夜勤明けで珍しく定時に上がれた。風呂に入って着替えてメシ食って…それでもまだ昼間といっていい時間帯だ。俺は万事屋へ行くことにした。俺と万事屋は…その、こ、恋人同士ってやつだ。男同士で、しかもケンカばかりしてた俺らがどうしてそうなったかっつーと…まあ、あれだ。ご想像にお任せします。…だからって、あんまり変な想像すんじゃねーぞ?ん?だったら、付き合うようになった切欠を言え?そっ、そんなん…言えるわけ、ねーだろ!つ、付き合うっつーことは、あれだ。こ、告白っとか、だろ?つ、つまり、そーゆーことだ!もう終わりだ終わり!

…本題に戻るぞ?俺は今、万事屋に向かっているんだ。こんな時間じゃ、仕事で出てるかもしれねーな。仕事じゃなくても買い物とかパチンコとかで家にいないかもな。だからって家に電話すんのもな。わざわざ約束して会うなんて…な、なんか…でデート、みたいじゃ、ねェか。そ、そりゃあ、デートだってしたことある、けどよ。でもそういうのは、いつもアイツからで…ん?…随分と初々しい?バカにしてんのか!

あー、んなことやってる間に着いちまった。…あ?今日はお泊りかって?…んなもん、分かんねェよ。い、一応、泊まりでも、対応できる、ようにはしてっけどよ…そういうのも、いつも、アイツから…なんだよ?いーじゃねェか受け身だって!…は?受けだけに受け身?…面白くねーんだよ!とにかく、もう万事屋に入るから話しかけてくんなよ!…期待してますじゃねーよ!


銀さんが寝ている隙に腕枕に挑戦


「邪魔するぜ」
いつも鍵をかけてないのは知っているので、ガラッと玄関の扉を開けたが誰も出てくる様子はない。やはり留守か?だが、銀時の靴はあるな…。とりあえず中に入るか。俺は草履を脱いで上がっていった。

事務所に入るがやはり誰もいない。銀時だけじゃなく、メガネやチャイナ、定春とかいうデケー犬も姿が見えねェ。だが何となく、和室に人の気配がする。…俺はそっと襖を開けた。

…この、マダオが!

和室の真ん中で銀時が大の字になって眠っていた。布団の上で、寝間着姿で寝てるってことはずっと寝てんのか?それともまた朝まで飲んでたのか?どちらにせよ、主がこんな調子じゃ仕事はできないから、ガキ共はそれぞれ自由に過ごしてるってわけか。まったく、しょーがねーやつだな。

軽く脇腹を蹴ってやったが起きる気配はねェ。何だか、気持ち良さそうに眠るコイツを見てたら俺も眠くなってきた。そういやァ夜勤明けだったな。俺は部屋の隅に畳んで置いてある布団を持って来て、銀時の左側に敷き、横になる。

「……」

アイツが大の字になってるせいで、俺が少し横を向くとアイツの手が目の前に来る。別にそれ自体は構わねーんだが…ちょっとだけ、抱き締められてェ、とか、思っちまった。…銀時はまだ眠ってる。俺はゆっくりと半身を起こし、銀時の腕の中央辺りに俺の頭を乗せた。あまり重さがかからないように、顎と首と肩でできる隙間に腕が納まるようにして。

身体が熱くなった気がする…だけど妙に安心感もある。さっきより眠気も増してきた。このまま、寝ちまおう。俺はゆっくりと目を閉じた。


*  *  *  *  *


あーよく寝た…でも、まだ眠ィな。今、何時だ?…んあっ?なんか左腕が重…って、土方!?えっ、ナニ?何で土方がここにいんの?しかも何で腕枕?…あれっ?俺、コイツ連れて来たんだっけ?えーっと…昨日は確か……そうだよ!土方は夜勤だとか言うから一人で飲みに行って…で、朝帰りして…玄関で寝てたら出勤してきた新八に起こされて…とりあえず風呂!とか言われて、入って…また寝たんだよな。

あれっ?やっぱり土方とは会ってねーよな。…じゃあコイツ、自分でここに来たのか?…それはないな。いや、ここに来るくらいはあるだろうが…腕枕はねーだろ。だいたい人ん家来て、いきなり寝るとかねーだろ?あっ…性的な意味でなら、来ていきなり寝ることはあるけどね?…って、そうじゃねェよ!うーん…でもなー、ちゃんと隣に布団まで敷いてるし…寝に来たんかなー。用事があったら、俺のこと蹴り飛ばしてでも起こしそうだしな…。

も、もしやコレはお誘い!?めったにないデレ期が来たのか!!なんだよー…それならそれで、早く起こしてくれればよかったのによー。コイツからちゅーとかしてくれりゃァ、一発で目覚めたのに…まあ、いいか。王子様のキスでお姫様が目覚めるっつーのがセオリーだもんな。よしっ!
「んっ…ふっ…」
…起きねェな。声出てるから起きたのかと思ったのに…じゃっ、今度はもっと濃厚なヤツを…
「んんっ…んっ、んっ、あっ…ふっんん…」
……えっ…何で起きねェの?ベロちゅーだよ、ベロちゅー!いつものコイツなら、もう瞳がトロンってなって、アソコなんかビンビンになっちゃうようなのをしたっつーのに……あっ、ソコの反応はいつも通りなのね。すげーな…寝てても硬くなるもんなんだな。おーおー、服の上から軽く撫でただけでビクビクしちゃって…ホント、敏感だよなー。よしっ、どこまでヤったら起きるか実験だ!

俺は土方の頭が乗っている左腕をそっと抜いた。

(09.09.02)


続きはただのエロです。大丈夫な方だけどうぞ後編