おまけ
交際宣言から逃走した土方の元へ、程なくして近藤からメールが届く。今日はもう、仕事を
終わりにしてよいというもの。更に、明日は屯所で祝賀会だと添えられていた。そんなことを
されたら先程の二の舞――いや、人数を考えたらもっと酷くなるのは明らかだ。銀時との仲は
近藤の胸に留めておいてほしいと急いで返信したのだが、「総悟が張り切って準備してる」と
返ってきてしまう。もうダメだ……土方は今夜帰る家を失った。
* * * * *
二人はコンビニで食料その他を買い込み、本日の寝所となる宿を探す。定食屋の上は使えない。
そのうえ土方は制服姿なものだから、一緒にいる銀時もどんな悪さをしたのかと目立っていた。
「……お前は帰ってもいいんだぞ?」
「帰れるわけねーだろ……」
今帰ればまた質問責めに合うに決まっている。それに折角会えたのだから……
人目を避けて路地を行く二人はやがて一軒の宿に入った。
持ち込んだ食料で遅めの昼食をとり終えたらすることは一つ。
ベッドへ誘う銀時にシャワーくらい浴びさせろと土方は浴室へ向かう。
「どーせ汚れんだから後でいいのによー……」
シャワーコックを捻る土方の後ろにくっついて、銀時は股間をもみもみ……
「前も後も入ればいいだろ」
「うぷっ!」
銀時の顔目掛けてシャワーの湯を出してやれば股間の手は止まる。
「へーへー、分かりましたよー」
ボディーソープを手の平に出して、銀時は再び後ろから土方のモノを握った。
「おい……」
「洗ってやるよ」
「ああそうかい」
「あっ……」
お返しに土方も銀時の股間に手を。
結局、碌に体を洗えないまま二人は浴室を出てベッドへ。
「しゃぶらせて」
土方の返事を待たずに銀時は、その前に踞って一物に舌を這わせ始めた。
「んむ……はぁっ……」
「……美味いか?」
実に愉しげに一物を咥え込む銀時へ、そんなことを尋ねてみれば、
「美味しいよ。……マズイけど」
と、何ともよく分からない答えが返ってくる。
「どっちだよ」
「だからマズイけど美味いんだって……お前の精液」
「っ……」
早く出せと言わんばかりに先を吸われて土方は息を飲む。滲み出てきた雫を舐めとりつつ
銀時は続ける。
「ふとした時に……んっ、飲みたくなんだよ……」
「っ……ハァッ……」
「試しに、自分の舐めてみたけど……なんか違った……」
「…………」
よくもまあ、恥ずかしげもなく言えるものだ……そんなことを言って、じゃあお前はどうなんだと
聞かれたら困るので黙っているが。
けれど、黙ったことでより一層興味を引かれたようで、一物から顔を上げてじっと見上げる。
「お前はねぇの?」
「……何が」
「銀さんの味が恋しくなること」
「……あっても、テメーのモンで代用しようとは思わねェよ」
「でもあるんだ?」
「……まあな」
「じゃあ……」
「ああ」
銀時は身体を起こし、土方は身体を倒し、二人は頭を逆にして向かい合う。
そして、目の前のモノをふわりと握った。
「もう漏れそうじゃねーか」
「んっ……」
浮き出た血管を舌で辿れば、銀時の先端からぷくりと体液の玉が生まれる。
「土方くんのチンコ、美味しいんだもん」
「て、めーは……」
そればかりだな、という台詞は舌先で尿道口を抉られて発することができなかった。
そこからは互いに一物を咥え、啜り、舐めていく。
「ん、む……」
「はぅ、ん……」
漏れ出る先走りも悪くはないけれどもっと――銀時は土方の後孔に指を差し込んだ。
「んうっ!」
内部の快楽点を抉られて、一物を咥えたまま土方は喘ぐ。
「んっ!ふ……んう!」
「あうっ!」
しつこくソコばかり責めてくる銀時に一矢報いてやろうと、土方も銀時のナカに指を挿入した。
「あっ……んぐ!ん!」
離れてしまった口にもう一度土方のモノを誘い込み、銀時も埋めた指を動かす。
強い快楽に意識が朦朧としてきて、咥えられているから気持ちがいいのか咥えているから
気持ちがいいのか分からなくなってくる。そして、
「んー、んー、ん〜!」
「んんっ、ん……っ!」
「「んうぅぅっ!!」」
遂にどくどくと粘液が放出された。
「んっ、く……」
「く、ん……」
口内に注がれた精液を飲み込みながら、最後の一滴まで絞り取るかのように根元を扱いて
先端をちゅうちゅうと吸う。するとそのうち再び口の中のモノは熱を持ってくる。
二度目の口内射精がなされるまで一物を咥え続ける銀時と土方であった。
「んっ、ハァ……ひじかた……」
口の中に残った精液を唾液とともに飲み込みながら銀時は身体を起こし、土方と同じ向きで
横になった。名前を呼んで見詰めれば、土方の腕が伸びてきて抱き寄せられる。
薄く唇を開いて口付けた銀時。絡ませた舌は、先日戯れに舐めてみた自分の味。
「まずい……」
「……お互い様だろ」
銀時の口内も未だ土方の味が残っていて、それでも二人はまた口付ける。自分から放出された
ものが相手の一部となっている――その証だと思うと嫌悪感はなく、それどころか高ぶっていく。
ぎゅっと抱き合って一物同士を重ねつつ、片手は背骨を通って下へ下へ……
「んっ……」
「っ……」
指先を相手の後孔に差し込んで、離れないように腰を引き寄せながら入口を弄る。
幾度も絡ませ合った舌にはもう唾液の他に纏うものはなくなった。
* * * * *
「あ……今日、本番してねェ」
抱き合ってキスをして三度目の吐精を果たして抱き合って――銀時が思い出したように言う。
「土方くんの精液が美味すぎるから合体するの忘れちゃったじゃねーか」
「まだそのネタ引きずってんのかよ……」
呆れた様子で言ってやれば、クスクスとやたら楽しげに銀時は笑った。
「もし、土方くんの何処が好きですかーとか聞かれて、精子の味って答えたらどうなるかな?」
「引かれるからやめとけ」
止めておかなければ本気で答えかねないヤツだ。
「じゃあどう答えればいい?」
「全部とか言っときゃいいだろ」
「大した自信家だなァおい……自分に弱点はありませんってか?」
「いい所と好きな所は違うだろ」
「そだね。お前、悪い所いっぱいあるもんな。目付きとかガラとか……でも好き」
「お前は質が悪ィな」
「……でも好き?」
「ああ」
再び抱き合ってキスをして、二人は眠りに就いた。
(13.03.11)
最近、69がマイブームです(笑)。ケンカップルに見えて実はラブラブ、という二人も好きです。……あ、これはデフォルトですね。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。