7月21日記念作品〜土方受け編〜


見たいドラマがあるとかで総悟と代わってやった夜勤。監察の報告も待っていたし別に
構わなかったのだが、近藤さんに見付かって元のシフトに戻された。
けれど急なシフト変更に体がついていかず、夜勤体制のまま――つまりは全く眠くない。
一応、布団に入ってみたが眠くはならない。

そんな時、携帯電話が鳴った。万事屋からだった。
何でも、今夜は家に誰もいないから会えないかと……万事屋との関係は皆が知ってはいるものの、
夜勤でなくなった途端会いに行くというのはいかがなものか。渋々夜勤中の総悟にも何と嫌味を
言われるか分からない。総悟に関しては自業自得ではあるけれど。

万事屋には申し訳ないが急な夜勤ということにして断った。

「…………」

目が冴えたまま寝返りを繰り返していると、万事屋に行けばよかったんじゃないかと思えてくる。
行けば恐らくナニをして……そしたら疲れるし、スッキリするし、眠くなるかもしれない。
だが今更行くわけには……そもそも眠くないからという理由で恋人の家に行くのは失礼だ。

「仕方ねェ」

一旦布団から出てティッシュ箱を手に再び布団へ戻る。
掛け布団を頭まで被り、その中で下着を脱いだ。

「ふっ……」

握ったモノは既に熱を持っていて、浅ましい己の身体に眉を顰める。
ほんの少し、そういうことを考えただけだというのに。こんなことを万事屋が知ったら……

喜ぶだろうな。

アイツはそういうヤツだ。「土方くんてば淫乱なんだから」とか言って嬉しそうにするんだ。

「っ……」

アイツがそんなんだから俺はますます浅ましくなる。せめてもの抵抗に俺から欲しがるような
真似はすまいと決めているものの、アイツは事あるごとに何が欲しいだの何処に欲しいだのと
聞いてくる。俺が言いたくないのを分かっていてあのドS野郎……

ここにテメーのモンが欲しいに決まってんだろ!

先走りを絡めた指を二本後ろへ入れた。

「ハァ、ハァッ……」

もう、テメーに突っ込まれなきゃダメなの分かってんだろ?こんな俺でいいってんならさっさと
寄越せや。テメーも気持ち良くしてやるからよ。
指を三本にして中を動かす。この中で、アイツのナニがどう感じるか確かめるために。
アイツが動かない時は、入口よりも奥から押し出すようにした方がヨさそうにしている。
抜いてる時には入口で絞るのが一番だな。入れる時は逆に力を抜いて――

「大変です副長!」

襖越しに隊士の声。何事だと応えながら急いでティッシュで手を拭い襖を開けた。

「ゴリ……近藤局長暗殺計画の無線を傍受しました」
「分かった。近藤さんには?」
「沖田隊長が今伝えに行ってます」
「そうか」

無線の真偽を吟味しつつ近藤さん警備の算段をつける。結局、夜勤になっちまったな。
近藤さんの命が懸かってるんじゃやるしかねーか。
万事屋、これが終わったら会いに行くからな。


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