罰ゲームとかお仕置きとか……名目は何でもよかったんだ。ただ、偶然手に入れたコレで
楽しいプレイができればいいなと思っただけ。ちょっとした好奇心だったんだよ。
おもちゃは遊び道具
「悪ィ、遅くなった」
「別にい……」
いいよ、と言おうとして銀時は言葉を止めた。今が例のブツを使うチャンスではないかと。
デートの待ち合わせに土方が遅れてくるのは珍しくない。緊急出動の多い仕事であるし、責任の
重い役職に就いているのだ。それは分かった上で付き合っているわけなのだが、どうにかして
使ってやろうとここ最近懐に忍ばせておいたもの。今なら使えるのではないかと考えた。
「あー……外で待つのはちょっと寒かったかなぁ〜」
「すまん。おでんでも食いに行くか?奢るからよ」
「いや、ちょっとこっちに……」
「あ?」
いいからいいからと腕を引きつつ、近くの公園の厠へ向かっていく。
何すんだ、やめろ、離せ……とりあえず良くないことが起こりそうだとは容易に想像がついて
喚いてみても「いいからいいから」は止まらない。
遂に厠の個室に押し込められてしまった。
「おいっ!」
「これ入れて」
「はぁ!?」
土方から手を離し、後ろ手で鍵を掛けて銀時が懐から取り出したのは、所謂「大人の玩具」。
鶉と鶏の中間くらいの大きさの卵形と、名刺半分程の四角が凡そ二十センチのコードで繋がっている。
そのコードの中央を摘み、アメリカンクラッカーよろしく卵形と四角をカチカチ鳴らして銀時は言う。
「パチンコの景品」
「……で?」
「入れて」
「断る」
「遅刻した罰」
「っ……」
わざとではないが遅刻したのは事実で、それは申し訳ないと思っているから咄嗟に反論できなかった。
そこに付け入れられるのだと分かってはいても。
「寒空の下、ずっと待ってたんだけどな〜」
「……だから、奢ってやるって……」
「金で解決するんだ」
「そんなんじゃねーよ」
「どーせ俺は貧乏ですよー」
「っ〜〜〜くそっ!やりたきゃやれ!」
「はーい、やらせていただきまーす」
途端に態度を変える銀時にやはり騙されたと思うけれど、どうせ了解するまで出られないに
決まっている。ならば早いところ済ませてもらうしかないとも思った。
土方を後ろ向きに立たせ、着物の裾を捲くり下着を下ろす。 外気の冷たさで体を竦める様子に
笑みを濃くして、銀時は卵形を唾液で湿らせた。その先を土方の後孔に宛がえば、ん……と声に
ならない声が漏れる。
「入ったよ〜」
「分かってる」
もっと太くて長いモノを受け入れ慣れたそこは難無くプラスチックの卵を飲み込んだ。
下着を履かせ、コードの先に付いている四角を腰ゴムに挟み、着物の裾を戻せば準備完了。
「どう?」
「別に……」
正直なところ本当に何ともなかった。入っている感覚はあるがそれだけで、快も不快もない。
「そうやって強がってられんのも今のうち」
手の中にすっぽり収まる小さなスイッチを懐から取り出して、土方に見せ付けるように目の前でオン。
「…………」
「……あれ?」
先程と何も変わらず、銀時から笑顔が消えた。
土方の下半身に向けてスイッチをポチポチと押してみたが、やはり何も起こらない。
「動いて、ない……?」
「ないな」
「えっ、ウソ、何で?」
「俺が知るか」
少し期待していたのに、とは口が裂けても言えない本音。スイッチの電波を「四角」が受信して
ナカの「卵」が震える仕組みだということくらい土方は分かっている。
あまりに挿入感がないものだから、振動でもないと何の反応もできないではないか。
銀時は快感に耐える土方が見たいのであって、土方も銀時だけになら見られても構わないと
思っている。こういったプレイを積極的にしたいとは思わないが嫌いでもなかった。
それなのに……
「ちょ、ちょっとごめん……あ!」
再び土方の裾を捲くって受信機を確認したところ、こちらの電源が入っていないことが判明。
カチリとスイッチを入れて裾を戻し、今度こそ準備完了……
「では、スイッチオーン!」
「…………」
「……あれ?」
……ではなかったらしい。土方側はうんともすんとも言わず、銀時のスイッチだけは電波を
飛ばした証拠の赤いランプが空しく灯っていた。
「……壊れたんじゃねェか?」
「いやこれ、新品だからね」
「でも動かねェじゃねーか」
「うーん……もっかい見せて」
「続きは宿でいいだろ……寒ィ」
「あ、うん……」
裾に掛かった銀時の手を軽く払い、土方は厠の扉を開けた。
* * * * *
「おっかしいなー」
たくし上げた裾を持たされて立つ土方と、その足元にしゃがみ込み受信機をチェックする銀時。
所詮は玩具。粗悪品だってあるだろうと早々に土方が諦めた一方、銀時は諦めきれずにいた。
受信機をトントンと叩いたり裏返したりして原因を探っていく。
「こっちも電池がいるのか!」
漸く発見したのは受信機側の電池の入れ忘れという初歩的なミス。
「すぐ買ってくるから待ってて!」
土方の返事を待たず宿から駆け出す銀時。短く息を吐いて土方は浴室へ向かった。
* * * * *
「あっ!なに勝手に抜いてんだよ!」
近くのコンビニで乾電池を買って戻った銀時は洗面台に置かれたリモコンローターに怒り心頭。
土方はというと、表情一つ変えずソファーに座り煙草を吹かしている。
「じゃあそのまま風呂入ってよかったのか?」
「それは、ダメだけど……」
「元はといえばテメーのドジのせいだろーが」
「チクショー覚えてろよ……」
絶対にコレであんあん言わせてやると受信機裏の電池蓋を開けた銀時は「あっ」と声を上げて
固まった。
「おい、どうした?」
「入らない……」
「は?」
銀時の手元を見れば、持っている乾電池より明らかに小さい入口。
「単四でもデカいってどういうこと?」
「……単五って書いてあるじゃねーか」
電池蓋の裏には「単五」の文字と電池の向きの図。
「単五?ンな小せェの何処で売ってんだよ……」
「なら使わなくていいな」
「いやいやいやいやいやいや!電気屋なら売ってる!買ってくるから!!」
「はいはい……」
土方は部屋の隅にある自販機を一瞥した。そこにも大人の玩具は売っていて、それを買う方が
早いのではないかと思う。思うだけで口には出してやらないから、銀時はそれに気付かず再び
電池を買いに出掛けてしまった。
* * * * *
「ハァ、ハァ……なに食ってんの?」
単五の乾電池と共に銀時がホテルに戻ると、土方はルームサービスで食事を注文していた。
「天ぷらうどん土方スペシャル」
「随分とお寛ぎですね!」
「お蔭様で」
「くっそ、マジで覚悟しとけよ!今日は寝かさねーからな!!」
「はーい」
ここまで待たされたのだ。土方とてこの後の「営み」が激しくなることくらい覚悟している……
というより、望むところだ。
「よしっ、ベッドに手を付け」
「食い終わるまで待てよ」
「なに言ってんだ!食ってる最中にやんなきゃリモコンの意味ねーだろ!」
「分かった分かった」
完全に駄々っ子を相手にする感じで土方は銀時の言うとおりの体勢に。
すぐにローターを挿入され、ソファーに戻される。
「スイッチオーン!!」
銀時の手元と連動し、土方の内部から僅かに振動音が響いてきた。
「…………」
「はいどうぞ。お食事の続きを〜」
「ああ」
締まりのない顔でこちらを伺う銀時をちらりと見てから土方は割り箸を手に取る。
「あの……気持ち良くないですかね?」
「あまり……」
銀時が楽しんでいたのも束の間。土方は淡々と食事を続け、只今食後の一服中。
「……恥ずかしいから感じてないフリしてるんだろ?」
「そう見えるか?」
「……いいえ、全く……」
浴衣越しに確認した股間は何の反応もないように見える。
「何でだよ!お前ナカ大好きじゃねーか!チンコ触るよりずっとあんあんあんあん……」
「そこに当たってねェからな……」
「マジでか!折角のリモコンローターなのにィィィィィィ!」
「まあ、そういうわけだからよ……」
「ん?」
銀時の指の上からリモコンのスイッチを切り、土方は銀時の膝に乗り上げて笑みを浮かべた。
「身一つで朝までキバれや」
「……上等だコラ」
こんなに熱烈なお誘いを受けて、玩具プレイに拘っている場合ではない。
リモコンを放り出して銀時は土方の唇を引き寄せる。
それから夜明けまで、土方の嬌声が止むことはなかった。
罰ゲームとかお仕置きとか……名目は何でもよかったんだ。ただ、偶然手に入れたコレで
楽しいプレイができればいいなと思っただけ。ちょっとした好奇心だったんだよ。
だから……悔しくなんかないやい!
(13.01.09)
汁気なしの18禁に挑戦……したかったわけじゃありません^^; 銀さんがヘタレ過ぎたのと、土方さんが初心じゃなさ過ぎたのがいけなかった。
でも、読みようによっては、玩具なんかじゃ感じない・銀さんでなきゃダメな土方さん誘い受けの話とも読めるような……だったら最後の、唇引き寄せてから夜明けまでを
書けって感じですね。まあ、そこは普通の(?)銀土なのでまたどこかで^^ ここまでお読みくださりありがとうございました。
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