後編
「んん〜っ!」
逃れようと藻掻く土方くんの後頭部を右手で押さえ付けてキスを続け、左手を股間に下ろす。
当然、抵抗は強まり、頭頂部の髪を掴んで後ろに引っ張られた。何本か抜けたが構わず右腕に
力を込め、唇同士を更に密着させる。土方くんは膝を内側に入れ、体の密着を拒んでいた。
そうやすやすと流されてはくれねェか……だけど、殴ったり蹴ったりと本気の抵抗は見せない
もんだから俺も諦めない。多分、嫌がらせや辱め目的でヤってるわけじゃないって分かるから
攻撃を仕掛けられないのだろう。それに嫌いな相手でもないし……ってのは都合よく考えすぎ?
そうこうしてるうちに左手の感触が硬くなってきた!俺のこの黄金の左にかかれば酔いも戸惑いも
吹っ飛ぶぜ!!
「ぷはっ!」
唇を解放し、今度は至近距離で見詰めつつ左手はそのまま。酒を飲んだからでも抗い暴れたから
でもなく顔が赤くなっていく土方くん。折角口がきけるようになったってのにギリリと歯を食い
縛って文句の一つも言わない。下半身の状況に気付いて恥ずかしがってんな?触られたら勃つのは
当たり前だってのに、本当に可愛いんだから。俺なんか、土方くんの寝顔見てただけでチンコ3D
だからね。土方くんなんてまだまだ2.5Dくらいだろ。
「早く大きくなーれ」
「何なんだよマジで……」
呆れとも諦めともつかない声で土方くんが言う。
「気持ち良くない?」
「そういう意味じゃねーよ」
分かってるけどわざとだよ。つーか気持ちいいのは認めちゃうんだ。
もっと気持ち良くしてあげるとパンツを下ろしにかかれば、案の定、制止の声が上がったけれど、
構わずパンツのゴムをずらして2.5Dチンコとご対面。
「おおー」
「なん、だよ」
「いいモノ持ってんなァと思って」
喋りつつ土方くんから下りる。
「こりゃ3Dになった時が楽しみだ」
「は?3D?」
「フル勃起ってこと。ではイタダキマース」
「はあ!?」
「んうっ!」
2.5Dを咥えた瞬間、ケツの穴が疼きだした。入口がむず痒く、奥は勝手に収縮する。
「待て」「万事屋」「おい」――土方くんが当惑してるけど言いくるめてる余裕はもうなかった。
一刻も早くこれを3Dにして突っ込みたい。
唇で根元から先っぽに向けて吸い上げると、ケツの奥から入口に向かって快感が這い出してくる。
もう我慢できねェェェェェ!!
一旦2.5D――もう2.8Dくらいだな――を離し、パンツを脱ぎ捨ててまたすぐ咥え直す。
で、左の中指と薬指は自分のケツの中。カリの張り出しに軽く歯を当てて吸いながら、そこで
擦られるところを想像して前立腺をぐりぐり――あ〜、マジで気持ちいい。ケツだけ見れば
オナニーしてんのと変わらないはずなのに、口の中にホンモノがあるせいで普段の何倍も興奮する。
土方くんは多分、呆気にとられて何も言えないだけだったと思うけれど、俺に身を委ねてくれた
ように感じて更に興奮した。
「ふぅ、ふぅ、んぅ……」
「っ――!」
自分の息遣いが煩くて、土方くんの控えめな喘ぎは聞こえない。でも今はとにかくケツの疼きを、
口の中にあるモノで解消したい――それだけを考えていた。
「ハァッ、土方くん……」
俺の唾液に塗れ、3Dになった土方くんのチンコを前にケツの奥がきゅんきゅんする。
何の躊躇いも断りもなく俺はその上に腰を下ろした。
「あ……ああっ!!」
挿入と同時に……いや、挿入しながら俺はイッてしまい、土方くんのチンコが全部入った頃には
一度目の射精が終わっていた。
早いことにかケツでイッたことにかは分からないが、土方くんはイッた俺より呆然としている。
一方の俺は、落ち着くどころか新たに生まれる疼きに任せて腰を振り始めた。
「あ、いいっ、あっ、あっ……」
土方くんの肩を掴み、外れないギリギリまで腰を浮かせてまた落とす。
そういや俺は全裸だけど、土方くんはパンツをちょこっとずらしただけ。さっきのザーメンで
着物を汚しちまったな……濡羽色の着物だからきっと目立つだろう。
快楽でトんでる俺には見えてなかったけれど。
「はっ、あん……気持ちいい……」
腰を浮かせ気味に、土方くんのカリを前立腺に引っ掛けて、短い距離を行ったり来たり……
体勢はかなりキツイけど、やめられない止まらない。
「う……あっ……くぅっ!」
太股がぷるぷるし始めた時、土方くんの手で腰を左右から掴まれた。
一番イイトコで俺のケツを固定して、土方くんが下からチンコを突き入れる。
「あっあん!それ、やばいっ……イクっ!」
シーツに膝を付き、土方くんの首に腕を回して縋り付き、与えられる快感に悶える。
「イク……うっ、あ……ああっ!!」
内側から破裂したような感覚――パァンと何かが弾けて俺は出さずに達した。
土方くんの手が次第に背中へ回る。脱力状態で座り込めば、再び土方くんのチンコが奥まで
埋まることに。
「あう……あ……」
「おい、大丈夫か?」
「土方くんのチンコ、すげぇ気持ちいい……」
土方くんの心配をよそに、俺は自分のチンコを扱いていく。酒は抜けきれてねぇし怠いけど、
気持ち良くて止められない。今ケツでイッたから次はチンコで――
「はあんっ!」
「まっ待て!」
止められないはずの行為。俺の手をがっつり押さえて土方くんが強制的に止めちまう。
「離せ!イカせろっ!」
「待てって!俺も、その……ヤバイから……」
「あ?」
元から意識が朦朧としてるのに土方くんの滑舌が悪くなっていくもんだから、何を言われたんだか
聞きとれない。だからつい、語気を荒げちまった。
「はーなーせー!」
「やめっ……」
挿入箇所を軸にして身体を揺らせば土方くんは強く抱きしめてそれを阻む。
でもおかげでチンコはフリーだ。今のうちにと俺は高速で手を動かした。
「ああ、ああっ……!」
「やめろ!出るからっ……抜い……」
「中に出してっ!」
「!?」
何だ……土方くんってばイクの耐えてたのか……遠慮しないでバンバン出せばいいのに。
「土方くんのせーし、いっぱいちょうだいっ!」
「てめっ……」
「あああーっ!!」
「うっ!!」
すげぇ……土方くんの精液が俺の中に……
「土方くん!」
「うわ!」
押し倒した弾みで抜けたが今はそれでもいい。土方くんが俺の中で感じた証がとろりと垂れるから。
ちゅっちゅと何度もキスをしながら帯を解き、平らな胸の小さな突起に手を這わせた。
「んっ……」
「乳首、感じる?」
「るせっ。つーか、まだヤんのかよ……」
「うん」
邪魔な布をはだけさせて乳首を露わにすると、土方くんは少しだけ身体を起こして両袖から腕を
抜いてくれた。そんな積極的に出られちゃうと銀さんすぐまた3Dに……あ、もうなってた。
2.5Dに戻ってる土方くんのと重ねて握り、舌で乳首を転がす。
「ふっ、ん……」
舌の動きに合わせてピクピクと振るえる土方くん。手の中では成長期を迎えたムスコさん。
俺のはとっくに成長しきって先走りが漏れている。
ダメだ――本能で俺は悟った。
「こっち」はさっきより丁寧にヤらなきゃと思っていたものの、この段階で丁寧にヤってたら
肝心なところで我慢できなくなる。一先ず「肝心なところ」をヤってから、まだ余裕があったら
乳首に戻ろう。
自分のヌルヌルを中指に絡めて土方くんの入口に塗りつけた。
「っ……」
ケツの穴に触れた途端、土方くんは身体を強張らせた……が、抵抗はしない。それどころか早く
入れろと目で訴えてくる。俺のように中が疼いてるわけでもなさそうなのに何でだ?
「入れていい?」
「いちいち聞くなっ」
ああ……お前にできて俺にできないことはないとか思ってんだな?こっちでも負けず嫌いなのか。
可愛い土方くんに思わず笑みを零したら、馬鹿にされたと思われたのか、早くしろと脇腹を膝で
蹴られた。
「じゃあ入れるよー」
「だからいちいち言うな!」
怒られたけど断りを入れないわけにはいかない。だって土方くん、ビビってるんだもん――なんて
言ったらさっきより本気で蹴られそうだけど。
好きな子の過去は詮索しないのが鉄則。でも土方くんの反応からするとケツの穴使うのに慣れては
いないっぽい。今だって、入れるって言ってんのにぎゅって閉じてるからね。括約筋バリケードが
形成されてるからね。
「もうちょい力抜いてねー」
「…………」
指の腹で入口の周りを軽く押してマッサージ。優しくされるのが不服なのか、土方くんはチッと
舌打ちして力を抜いた。
「では今度こそ入れまーす」
「さっさとやれ」
「はいはい……」
折角抜けた力がまた入る……もしかして、挿入宣言されると構えちゃうのか?黙ってずっぷり
いくのが正解?
下の口を見てみれば「多少の痛みは我慢するぜ(ハート)」って言ってるように見えた。
「えいっ」
「うっ……」
中指の先、第一関節の辺りまで入れてみた。ほほう……これが土方くんの中ですか……
細心の注意を払って俺は指を一本まるごと埋めていった。
「痛くない?」
「どうってことねーよ」
「そっか……」
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!俺はどうってことあるよ!!中指がとんでもなく気持ちいい!!
なにこの程よい温かさ!なにこの程よい狭さ!吸い付き!弾力!湿り気!
あ〜〜〜早くチンコ入れてェェェェェ!!
もう俺のチンコ3D超えてない?四次元いくよ?時空を越えて過去と未来の土方くんとも
合体しちゃうよ?
「うあっ!」
中で指を軽く曲げ、前立腺に当たるように行ったり来たり行ったり来たり……やっぱり土方くんは
慣れていないらしく、ケツの中がこんなに感じるなんて信じられないって顔しながら悶えてる。
ひょっとして、ハジメテを俺にくれるんだろうか――
「指、増やすよー」
「っ……」
あ、黙ってずっぷり方式忘れてた……俺が声をかけちまったから土方くんはケツを硬くしちまって
指二本でもかなりキツイ。土方くんも痛いと思うが、俺の指も結構痛い。でも下手に動かせば
入口を傷付けかねないから、中指と薬指を第二関節まで――この状態で馴染むのを待った。
ハァハァと忙しなく呼吸をしながら左手で緩く自分のチンコを擦る。神経は土方くんに入れた指に
集中して。
ここにこれを入れてあんなことやこんなことやそんなことを……想像しつつ指先を少し開く。
いくらか馴染んだみたいで、そのまま奥へ進めても、逆に入口近くまで抜いても痛みはなさそう。
「あっ!」
二本で前立腺を押せば久しぶりに可愛い声が聞けた。
「ひっ……あ、くっ!」
土方くんの喘ぎ声がもっともっと聞きたくて、前立腺ばかり攻め立てる。きゅうきゅう締まる中で
指を動かせば俺のチンコがァァァァァァ――
「土方くんごめん!」
「は?」
まだチンコの出番には早いなんて百も承知。だけど無理なものは無理なんだ。
これ以上我慢したら爆発する!空気中の何かとヌルヌルな何かが化学反応起こして何か爆発する!
というわけで俺は土方くんと合体させていただきました。そんでもって、
「うっ!!」
イッちゃった。てへっ。
「てへ、じゃねーよ!」
「あれ?声出てた?」
痛ェよ下手くそと毒を吐いて土方くんは俺の腕をぱしり。
「だから謝ったじゃねーか。過ぎたことをネチネチ言うなよ」
「現在進行形でケツが痛いんだよ!出たならとっとと抜け!」
「何言ってんの。このまま二回戦だろ?」
「ンなこといつ決めた!」
「つーか土方くんは終わってないでしょ」
「くっ……」
真っ直ぐ土方くんの顔に向いて反り返るチンコをそっと握る。
ケツが痛いって言うけど、確かに俺のチンコもギチギチに締め付けられてるけど、でも土方くんの
チンコは3Dのままだよ?もしかして土方くんってMなの?もしくはドMなの?
「なあ、どっち?」
「何が」
「あ、今のは聞こえてなかったのね……」
とりあえず土方くんはドMってことにして俺の、
「誰がドMだ!」
「え、今のは聞こえてたの?」
どういう仕組みなんだよ……
ではとりあえず土方くんはドMじゃないってことにして、中に出た精液で適度にぬるついてるから
傷付くことはないだろうと、俺は腰を引いてチンコを抜いていく。
「はっ、う……」
雁首がイイ所を通るよう角度を探りながら。
「あ、んっ……あ!」
見付けたらそこばかり重点的に。気持ちいいくせに――きっと、今まで経験したことないくらい
気持ちいいくせに――乱れまいと必死の土方くん。そういうことされると益々激しくしたくなる
じゃないか。
「うあっ!も、やめ……」
「もっと気持ち良くなろーよ。ほらっ」
「あぁっ!」
先端まで引き抜いて、ずんと一気に貫けば、揺れた土方くんのチンコから先走りが飛び散る。
それが俺に突っ込まれてイッたようにも見えて、何度も何度も同じことを繰り返した。
「いっ、あ、がっ……」
「ハァッ、土方くんっ……」
土方くんの痴態に興奮し、忽ち俺も込み上げてくる。だが流石にもう先にイクわけにはいかない!
俺は土方くんのチンコを扱きはじめた。
「ひうっ!あ、やっ……」
「土方くんの中、ビクビクいっててすげー気持ちいい」
これが俺とヤってて感じてるのだと思うと余計に気持ちいい。
「う、あっ、あぁっ!」
「一緒にイこう?中に出していい?」
「な、でもいいから……もうっ!」
「うん。俺も」
チンコを高速で扱きつつ、腰は土方くんを感じさせる動きから射精のための動きに切り替え――
まあ、そのままでも充分イケそうなんだけどね。
「ひあぁぁぁぁ……!!」
「ああっ!!」
俺の手は土方くんの精液で濡れ、土方くんの中は俺の精液で濡れた。
「ハァ、ハァ、土方くん……」
「もうムっ……」
土方くんに抱き着いてキスをする。舌を入れると土方くんも舌を使ってくれるから離れ難くなる。
抱き着いた拍子に抜けたチンコを土方くんの引き締まった身体に擦りつけるのも気持ちいい――
なのに土方くんは俺を押し上げて無理矢理キスをやめさせた。
何だよ……自分だって舌くちゅくちゅしてたくせに!
「今更キスの一つや二つ、勿体付けんなよ」
「キスだけで終わらす気ねーだろ。何回ヤるんだテメー……」
「分かった分かった……もう入れねーよ。ちょっとくっつくだけだから」
「んむっ」
ぷらぷらしてる土方くんのチンコと俺のを合わせてまたキスをする。約束通りセックスは打ち止め。
でも結局二人とも勃っちまって(土方くんも案外ノリノリなんだ)抱き合って、互いのチンコと
チンコでぐちゃぐちゃヤって、そのまま眠りに就いた。
翌日俺は大事なことを言ってなかったと気付くのだけど、その時にはもう、土方くんは仕事とかで
帰ってしまっていた。
(12.08.24)
もう少しだけ続きます。終編はこちら→★