後編
「て、てめー、まさかとは思うが…ここでヤるつもりか?」
「もっちろん!もう何日もお前の近くにいんのに、ロクに触れもしなかったから、銀さんはち切れそうです!」
土方はいつの間にか敷かれていた布団に押し倒されていた。話しながらも銀時の手は土方の着物の袷から中に侵入していく。
「…っ、そのまま爆発しちまえっ!」
「まあまあ、大人しくしてりゃー悪いようにはしないって」
「それっ、明らかに…悪いようにする、ヤツの、セリフ、だろっ!」
銀時の手の動きに煽られながらも土方は悪態を吐く。
「何?酷くされてェの?そっちがいいってんなら、そうするよ?幸い、ここには手錠やら縄やらいい道具がいっぱいあるしなー」
「やめろっ!分かった!分かったから…さっさと終わらせろ」
「了解ー」
このままでは本気で拘束されかねないと思った土方は渋々承諾する。そして土方の了解を得た銀時の手はますます大胆なものになっていった。
* * * * *
「んっ…ふっ……くっ…」
「なあ、声出せよ。窒息しちまうぜ?」
「っ…めだっ!気付かれ…っちまう」
「大丈夫だって!この部屋、他とは離れたところにあるし、だいたい、この時間じゃほとんど寝てんだろ?」
言いながらも、銀時の手は止まらない。土方は着流しの帯を解かれ、下着も脱がされた状態で、自身を銀時に握られ、
時折胸の飾りを舌で愛撫されている。銀時の手と口と、そして屯所で淫らな行為に及んでいるという状況が相俟って、土方は
いつも以上の悦楽で包まれていたが、手の甲で口を覆い、必死で声を抑えていた。
「なあ、ちょっと力抜けって」
「んーんー」
必死で声を出すまいとしている土方は全身に力が入っていて、後の蕾は硬く閉じたまま指一本すら入らない状態で…
銀時が何とか宥めようとしても、土方は口を押さえたまま首を横に振るだけで、力を抜く気配がない。
「っとに、強情なんだから」
「や、やめっ…」
銀時は下半身から手を引き、土方の口を覆っている手をはずしにかかった。土方の制止も聞かず、両手を一纏めにしてシーツに縫いつけ、
自らの口で土方の口を塞ぐ。最初は唇と唇を重ねるだけ。次第に口付けを深くしていく。お互いの舌と舌が絡み合うようになると、
徐々に土方の力が抜けていった。それを見計らって銀時は再度後孔への侵入を試みた。
「んっ…んうっ…んー!」
今度は容易に銀時の指を飲み込んでいく。一本の指を全て納めると、前立腺をさがしながら前後に抜き挿しする。
すると今まで以上の快感が土方を襲い、土方は声を出さぬよう必死で銀時の後頭部にしがみついて、自身の口を銀時の口で塞ぎ続けた。
それに気をよくした銀時は、ナカの指を二本に増やした。
「んー!んー!…んーっ!!…っ、はぁ、はぁ…」
二本の指で前立腺を擦られ、限界を超えた土方の前は白濁の飛沫とともに弾けた。土方が達したのを確認してから銀時は口を離す。
達したばかりの土方の目は焦点が合っておらず、ぼんやりと空を眺めているようだった。
「あっ…」
銀時が自身に土方の出したものを塗りつけ、土方の腰を抱えて二本の指で解した入り口に宛がうと、土方から期待のこもった溜息がもれる。
銀時はニヤリと笑みを浮かべて挿入を開始する。
「ああっ!…んっ、はっ…あっ!」
声を抑えようという決意は手放してしまったようで、銀時が侵入してくるたびに土方から感じ入った声が上がる。
一度達して萎れかかっていた土方のモノは、再び硬度を増してきた。
「ふぅー」
「んっ…ぎんっ、早く…」
「うわっ…ちょっ!」
自身を全て納めた銀時が一息ついていると、土方が催促の声を上げ、腰を揺らめかせながらナカをぎゅっと締め付けた。
そのあまりの心地好さに危うく持っていかれそうになった銀時だったが、ぐっと堪えて土方のイイところを突くように腰を動かし始める。
「あっ、あっ、んんっ!はぁっ!…ぎんっ、いいっ!そこっ!」
「んっ…ここ?」
「ああっ!そこっ、そこっ…やあ!もっ…」
「うっ、わ…ちょっ、俺、も…ヤバ…」
完全に理性とさよならした土方は更なる快楽を求めて腰を揺すり、銀時を離すまいと締め付ける。先に達するわけにはいかないが、
このままではあまり長く保ちそうにもないので、銀時は土方自身にも刺激を与え始める。
「やあっ!…ああっ!もっ…だめっ!…ああんっ!」
「うっ…くっ!」
「ああ…いいっ!あんっ…やっ!はっ…ぎんっ、ああっ!」
「くっ…はっ…」
幹を上下に擦りながら先端の窪みに指先を捻じ込むようにすると、土方の声が一際高くなる。それと同時にナカの収縮も激しくなり、
銀時の限界も近くなる。何とかして土方を先にイカせようと、銀時は手の動きを激しくしていく。片手で上下に擦り、もう一方で先端と括れを刺激する。
銀時が動くたびにグチュグチュと淫らな水音が響き、先端からはだらだらと蜜が溢れ出し、土方のモノは今にも達しそうにふるふる震えていた。
「あっ…くっ、はぁ、はぁ…」
「…っああああああ!!」
銀時が達した直後に土方も達し、それと同時に土方は深い眠りについた。
あー…くそー、先に出ちまった。何だよアレ…あの動き、ヤバすぎんだろ…。まあ、すぐ後にアイツもイったみたいだからいいけど…
でもなー、男としての威厳ってモンが…ってコイツも男だけどよ。
あんまり刺激的なことすっとダメだな。抵抗して抵抗して、堕ちた時のノリのよさが尋常じゃねーな。うん。これからは屯所ですんのはやめよう。
銀時は土方の身体を清めながらそんなことを考えていた。
* * * * *
翌朝。本日非番の土方は、朝食ギリギリの時間に目覚めた。起きた時はきちんと着物を着ていて、身体もきれいになっており、
下半身の痛みさえなければ昨夜のことは夢だったのではないかと思うほどだ。といっても、一度達してからの記憶がほとんどない土方にとって、
半分は夢と変わらないものだった。
ゆっくりと立ち上がり、腰を庇うようにして食堂へ向かう。
「あっ、おはようございます土方さん」
「もぐもがうぐ(おはようアル)」
「おお」
食堂には既に新八と神楽が来ており、銀時と三人並んで朝食をとっていた。土方は二人に軽く挨拶をして、いつも通り近藤の隣に座る。
「トトトトトシ!おおおおおはよう」
「ああ。…どうしたんだ?すごい汗だぞ?」
「いいいいいや、なななななんでもない!」
「そうか…何か顔も赤くねーか?熱でもあんじゃねェのか?」
「おおおおお俺のことは気にせず、食え!ほらっ、マヨネーズだ!」
「あ、ああ…」
釈然としないながらも、土方は全ての料理をマヨ塗れにして食べ始める。
昨夜、土方の嬌声は屯所中に響き渡り、さすがの近藤も二人の関係に気付いてしまった。更には土方が起きる前に沖田からあることないこと
吹き込まれた近藤は、先ほど銀時に「トシをよろしく頼む」と涙ながらに訴えていたのだった。
「トシが、トシが幸せなら、おれは、それで…」
「ん?おいおい、何泣いてんだ?」
「何でもない…幸せになってくれ、トシ」
「はあ?いったい何の…」
こうして、土方の知らぬところで銀時との関係は真選組公認になった。
(09.08.16)
photo by 素材屋angelo
前回のエロ(1000HITおまけ)で本番省略したので、今回は絶対に本番を!と意気込んだ結果がコレです。しかも下手するとグダグダ会話が始まりそうになるので、土方さんの口を塞がせてもらいました(笑)。
そして前回に引き続き銀さんがやられちゃってます…ヤられてはいないけどね。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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