
「お、おう…」
* * * * *
「…つーワケで、真選組全員が危なかったところ、何とかお前一人の犠牲で済んだんだと」
「そうか…」
風呂から上がった土方は俺と一緒に朝メシを食いながら、現状把握に努めている。
俺とここに来た記憶も曖昧かと思ったのでそこから説明しようとすると自分が寝てからのことでいいと言われた。
どうやら、買い物途中で薬の効果が出始めたことや、我慢できなくて路地裏で自己処理したこと
それでも熱が引かず俺に扱かれたことも全て覚えているらしい。
俺にとっては説明する手間が省けて良かったが…コイツにとっては忘れてた方が嬉しかったんだろうな。
とにかく俺は、土方が催淫剤を盛られたこと、一週間ほどで症状は消えること、それまでココに泊まること
ホテル側には真選組としての捜査で泊まり込むと伝えてあることなんかを話した。
「あっ、それから薬の正確な情報を知ってんのは、ゴリラとドS王子とジミーくらいだってよ」
「そ、そうなのか?」
「ああ。残りの連中には『命に別状はないが、近くにいるとうつるからホテルに隔離した』ってことになってるらしい」
「うつるって…病原菌かよ」
「はははっ…で、俺は薬が抜けるまでの一週間、お前とここで生活することになったから」
「はぁ?何でお前が…」
「まあ、たまたま最初に居合わせちまったから…」
「だからって、こんな状態の俺と…」
「でも、もう一晩一緒にいたんだし?だったら二日も三日も一週間も変わらねェよ」
「い、いや…でもよ…」
「正式に依頼もされたしね」
「依頼?」
「そっ、依頼。だからお前は遠慮なく世話になってちょうだい」
「せ、世話って…」
「あれっ?じゃあ俺ってデリヘル?…あっ、でも一緒に暮らすんだからデリバリーじゃねェか。
なあ…こういうの何ていうんだ?」
「…知るかっ」
真っ赤になって俯いちゃって可愛いなぁ。昨日の俺の手を思い出して疼いちゃった?なーんてな。
…ん?疼く?もしかして…
俺は着流しの裾を割って下着の上から土方の股間を掴んだ。
「ぎゃあっ!」
「やっぱり勃ってんじゃん。いつからだよ?我慢しねェで言えよな」
「うっ…あ…」
「ああー、話は後な。ほらっ、こっち来いよ…抜いてやっから」
「い、いや、自分で…」
「ナニ言ってんだよ。昨日ので分かっただろ?テメー一人でどうにかできるモンじゃねェんだよ」
「そ、それは…」
「いい加減に腹括れよ!薬なんだから仕方ねェだろ?治療だと思ってりゃいいからよ…」
「治療?」
「そっ?害のある薬物を体から排出する治療」
「わ、わかった…」
土方は俺に手を引かれてベッドの上に座った。
(09.09.20)
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