※注意書きは読んでいただけましたね?それではどうぞ↓
鏡の国のさっちゃん
皆さんお久しぶり、さっちゃんよ。今日は特別に私の部屋を見せてあげるわ。
始末屋なんて仕事柄、一つの場所に長く留まることはしてないんだけど、今住んでる物件は
とても気に入ってて、永住しちゃおうかしらなんて思ってるの。
それがここ、銀さん家の台所兼洗面台の前でーす!
マジックミラーの壁で銀さんの全てが見渡せる最高の物件よ。
今朝は歯磨き粉が切れたとかで神楽ちゃんと一悶着あったけど、普段なら銀さんが棒(歯ブラシ)を
口内で弄ぶ様をとてもじっくり鑑賞できるのよ。いいでしょ。
あっ、誰か来たわ。銀さんかしら?さっきのあれ(歯磨き)じゃ満足できずに戻ってきたのね。
もうっ、欲張りなんだから。…………あら残念。銀さんじゃなかったわ。
やって来たのは土方とかいう男。
ていうかコイツ、まだ銀さんの周りをうろついてたの?銀さんが気になるのは分かるけど、
銀さんは私と付き合ってるんだからいい加減諦めてほしいものだわ。
だいたい、こんな朝早くに訪ねてくるなんて非常識もいいとこよ!
「……ん?おーい、歯磨き粉がねーぞ!」
土方が入口に向かって叫んでる。なにコイツ、銀さん家に歯磨きしに来たの?
「もうお前はマヨネーズで磨いとけよ」
きゃあああああ銀さんよ!銀さんが来たわよ!!さあ銀さん、遠慮なく自分を曝け出して!
私が隅々まで見ててあげるからっ!!
「マヨ臭ェから歯磨きしろっつったのテメーだろ」
まだいたの土方。邪魔よ。さっさと帰りなさい。
アナタがいたら銀さんが全てを曝け出せないじゃない。
「じゃあ砂糖つけて磨けよ。口ン中がいい感じに甘くなるぜ」
「ンな虫歯になりそうな歯磨き聞いたことねーよ!もういい、水だけで磨く」
土方が鏡の前を陣取ってるせいで銀さんが碌に見えない。本当に邪魔な男ね!
……ていうか、コイツの使ってるコップって、さっき銀さんが使ってたコップじゃない?
えっ……銀さんって、そういうの気にしないタイプ?そうだったのね!細かいことに拘らない
銀さんの大らかさに付け込んで、この男、ちゃっかり間接キスを楽しんでいるんだわ!
何て卑劣な男なのかしら!いずれ始末しなければならないようね……
「つーかお前、神楽に何か言った?ツバキよりビダルがいいとか言い出したんだけど」
「お前がツバキで歯ァ磨けとか言うから怒ったんだろ」
「聞いてたのかよ」
「聞こえたんだよ。……つーか、いつの間に鏡なんて付けたんだ?」
何なのこの男……銀さん家の鏡の位置まで把握してるというの?まさか、こんなにお前のこと
見てるんだぜアピール?フッ……そんな安い手が銀さんに通用するとでも思ってるのかしら?
おめでたいわね。
「あ、やっぱ無かったよな?まあ、俺もそうじゃねェかと……」
あらっ?通用してる?まさかね……
「何でテメーん家の記憶が曖昧なんだよ」
アナタは何で銀さんに対してそんなに偉そうなのよ!鏡に気付いたから何?
私なんて、脱ぎたての銀さんのパンツの匂いまで知ってるんだから!
あ……ちょっと吐き気が……
違うのよ!銀さんのパンツの匂いが原因ではないの。これはそう!産気づいてしまっただけよ!
あ、あら?いつの間にか銀さんが私(鏡)の正面に立ってるじゃない!土方はその後ろにいるわ。
それでいいのよ土方。ついでに早くこの場を去りなさい。
「……もう少し後ろか?」
「お前、何企んでんの?」
「いいから下がれって…………お、この辺でいいな」
良くないわよ!何でそんな後ろに下がるのよ!もっと近くで銀さんを見せなさいよ!!
「あのー、土方くん?何をするおつもりですかね?」
「何って……ナニだろ」
「ですよねー」
何をするつもりなのかしら?何でもいいけど私はありのままの銀さんが見たいのよ。
余計な男はさっさと引っ込んでくれないかしら。
「……って何でだよ!」
「そこに鏡があるから?」
「ちょっと落ち着こうか土方くん。洗面台に鏡があるのは当たり前だよ」
「ンだよテメー、こういうの好きだろ?」
「まあ、嫌いじゃねェけど……」
えっ、何?銀さんって鏡を見るのが好きなの?もうっ、それならそうと早く言ってよ!
さあ!存分に私を見て!そして私も銀さんを見るわっ!!
「じゃあそういうことで」
「おいっ……」
きゃあああああ……銀さんの服がはだけて逞しい胸板がそこに!遂にこの1LGKの実力を
発揮する時が来たのね!
「そういうのは宿でヤろうぜ?もっとデカいのがベッドの横にバーンとある所に……」
「ああ、今度行こうな」
「だからそうじゃなっ……おいっ!ち、くび……やめっ……」
そうよ、やめなさい!アナタが触ってたら私に見えないじゃない!
だけど銀さんって、こんな表情もするのね……。嫌がっているようでいて喜んでいるようにも
見える何とも言えない……はっ!これじゃあまるでMじゃない!ドSの銀さんにMな表情を
させてんじゃないわよ!何てことするのよ!!
ああそれなのに、もっと見ていたいと思うこの気持ちは何?
「もう下に欲しいのか?」
「違っ……おい!」
ぎゃあああああ〜銀さんの、銀さんのKI〇TAMAが!〇〇〇の裏から●●●の先までが!
丸見えよ!!ああ……できるならもっと近くで全てを見たい。けれど1LGKの中にいる私には
近付くことすら許されない……これはまさに焦らしプレイだわ!
さっきはMなんて言ってごめんなさい銀さん!やっぱり銀さんはドSだったのね!
「んっ……そろそろ、新八が来ちまう、からっ……」
「ああ、早く終わらせような」
「おい……んんっ!くっ……」
やっぱり土方の手が邪魔でよく見えないわね……。ていうかまだいたの?
銀さんしか見えてないから気付かなかったわ。
「あっ、んっ……」
「……こうすりゃコッチも映るか?」
「うおっ!」
土方が銀さんの片足を抱えた。片足が抜けたおかげで、パンツも下に落ちたわ。
いいじゃない!これでありのままの銀さんが私の前にっ!!
「危ねえ!倒れる倒れる!」
「ちゃんと掴まっとけよ」
「もう分かった!分かったから普通にヤれ!」
「チッ……」
土方は銀さんの足を下ろして正面に立つ。……ちょっと!その位置じゃ銀さんが全く見えない
じゃない!ちょっと待ってよ!それじゃあ本当に何も見えないじゃないの!!
「あっ、あっ、あっ……」
銀さんの声は聞こえるけれど姿は見えない。床に座って……もしかしたら寝ているのかも
しれないわ。とにかくここからじゃ、シンクが邪魔して土方の頭しか見えないのよ。
この部屋にこんな弱点があったなんて!
「あっ、そこ……」
そこって何処なの銀さん!!今なにがどうなっているのっ!!
「あっ、ああ、イイっ……」
けど何故かしら……声しか聞こえないのに、何故か、何故か……興奮するじゃないのォォォォォ!!
ああ、銀さんったら、何処まで私を夢中にさせればいいの!あああああ……
ゴンッ!
「「「あっ……」」」
銀さんへの思いが溢れ出して部屋から落ちてしまったわ。
いけないいけない……もうこの部屋は使えないわね。また別の物件を探さなきゃ。
「じゃあ銀さん、またね」
「待ちやがれこのっ……」
「あっ……土方テメー動くな!」
「す、すまん」
余計な男を銀さんが足止めしてくれてる間に……
「あら?」
「あ、さっちゃんさん……」
「また来てたアルか」
玄関に向かって扉を開けると、そこには新八くんと神楽ちゃんが佇んでいた。
後ろでは銀さんの怒鳴り声が聞こえてる。二人ともいるじゃねーかとか何とか……
私も叱ってほしいけど、でもそれは二人っきりの時よね。
というわけで、
「お邪魔しました〜」
私は彼の部屋を後にした。
どうだったかしら、彼と私の愛の巣は。次はもっといい物件見付けるんだから。それじゃあね。
(12.10.17)
本誌のさっちゃんの、銀さんの[ピー]が見たい発言で妄想が爆発。そして、台所といえばシンクに手を付いてバックというのが基本(?)だと思うのですが
土方さんは正常位がお好きなようです^^ 土銀のいちゃいちゃしているところを目撃してもめげない……というか、二人がデキてることにすら
気付かない前向き過ぎるさっちゃんが好きです^^ ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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